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2012年11月18日 (日)

『間抜けの構造』って程には“間”じゃないことを語っているビートたけしがいるのであった

 ビートたけしは漫才師・お笑い芸人のときの名前。映画監督は北野武だ。じゃあ、この本はお笑い芸人のビートたけし氏が語り下ろした漫談。だから「マクラ」の「はじめに」はあるけれども、話全体を最後に落としたら、そのまま「あとがき」はなしという構造になっている。

『間抜けの構造』(ビートたけし著/新潮新書/2012年10月20日刊)

『“間”って一体なんだろう――。
 これについて考え始めると、そう簡単に結論が出ない。つまり、「“間”が悪い」の反対である「“間”が良い」とは何か、ということを考えなければいけないのだけれど、これが結構難しい』というフリではじめる漫談は、まず『第一章 間抜けなやつら』で「バカと間抜け」「間抜けな政治家」「間抜けな客」「風俗の間抜けな待合室」「間抜けな選挙演説」「間抜けな芸能レポーター」「間抜けなテレビ」「間抜けな男と女」「間抜けな運転手」「間抜けな弟子たち」というネタふりに始まり、次にたけし氏の知る世界での“間”についての考察が始まる。

 つまり、『漫才の“間”』『落語の“間”』『テレビの“間”』『スポーツ・芸術の“間”」「映画の“間”』という各ジャンルでの“間”の考察から『第七章 “間”の功罪――日本人の“間”』となって;

『“間”というものを大事にするのは日本の長所でもあるけれど、その一方で、短所もそこにある。“間”を大事にするということは、つまり過剰に空気を読む文化でもあるわけで、そうするとゼロから何かを生み出す能力がどうしても弱くなる。新しいものをつくるには、何かを壊さなきゃいけないんだけど、それが苦手。結果、思い切ったイノベーションができない』

 と結論付けるのであるが、それはちょっと違うんじゃないかとも思える。

 つまり、「“間”を大事にする」というのと、「過剰に空気を読む」というのはちょっと違う。「空気を読む」という文化が「他と違うこと」を避けるという姿勢に繋がって、その結果、過去を断ち切った新しいものが生まれないということは、確かにあるんだけれども。

 外国の記者が『あんたの履歴書を読むと、スタンダップ・コメディアンだったのが、映画監督になったとある』という質問をしてきたときには『ウディ・アレンだってそうじゃないか』と返せばいいのにな、なんて考えたりするのであるが。

 そのたけし氏が自身の「人生の“間”」について語るくだりが面白い。

『三十代の前半で漫才ブームが来て、それからずっと突っ走った。一時は週に七本以上レテビのレギュラーがあって、他にも特番があたりラジオがあったりしたから。仕事が終わった後も軍団やスタッフを朝まで飲んで、それから寝ないで野球やってまた仕事に行って、終わってまた飲んで……。“間”なんて一切ない。正気の沙汰ではなかった。
 それでフライデー事件。1989年12月8日深夜、三十九歳だった』
『『その男、凶暴につき』でデビューして、四本目の『ソナチネ』なんかが結構評価されて、「いいぞ、いいぞ」と思っていたら、今度はバイク事故。四十七歳で死にかけた』

 それを『おいらはそれで二度楽しませたんだから。我ながらいい“間”をしていると思う』と結論付けるあたり、なかなかの余裕である。

『時代ということを考えたときに、さっきも言ったけど、どの時代に生まれるかというのは本当に大事だね。その人の“間”がいいか悪いかというのは、どの時代に生まれたかに尽きるんじゃないか。
 おいらたちの漫才ブームがあって、その約十年後にダウンタウンとかウッチャンナンチャンが出てきた。その十年の間にいた漫才師というのはほとんどダメになっている。<中略>どうしても周期というのがあって、その波は大体十年なんだ。
 野球で言えば長嶋さんと王さん、相撲だったら大鵬・柏戸、芸能界だったら裕次郎さんとひばりさん、お笑いだと一番ピークがおいらたち。あとは小さな波は来るけど、おいらのときのようなビッグウエーブにはならない。
 企業だってそうだろう。ソニーがすごかった時代もあったけど、今は見る影もない。IT企業は今が全盛かもしれないけど、十年後はわからない。あらゆる業種というか職種に波みたいなものはあって、その時代にその分野がどうかというのは運でもあるし、“間”がいいかどうかが試される』

 って、それは“間”じゃないでしょう。“運”というのは当たりだけれどもね。

 で、最後の“下げ”は

『特に今の時代は、どんどん“間”がなくなっちゃってギスギスしている。本当は間があったほうが豊かになるのに。みんな履歴書に空欄をつくらないように、人生の“間”を必死で埋めようとしている。それでイケイケな社会ならいいけど、バブルはとっくにはじけた。高度経済成長なんてもう来やしない。人口も減る。そんな日本なんだから、もう一回、“間”というものを見直して、生き方を考えてもいいんじゃないかと思うけどね』

 という結論って、なんかたけし風じゃなくて、なんか当たり前のことを言っているにすぎないような気がする。

 もうちょっとビートたけし風に“毒”を吐いて、『そんな日本なんだから、もう日本は見捨ててどこにでも行っちゃったほうがいいんじゃないか。な~んて言って、その気になって若者がどんどん外国に出て行っちゃって、日本は年寄りばっかりになっちゃうの。そうすれば、まずますおいらたちの天下が続くってもんで、こりゃ永遠にビートたけしの時代だ』くらいは言ってほしかったんだけれども、そうではない。

 なんか、あまり“毒”にもならない言葉を吐くビートたけし氏を見ると、なんか人間も歳を取ると、だんだん抹香臭くなるような、その典型を見させられたような気になるのである。

 ちょっと残念。

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コメント

おひさしぶりで^^ いろいろと 忙しくて?? どうして いそがしいのでしょうか??
64歳なのに まあ 仕事はしています  ちょっとだけ 生活保護のほうが 高給なんだけど^^::
たけしの 映画を ざとういち しか 見たことがないんです ざとういちも 15分で やめました なんじゃこれ?? で^^  他の映画は見たことがないのですが ほんとに いいんですか?? もっとも 漫才師の時代の たけしも 見たことがない  やはり   ねたみでしょうか??  ^^

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