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2012年10月30日 (火)

『「独裁」入門』ってタイトルはスゴいけれども、内容はいつもの香山節です

 えっ? 何で香山リカが『「独裁」入門』? って思うのだが、ああ橋下徹批判なのね、というところで納得。
『「独裁」入門』(香山リカ著/集英社新書/2012年10月22日刊)

 つまりは、小泉純一郎がテレビのぶら下がり取材を使って行った「ワンフレーズ・ポリティクス」を、橋下は140字のみのコミュケーションであるツイッターを使ってより戦略的に行っており、そのツイッター・コミュニケーションと、ツイッター・コミュニケーション的な政治手法を支持する人たちに対する危惧を述べたものだ。

 それは;

・短文形式のソーシャルメディアが流行し、そこでの情報を鵜呑みにする。
・誰かが名指してくれた「敵」を総攻撃する。
・意見が分かれるような問題に対して、「全面賛成」「全面反対」の二者択一を迫る。
・すべてをはっきりさせてくれそうなリーダーを待望し、その人に白紙委任しようとする。

 という実に単純な支配構造なのだが、それに異を唱えない人たちが今増えているということに対する危惧を香山氏は提示するのだ。つまり、小泉郵政選挙の際に言われた「B層」の問題が今また大阪で起きているのである。つまり「B層」とは「IQが比較的低く、構造改革に中立的ないし肯定的。主婦層、若年層、シルバー(高齢者)層など。具体的なことは分らないが小泉総理のキャラクター・内閣閣僚を支持する」(Wikipediaより)層のことである。で、この「B層」がどんな政治判断をしてきたかと言えば、小泉郵政選挙では小泉を支持しておきながら、その結果として巻き起こった新自由主義的な改革、つまりすべては自己責任において強者と弱者に分かれることになった結果に対して「騙された」と息巻くのである。同じことが2009年の衆議院選挙でもあって、自由民主党の政治にはもういいとばかりに民主党に投票した人たちが、やはり同じく民主党政治に対して「マニフェストに騙された」と息巻き、「もう民主党には投票しない」と考えるのだ。

 こうした人たちが、今や期待するのは橋下「日本維新の会」である。

 当然、次の衆院選では橋下維新の会が優勢に動くことはまず間違いはないだろう。ところが、その橋下維新の会が選挙で優位に立ったとしても、議院で最大多数をとることはないだろうから、どこかの多数党に寄生することになるのだと思うが、そこで行う政策はやはり新自由主義的な政治経済政策であるから、やはりその支持層からは「維新八策に騙された」と言われるのだろうな。

 なんで日本の市民層はそこまで劣化してしまったんだろう。戦後すぐに日本人はそれまでの自ら行ってきた政治(とそれを支持してきた自らの行い)に対する反省から、もっと考えて政策の選択を行うことを念じたはずである。それが60年~70年経つと風化してしまうのであろうか。

 戦後の保守・革新確執の時代から、それに不安を覚えた保守層が一致団結して作り上げたいわゆる55年体制が、どうやら綻びを見せて、そこから持っていった新体制がまさか戦前に至る道である単純な「二者択一」政治であり、小泉劇場、民主党政治、橋下維新という完璧な「後退政治」であるという事実は、戦前と同じ道を歩むことを何とも思っていないのかなこの国民は、という気持ちにさせる暗澹たるものである。それでなくとも尖閣諸島、竹島問題と世の中は次第にナショナリズム優位の方向に動いている。このまま行くと、また日本は戦争を始めて、そして戦争に負けて、焼け跡から立ち上がらなければならないのかという気分にもなろうというものだ。

 Twitterは便利なメディアである。それを否定するものではない。問題はそれを使う人たちの問題なのである。Facebookも同じである。すべてのメディアは中立である。しかし、それを使う人たちの問題なのだよなあ。

 たとえばツイッターは140字だけで意見を伝えるメディアである、と同時にリツィートなんかをすると書き込める文字数はもっと少なくなる。そんなメディアでは細かいニュアンスや感情を伝えることは難しい。結局『ツイッターは、「全体、背景、経緯、熟考、ニュアンス」などを前提としないメディアなのだ』と言う事になってしまえば、それは「言論」ではない。ところが、このツイッターでの発言を「言論」と言ってはばからない人物がいるわけだ。つまり橋下である。

 そこでは「事実検証的」は言論はなく、単なる「断定的な言い分」だけが、あたかも言論のようになされる。まあ、たしかに140字でしか表されない表現ではそのようになることは仕方がない。しかし、それがメインのメディア表現になってしまっては政治家としては失格である。そのような短文では表せない政治課題は沢山ある。そのような短文で表してはならない問題は種々雑多なくらい沢山あるのだ。

 それを140字だけで表せということ自体が極論でしかないことは当たり前であるのだし、橋下自身だってそんな簡単な問題じゃないことは百も承知、二百も合点というはずである。

 更に問題は、自分に対する批判者に対してだけはそういう「言葉足らずの反論」をしながら、支持者に「私はこんなにイジめられているんですよ」と発信していることなのだ。

『週刊朝日』の記事にしたって、別に『週刊朝日』初出のネタではない。ところが、橋下にとっては朝日新聞出版社が朝日新聞社の子会社であることが有利だと考えたのだろう。で、朝日新聞と朝日新聞出版が別会社であることを承知の上で、朝日新聞に噛み付いたのである。それがまさしく「私はこんなに(朝日新聞に)イジめられているんですよ」という発信なのである。橋下の出自については多くのマスコミ関係者だけではなく一般の人も知っていた。が、彼はそれをあたかも初めて世に晒されたが如く訴えたわけだ。

 こんな奴に騙される大阪府民、大阪市民ってダメですね。本当にあんな奴を首長に選んじゃっていいの? ということを石原慎太郎を都知事に選んだ東京人が言っちゃいけないか。こういうのを「目くそ鼻くそ」というわけですね。

 橋下が大阪市長になっても、多少は無駄な出費も抑えられたかも知れないが、一方、切り捨てられる市政も沢山あることを知って欲しい、っていうかこれから知るでしょう。でも、そこで「騙された」と言ってはいけません。

 ま、選んだのは「あなた方」なのです。

 

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