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2012年10月10日 (水)

『独学術』といったって独学の方法じゃなくて、本の読み方の本なのである

 独学のススメということではなくて、独学の際に必要になる「本の読み方」に関する本なのである。

『独学術』(白取春彦著/ディスカバー携書/2012年9月15日刊)

 では「独学」とは何かといえば、それは学校での勉強では学べないことを自ら学ぼうとする姿勢のことである。皆が欲しがっている『教科書や決まった答え』を覚えるのは勉学ではない。学校で教わったことだけで満足したのでは、何も勉強しなかったのと変わりはないのだ。つまり『事典的な事項を覚えるだけでそれ以上に何の発展もないような単純な作業は本当の勉強ではない。それはもうパソコンなどの機器が代替できるものだ。人間の頭脳はパソコンよりも優秀だ』ということである。しかしながら、しばしば見受けるのは「パソコン・レベル以下のものしか考えていない」というか「何も考えていない」人々である。そういう勉強の仕方をしているから『大学へ行ったって、社会では通用しないよ』という言い方をされてしまうのだ。

 で、そんな独学の方法とは何かといえば「本を読む」それもなるたけ「原典」に近いものを読むということである。つまりそれは『大学の教授が研究で読んでいる本を読むことだから、彼らと同じレベルに立つこと』である。そんな勉強をして始めて「大学に行った価値がある」ということであろう。じゃあ、大学は何を教えるところなのか、と言えば「勉強の中身」を教えるのではなく、「勉強の仕方」を教えるところなのだ、と考えれば納得がいく。

 で、ポイントは「難解な本を読む」ということ。

『難しい本は理解しにくいから読んでも無駄だ、というのは、いかにも効率を考えているように見せかけた「逃げの論理」にすぎない。それが難しい本だからこそ、読む価値があるのだ。これまで難しいと見えていた点がようやくわかるようになるのは、新しい自分への脱皮ともなる。
 そもそも、すべてが容易にわかる本など最初から読む意味などないだろう。だいたいにして本というものはそれぞれ、今までの自分とは異なる考え方、異なる知識、異なる視点などを含んでいるから、読むにあたいするわけだ。』

 難解な本というのは何なのだろう。つまりそれは「難しい概念」や「難しい術語」や「難しい言い回し」が含まれている本ということだろう。だとしたら、そんな本こそ自ら経験してきたこと、自ら読み親しんできた中身などとは別の、まさしく「読書体験が新しい体験になるような」読書だということであろう。それこそ、本を読んで新しい自分になれる体験ということである。その本を読み終えたとき、新たな段階に立っている自分を発見できるのだ。

 で、その難解な本の読み方が懇切丁寧に書かれてある。つまり「まず眺める」「からかうように本を扱う」「適当に読み始める」ということであり、具体的な方法として「傍線を引きながら読む」「書き込み」をする、という方法を提示している。つまりそれは『図書館の本では自分の勉強はできない』ということである。

 まあ、これは白取氏がやってきた独学の方法論であり、皆が皆この方法を真似する必要はないだろう。私もそのようにはして来なかった。ただし、「難解な本を読む」ということはかなり必要なことで、というか基本的に自分が経験してきたり、自分がこれまで学んできたりしたことにないことを学習するということは、新たな価値観を見出すと言うことである以上、その「新たな価値観」が「難解」という表現にあたるものを多く含んでいることには違いがないからなのである。更には、「難解な本を読む」ということは、常に自分で物を考えながら読まなければならないということでもあり、そこから「自ら考える」力も身につくのではないだろうか。

 難解な本であっても、それを読了する頃にはその本を征服したような気持ちになり、何となく内容が理解できるようになるものである。

 ただし、最後まで難解なままで内容も理解できない本も、中にはある。つまりそれは「悪い本」であり、そんな本に付き合ってしまった自分に腹を立てるかもしれないが、まあ、それも経験のひとつであり、そんな「悪い本」をこれからは読まなくなるような知識が付いているはずだ。

 私も、高校生のときに、友人を論破しなければならない必要性から、『経済学哲学草稿』『ドイツ・イデオロギー』などのマルクスの「それぞれの文が一貫性がなくバラバラ」な本を苦労しながら読んだりしたし、『資本論』に挑戦して、第1巻だけで挫折したりしたのだが、その辺の勉強はその後の人生に役立っているかと言えば、まあ、それは「大学の授業のレベルの低さ」を確認する役には立ったが、大学ではあまり関係なかったな。

 ただし、大学生になってから経済学部の学生であるにもかかわらず、モーリス・メルロ=ポンティやロラン・バルトの本ばっかり読んでいた私には、実にそのマルクスの著書を読んでいた経験が役に立ったのである。

 で、それらの現象学や記号論の著書が、その後の社会に出てから役に立っているし、特にこのブログを書くのには、特に役立っていることは事実だろう。

 ということで、苦労して難解な本を読んで、それが40年以上経ってから役に立つなんて素敵なことじゃないか。

 まあ、いつかは役立つ若いときの独学ってやつですかね。

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