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2012年11月30日 (金)

『絵で解る琉球王国 歴史と人物』で琉球の歴史を学ぼう

 本書の著者であり版元でもあるJCC出版とは、沖縄で1993年に創業した若い会社の名前であった。で、その会社は出版社ではなく、東京でいえばワタミみたいな飲食業をベースとした企業なのである。

『絵で解る琉球王国 歴史と人物』(JCC出版部執筆:与儀俊介・齋藤嘉苗・仲栄真七奈子:JCC美術部挿絵:齋藤嘉苗:出版部・美術部監修:渕辺俊一/監修:井上秀雄/JCC出版/2011年8月1日刊)

 で、その株式会社JCCのサイトを見ると事業内容として「和食・洋食・琉球(宮廷)料理・中華料理レストラン、健康(治療)食事宅配サービス、ダイエット支援食、菓子製造、病院、老人保健施設、公共施設、学校、企業等の給食業務の受託、惣菜製造、ホテル事業」となっていて、かなり手広く手がけていて、それに今回は「出版事業」が加わったということなのだ。そういえば、この本のチラシを見たのは沖縄1日目の食事を摂った「くんち家」という居酒屋であって、よく見たらそこもこの㈱JCCの経営する店であったのだ。なあんだ、そうだったのか。

 で、その㈱JCCが2007年に沖縄国際通りに「首里天楼」という琉球宮廷料理の店を作ったときに、その店の壁を飾る「偉人画」や「絵巻物」を自ら作り、その作った絵を元に作った本がこの『絵で解る琉球王国 歴史と人物」なのであった。確かに、偉人画や絵巻物を作るためにはその背景の歴史や偉人そのものについても知らなければならないわけで。なあんだ、そうだったのか。

 で、本書で紹介されている「琉球の偉人」とは「尚巴志」「護佐丸」「阿摩和利」「尚泰久王」「百度踏揚」「尚円王」「宇喜也嘉」「尚真王」「仲宗根豊見親」「オヤケカハチ」「尚寧王」「謝名利山」「儀間真常」「自了」「羽地朝秀」「湛水親方」「尚敬王」「玉城朝薫」「蔡温」「程順則」「高嶺徳明」「吉屋チル」「恩納ナビ」「飛び安里」「仲地紀仁」「牧志朝忠」「宜湾朝保」「尚泰王」という28名なのだが、私が知っているのは『小説 琉球処分』で読んだ琉球王国最後の王、尚泰王くらいなもので、沖縄の人だってこの全ての偉人を知っている人はいないだろう。

 琉球王国は日本の室町時代にあたる15世紀前半に尚巴志によって琉球が統一されたところから、1879年(明治12年)の琉球処分で沖縄県になるまでの450年間続いた歴史を持つ。その間、ずっと明(ずっと後には清)と日本の間で微妙な関係を保ちながら行き続けてきたわけだ。

 明に対しては朝貢貿易を行い冊封を受け名目的な君臣関係を持ちつつ、琉球としてはそれを利用して明や東南アジアなどの諸外国からの輸入を行い、日本にそれを輸出するという中継ぎ貿易で収入を得るということを行ってきたわけである。一方、日本との関係はそれまでは対等だったはずが、17世紀初頭に薩摩藩の島津氏による侵攻を受け、奄美諸島を薩摩藩に割譲し、琉球も薩摩藩の支配下に入り、いわば日本の植民地のような扱いになったしまったのである。

 しかし、それでいても名目上だけでも日本から独立した国家として琉球王国は存在してたわけで、1853年にアメリカのペリーが来航して琉米修好条約を締結し、日本との開国交渉の戦略拠点として琉球を使ったりしている。

 それほどまでに琉球という土地は日本・中国ばかりでなく、欧米にとっても地政学上に重要なポイントなのであろう。今、中国が朝貢貿易と冊封を持ち出して沖縄も中国の一部であるなんてことを言い出しているのも、あながち無視できない事柄ではあるのだ。

 事実、本書にもあるように『欧米の進出にアジアの国々が直面した時代、結果的に沖縄は、近代国家日本の中で生きる道を選択した』結果、琉球処分を受けたのであって、もともとの琉球(沖縄)のスタンスは「日本とも中国とも別の国」というものなのである。

 本書執筆者のひとり、与儀俊介氏は『今回、本書出版のために琉球王国の歴史を学んだことは、そんな私にとって大きな財産となりました。「琉球」を学ぶことを通じて、「沖縄」への誇りが私の中に再確認されるのを感じたからです。「歴史」を学ぶ意義を、体験として理解したのは初めてのことでした。いま私は、「沖縄」を愛する人たちにこそ、より「琉球」を知ってほしいと考えています』と編集後記に書く。

 まさしく、沖縄には日本と違う歴史があり、違う時間が流れているのだということを、我々は認識しなければいけないのだ。

 最後に「なあんだ、そうだったのか」でオトそうと思ったのだが、うまくいかなかった。残念!

2012_11_26_116_2城(グスク)の中でも大きい城、勝連城跡。かなり大きい。左上の階段の所の人と比べてください。

Nikon D7000 AF-S Nikkor 55-300mm @Uruma, Okinawa (c)tsunoken

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