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« 大学ラクロス・シーズン終了 | トップページ | 『C世代駆ける』から見えてくる日経新聞の(非)戦略性 »

2012年10月28日 (日)

今週の『新文化』から:「2次利用フリー化」の真意は?

 出版界の業界紙『新文化』を定期購読しているので、取り敢えず毎週その記事を取り上げて書いていこうかと考えた。

 で、今週は『ブラックジャックによろしく』の著者・佐藤秀峰氏が、自らの作品に対する2次利用を無償で可能とする施策をとっていることについての記事がでていたの2012_10_28_001_2(c)新文化

http://www.shinbunka.co.jp/

 つまり、佐藤氏は自らの作品の商用・非商用の区別なく、佐藤氏の販売サイト『漫画onWeb』に掲載した『ブラックジャックによろしく』を、サイト名とアドレスを載せることを条件に、事前の承認を得ることなく無償で複製し、公衆送信ほかどのような翻案や2次利用を行うことを認める、ということを行っている。

 つまり、これは出版社が行っている「著作権保護」の方向とは正反対の施策であり、また『ブラックジャックによろしく』という大ヒット作を持っている佐藤氏ならではの施策でもある。

 ただし、現在の「インテーネットは基本フリー」という流れからは、その流れに即した方向である。著作権保護をしようとしてもネットメディアではそれはネット・ユーザーの協力なしには実施できないものであり、ところがネット・メディアでは基本的に著作権なんてものはないに等しいのであるから、であるならば積極的にそうした現在の流れに即した方向で試してみようじゃないかという考え方でもある。

 基本的には現在、映像や音楽はネット上ではフリーが当たり前になってしまっている現状からすれば、出版だけがネットから著作権を保護しようとしている方向に向いているのは、実態から逆行しているのではないか。都条例で漫画の販売を規制しよう、自炊代行を禁止しよう、違法ダウンロードを刑罰化しよう、著作隣接権を確立しようという、現状の保護策は時代に逆行するラッダイト運動みたいなもので、いずれは全く意味がなくなってしまうのではないか、という発想法なのである。

 問題は、そんな2次利用フリーにした場合、著作者が利用収入を得られなくなってしまうのではないかという危惧があるだけなのであるが、そんな状況の中でどうやって収入を得られるだろうか、どうやってそのような状況の中で生活が出来るようになるだろうか、という道を探るというのが一種の研究課題として佐藤氏も模索している状況である。

 佐藤氏も別に著作権を否定しているわけではなくて、著作権は認めるが、それを「保護」するという後ろ向きの考え方ではなくて、積極的に開放することで著作者が生き残れる方法はないだろうか、と考えているのである。

 佐藤氏のこうした考え方の基本にあるのは、著作権に対していい加減な態度でありながら、一方ネットでのフリー化の動きという、いわば出版社の既得権益が侵されそうになると、途端に保守化してしまう出版社の考え方に対する批判なのである。

 佐藤氏は言う『私は、編集者もストーリー作りに協力しているのであれば、そういう契約を新たに作ればいいと考えています。ところが現状は、編集者がどんなに頑張っても著作権は100%作家にある。ならば、それぞれの制作方法に合わせて『出版社が○%、作家が○%の権利を保有する』といったような、個別の契約書を用意すればいいのです』と。

 要は出版社が著作隣接権なんてもので権利主張するなら、もっと前に「著作権の一部所有」を、ちゃんと編集者の仕事をした上で主張すればいいじゃないかよ、ということなのだ。

 単純にして明快な発言である。

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