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2012年12月30日 (日)

『MAKERS』が予想する「第三次産業革命」

 いよいよ今年の掉尾を飾る書評というか、まあ、いつもの「本について勝手なことをほざく」ブログではありますが、『ロングテール』『フリー』という言葉を生み出したクリス・アンダーソンの『メイカーズ』であります。私はKindle版で読んだ。

 単純に言ってしまうと、3Dプリンタが起こす「第三次産業革命」が現在メイカー・ムーブメントとなって結実し、誰もが「小さなメイカー」になって起業の平準化が起きるということなのだが。

『MAKERS――21世紀の産業革命が始まる』(クリス・アンダーソン著/関美和訳/NHK出版/2012年10月23日刊)

 つまりそれは;

『1 デスクトップのデジタル工作機械を使って、モノをデザインし、試作すること(デジタルDIY)。
2 それらのデザインをオンラインのコミュニティで当たり前に共有し、仲間と協力すること。
3 デザインファイルが標準化されたこと。おかげでだれでも自分のデザインを製造業者に送り、欲しい数だけ作ってもらうことができる。また自宅でも、家庭用のツールで手軽に製造できる。これが、発案から起業への道のりを劇的に縮めた。まさに、ソフトウェア、情報、コンテンツの分野でウェブが果たしたのと同じことがここで起きている』

 ということ。つまり、それが3Dプリンタによって可能になるというのだ。

 さらにクリス・アンダーソンは電気自動車メーカー、テスラモータースの例をあげながら、次のように言う。

『自動車産業に限らず、オートメーションの占める割合が増えて労働力に依存する部分が減れば、人件費の低い国で生産する意味はあまりなくなる。原材料は――プラスチック、ボーキサイト(アルミニウム鉱石)、リチウムでさえも――グローバル市場で売買され、全員がほぼ同じ価格を支払う。残りのコストは、土地の値段、電気代、そして税金だ。それらはまだ西側諸国の方が高いが、人件費に比べれば、格差ははるかに小さい。ロボット工場の台頭によって、これまで数世紀ものあいだ続いてきた、安い労働力へと向かうグローバルな貿易の流れは、終わりを迎える可能性がある』

 と、つまりいまアップルが行おうとしている「製造拠点のアメリカ帰り」という動きを、既にこの時点で予想していたのである。

 3Dプリンタについてはこの数週間、いろいろなKindle本を読んできた。その結果分かったことは;

1 現在の3Dプリンタ技術ではまだプラスチックなどの、比較的「柔らかい」素材でしかモノを作れない。
2 現在の3Dプリッタ技術ではまだレゴブロックや模型飛行機などの、比較的「小さい」モノしか作れない。
3 とは言うものの、そんな3Dプリンタ技術でも、銃器などを作ることは「出来ないことではない」。
4 「小さいモノ」ができるということは、数年の内に「大きな飛行機」でも、「金属などの硬い素材」であっても、出来るようになるだろう。

 ということである。

 つまり、クリス・アンダーソンが言う、まさに「第三次産業革命」が、今まさに起きようとしているということなのだ。

『1950年前後の情報時代の幕開け、1970年代後半から1980年代はじめのパーソナル・コンピュータの開発、そして1990年代のインターネットとウェブの出現は確かに革命だった。しかし、それは製造業を民主化し、その能力を増幅することではじめて、「産業」革命となる。それが、いまやっと起きはじめている。第三次産業革命とは、デジタル・マニュファクチャリングとパーソナル・マニュファクチャリングが一体となったときにこそ起きるもので、それがメイカー・ムーブメントの産業化だといえる』

『当初、ウェブはテクノロジー企業と大手メディアによって支配されていた。彼らは既存事業を改善するためにウェブを使っていただけだった。しかし、まもなくソフトウェアとハードウェアが発達し、普通の人々にもウェブが身近になると(つまり、民主化されると)、みんなが自分のアイデアや専門知識やエネルギーをそこに注ぎ込むようになった。いまではウェブのかなりの部分は、アマチュアやセミプロ、そしてテクノロジー企業や大手メディアの従業員以外の人によって、成り立っている。
「無重力経済(ウェイトレス・エコノミー)」、つまり情報、サービス、知的財産といった形のないビジネス(「足の上に落ちても痛くないもの」から成る経済)は、なにかと話題になりやすい。しかし、現在、ビット経済の大部分を占めるのはこの形のない情報産業で、大きいといってもまだアメリカのGDPの五分の一にすぎない。そのほかのすべての産業、たとえば、サービスセクターのもっとも大きな部分を占める小売業は、ものを作り、運び、売る活動にほかならない。したがって、もの作りのプロセスを変えることはなんであれ、実態経済に大きな影響を与える。それが、本当の活動につながるのだ』

 アメリカを特徴付けるのは、バックヤードのマニュファクチャとも言うべきガレージの存在だろう。多くのスタートアップ企業がそんなバックヤードのガレージから生まれている。そんなアメリカらしい、メイカー・ムーブメントなんだろう。つまり、誰でも「何かを作り出せば」メイカーとして起業することが可能なのだという、一種のアメリカン・ドリームだ。

 そういえば、シリコンバレーのそばのサン・マテオというところで5月に「メイカー・フェア」というのが行われているそうだ。現状では奇妙奇天烈なモノばかりが出品されているそうだが、その辺がしかしアメリカらしいところで、そんな中から新規の製品が生まれてくる可能性もあるのだろう。

 来年の5月18日19日にも開催されるらしい

 楽しそうだ、行ってみようかな。

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