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2012年12月14日 (金)

『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』のは分かってはいるのだが、読んじゃうんだよね

 昨日の映像ソフト協会の会合で、角川歴彦氏から「オフレコ」の話として、電子書籍の問題として「公衆送信権」と「送信可能化権」にまつわる○○の問題が出た。それはたしかに大きな問題だ、という話とはなったのだが、それとは無関係なところで本日の話は始まります。

 その問題は、またいずれ。

「ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない」ったって、そんなの当たり前じゃない、それは読んだ人の問題でしょ。と思っていたら、実はビジネス書の側にも問題があったのだった。いわゆる「ビジネス駄本」ってやつね。

『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』(漆原直行著/マイナビ新書/2012年2月29日刊)

「ビジネス書」とひとくくりに言っても、経営学や経済学、ビジネス資格などのビジネス書ではなく、「自己啓発」や「成功法則」「ライフハック」などの関連本。

『そもそも本書で私が言わんとしていることの大前提として、たとえば決算書の読み方や最新の会計制度、企業法務関連の解説書といったビジネス実務書や、経済・ビジネス理論などを説くビジネス専門書と、自己啓発や成功哲学を語る“ビジネスパーソンのための生き方解説本”は同じ土俵では語れないと考えています。大きな括りでは同じ“ビジネス書”というカテゴリーに含まれるタイトルであっても、別物として捉えたほうがいいという認識です』

 ということなのだ。

 結局、凡百のビジネス書(自己啓発や成功法則など)の行きつくところはデール・カーネギーの『人を動かす』、ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』、サミュエル・スマイルズの『自助論』、スティーブン・リチャーズ・コヴィーの『七つの習慣』といった“古典”に行くしかないというのだが、実は私は今あげた本のどれ一つも読んだことがない。勿論、漆原氏呼ぶところの“ビジネス駄本”はかなり読んでいるけれどもね。

 比較的最近読んだ小山龍介氏の“ライフハック本”なんかについては、「ふ~ん、なるほどねえ。でも、これってビジネス・ガジェットについての小ワザ特集なんじゃねえの?」という感想を持ったにすぎない。むしろ、本書でも触れている梅棹忠夫氏の『知的生産の技術』なんかの方にそれこそライフハックの元祖という印象を持った。

 つまり、ビジネス書なんていかにも「今風」を装っているんだけれども、所詮は古典の言い回しを変えて提示しているだけで、何も新しいことを言っているものではないということ。

『ビジネス書を読んでも成功できない理由、読めば読むほど窮屈に思えてくる理由を考えてみると、「やる気やポジティブ志向を煽るだけ煽って前のめりな姿勢にさせる一方で、その結果生じる願望と現実のギャップの存在を正面から解説してくれず、それを乗り越える困難さや痛みを説明してくれない」あたりに問題があるように思えてくるのです。たとえるなら「親切なようで思いのほか不親切なホテルのコンシェルジュ」「さんざんおだてて屋根に昇らせておいて『じゃ、あとは自己責任で』とハシゴを外すようなヤリ逃げ野郎」のような一面を、ビジネス書は持っているのではなかろうか、と。「それなら屋根に昇るまえにハシゴを用意したほうがいいと教えてくれよ」と思うわけです。横丁のカドにあるタバコ屋のオバちゃんの道案内並みに、要領を得ない。いや、オバちゃんのほうがまだマシ、と思えるようなビジネス書もあったりします』

 と書くが、しかし、そんな懇切丁寧にビジネスの要諦を教えてしまったら、結局それは「ビジネス書を読んでも何の役にも立ちませんよ」と教えてしまうことになるのだから、ビジネス書の根本は「最終的な責任はとりません」と、読者を放り出すことなのだ。で、結局『究極の自己啓発、究極の成功は、自分が自己啓発書や成功本の著者になってしまうこと』なわけなのである。つまり、その典型が勝間和代さんというわけなのであります。

『有能な実務者、優れたビジネスパーソンには、たしかにビジネス書を読んでいる人が少なくありません。でも、ビジネス書を読んでいるから成功したワケではないのです。自分なりに目的や問題意識を抱き、視野を広く持ち、何事も貪欲に吸収してやろう……といったことを強く意識しているから、本もよく読んでいる、というだけのこと。そういう人は、本を読むことに限らず、誰かの話を聞いたり、問題や目標に対してどう取り組めばよいか塾考したり、失敗をいとわず試行錯誤を繰り返したりという取り組みを日ごろからしているものなのです。その方策のひとつとして、読書も取り入れているにすぎません』

 ということにすぎないのである。

 なんだ、そんなことならビジネス書を読む意味なんてないじゃないか、と考えるあなた、あなたは正しい。何故なら、ビジネス書のブームというのは、単に出版社側の事情にすぎないのであるから。

『ビジネス書は、文芸書などと比べると単行本でも売れる傾向が見られる。たとえば小説やエッセイなど、娯楽や趣味が主な購入目的になるような本は、読まないからといって生活に困ったり、仕事がうまく回らなくなったりすることがまずない。だから、暮らしに余裕がなくなると途端に買い控えられたりする。また、それなりにヒットした作品なら、最近は1年程度で文庫化されたりするから、それを待つ読者もいる。
 一方、ビジネス書は、文字通り『仕事』に関わってくる。そこでケチっている場合ではない、という心理が働くようで、1000円台半ばあたりの単行本が文芸書とは比較にならないくらいのペースで売れていったりする。どんなに売れても文庫になるようなタイトルはほとんどないし、刻々と動く経済動向、常に新しさが求められるビジネス環境といった背景も絡んで、新しい本をできるだけ早く読まなければ、という意識がビジネス書の愛読者には強くあるようだ』

 とくかく「本が売れない」という昨今、こうしたビジネス書の刊行理由はまさしくあるわけで、それは需要に喚起されておこされたブームではなく、まさに出版社側の事情にあるわけである。特に最近の新書ブームもそれに輪をかけていて、安くて、なんとなく役に立ちそうなイメージのあるビジネス新書が多く刊行されているというのも、そんな事情によるもの。

 と、考えてみればビジネス書なんて読む必要はないということが良くわかるでしょう。

 もしどうしても読みたいのであれば、最初に上げたビジネス古典を読めばいい。結局、ビジネス書の行きつくところは、それらの古典なのだから。

『知的生産の技術』なんかはいいですよ。私がオススメするのはそんなところ。

 でも結局は本屋さんに行くとビジネス書を選んでしまうんだよね。何故か。それは「突っ込みどころが沢山ある」からなのだ。こんな「本について好き勝手なことを書く」ブログなんかをやっていると、やはり「突っ込みどころが沢山ある」本の方が面白いから……という理由で、この『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』も同じ理由で選んだのである。

 まあ、選んで正解だったかな?

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