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2012年11月 8日 (木)

『英文法の魅力』は楽しく読める英語に関する本であるが、読んだからといって英語は上手くなりません

 今日と明日、語学シリーズであります。

 で、今日は英文法。そうみんな悩んだEnglish Grammarであります。Glamourではない。

 ところがこのgrammarとglamourの語源が同じというところが面白い。

『英文法の魅力 日本人の知っておきたい105のコツ』(里中哲彦著/中公文庫/2012年5月25日刊)

『grammarという単語は、ギリシャ語に起源をもち、ラテン語に引き継がれ、古フランスのgrammaireを経て、英語に』入ってきた言葉だそうだ。原義は「文字を書く技術」(art of letters)である。それがやがて大衆が「文字を書く技術」を「秘学・秘技」と結びつけて考えるようになり、「魔法・魔術」という意味を持たせるようになった。18世紀には、スコットランドの詩人たちがgrammarの異形であるgramarye(魔法)をglamourとつづくるようになり、19世紀半ばあたりから「魔法」が「うっとりするような魅力・妖しい魅力・性的魅力」へと変化し、20世紀に入ってからはアメリカ映画でglamourな女優が登場したことから、この単語を広く人々に知らしめるようになったということである。

 ここで面白いのは「r」と「l」の取り違えがあったということである。日本人にとって不得意だとされるこの「r」と「l」の違いが、実はヨーロッパ人だってあったんだというところが、何となく日本人としては安心できるところである。なんだ、アイツらだって同じジャンというところで。

 という具合に「語源」「語彙」「語感」「語法」「語義」「誤解」の6つの項目に分けて、読者からの質問に答える形で、英文法を説明する本書は、もともとは東京新聞および中日新聞に「英語の質問箱」欄に掲載されたコラムが元になっている。

 例えば「誤解」に属するものでは「ノー・モア・ヒロシマ」という言葉が日本語にはあるが、これでは英語にならないのはよく分かる。「ヒロシマの悲劇を二度と繰り返すな」という言葉を英語にするなら No more Hiroshima. ではなく No more Hiroshimas. と複数形にしなければいけない、なんてのは読んでみると「なるほどなあ」と頷けるものだ。「クール・ビズ」が完璧に日本語なのは知っている。 Cool Biz っていったら、Cool(「涼しい」転じて「カッコイイ」)なBusiness(「仕事」)ということで、それは経産省が提唱している「クール・ジャパン」つまりアニメ・マンガ・フィギュア・ゲーム・J-POP・アイドルなんかのビジネスということなのかと思われるだろう。

 Feeling good?(ノッてるかい?)に対する答え Yeah! はいいのだが、マドンナが東京でもライブで何を言っても Yeah! としか返事をしないファンにうんざりして Can I go home? と聞いたら、当然会場のファンからは Yeah! という答えが返ってきたという笑い話は面白い。はたしてマドンナがそれで帰ってしまったのかどうかは知らないが。

 ただし、この項の最後に『また、そうしたコンサートでは「アンコール!」を連呼することがならわしになっていますが、英語では次のように声をあげるのが一般的です』として We want more! We want more! という書き方をしているが、しかし、それはアメリカやイギリスでの話。別に日本では「アンコール!」であっても構わないのだ。だって「アンコール」ってのは encore というフランス語なんだから。ただし最後の「r」の発音をフランス風にしないといけないけどね。

 その他、「~関係の仕事に就いています」というのは I'm in ... でいいというのは、私としては I'm in charge of ... かと思っていたのだが、それだと「~の管理をしています」というような意味になってしまうのだったな、と思い出させてくれたり、「あのね」は Guess what? や You know や Look! Listen! や Say! でいいと言うのは、ちょっと最近のアメリカ英語の劣化ぼりを感じさせる。By the way ... という正しい言い方があるじゃないか。この余りにも簡単になりすぎたアメリカ英語はたしかにグロービッシュ的な流れの中の出来事なのだけれども、なんかネイティブだけはちゃんとした英語を喋れよと言いたくなってしまう。

 その他 Thank you. / I'm sorry. / Excuse me. の使い分けとかの実用的なこととか、「パンの耳」は ear じゃなくて heel だとかのトリビア・ネタ、リスニング能力を高めるためには音読をこころがける、なんていう昔から言われていることなど、いろいろ実用的な英語に関する知識がいっぱい詰まっていて、楽しく読みながら結果として読み終えると英語能力が上がっている…………………………なんてことはなくて、別にどうでも良い知識が増えてるだけである。

 英語を上手に話したかったら、それがグロービッシュであっても、ちゃんと訓練するしかないようだ。

 というのがオチって、ちょっと悲しくないか?

 ま、でもそれが語学訓練の基本。とにかくアメリカ人やイギリス人(アメリカ人の方がいい加減でよいが)をつかまえて、英語で喋ってみるってことですね。上達の基本は。

 

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