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2012年8月27日 (月)

『デコボコの道」って、カッコ良すぎるんだよな健さん

 日経新聞が資本に参加している映画『あなたへ』の関連書籍として、映画の宣伝の為に高倉健に書かせて、出版した本なのである。そうなのか、考えてみれば今の日経新聞の中心読者は、昔、「任侠映画」や『網走番外地』を見て育った、団塊の世代なんだよな。

 そういうことなので、電子版の告知を日経のメールで知ったのだが、今のところKindleを出していないせいだろうか、アマゾンのサイトには載ってない。つまり、今のところ日本のアマゾンは「紙の書籍」にしか対応していない「旧体制」に属しているんだな、ってことで、それはちょっと面白い。

 ということもあるが、こうした電子版で100ページというボリュームのものでは、紙の書籍にしてしまうとリーフレット程度の本にしかならない。それでは商品にはならないだろから、そうした「リアルな物量」を気にしないですむ電子書籍ならではの企画かもしれない。ページが少ない分、値段も安いってことで、こうした企画はまさに電子版ならではの企画のひとつなのかも知れない。ただし、オーサリング費用は電子版の場合ページ数には単純に連動してないので、コスト高になるのはいたしかたない。そこは紙の本でも電子書籍でも事情は似たようなものだろう。

 ということで、私はSony Reader Storeで購入。

『デコボコの道』(高倉健著/日本経済新聞社/2012年8月24日刊)

Book_17_larhttp://pr.nikkei.com/ebooks/list/book/index17.html

(アマゾンではありません、あしからず。この日経のサイトから入って、お気に入りの電子書籍ストアを選んでください。)

 しかし、いい年してカッコ良すぎるんだよなぁ。健さん。

『「久しぶりにきれいな海ば見た」
 大滝さんのこの短い台詞を、台本で読んだときは平凡すぎると感じていました。ところが大滝さんがこれを発したとき、心の目をパッチリと見開かされたのです。
   <中略>
 気迫とは、大きな声やアクションで伝わるものではないことを、改めて思い知りました。』

『94年の『四十七人の刺客』では、毎日ちょんまげ姿に本身の入った二本差しを腰につけて伊豆の海岸を歩き回り、武士の気持ちをつくりました。』

『ほんのたまにめぐってくるいいことを見逃さないために、普段から神経を張りつめて、がんばっている必要があったのです。』

『「バカですね、みんな!」
 ムチ打たれないと走れない馬も悲しいですが、こういう人たちの気迫、心意気をいただいて、私は50年以上走り続けてこれたのだと思います。
 ありがとうございます。』

『部屋をのぞくと、布団をかぶって寝ている監督の枕元に、ガラスの割れた窓から吹き込んだ粉雪が白く積もっていました。低予算だということは知っていましたが、これほどまでとは…。
「この監督を喜ばせたい!」
 この想いが、『網走番外地』シリーズの私の原点となりました。』

『独立後の1本目が『八甲田山』でした。組織を離れ、単身で現場に向かうことになった私のことを聞きつけ、「旦那独りで、行かせられますかいや!」と、たった1人付いてきてのは、東映京都衣装部で当時の部長だった森護氏。』

『同じスタッフ、共演者が2度と再び集まることがないからこそ、1本1本の映画には、一期一会の全身全霊で臨んだ人たちのエネルギーが焼き付くのだと信じます。』

 という言葉のひとつひとつが、高倉健という役者のイメージそのものである。「寡黙で不器用な生き方しかできない」男。つまりそれは「仁侠映画」や『網走番外地』シリーズで作られたイメージで、実はそれ以前のサラリーマン物なんかに出ていた頃の高倉健はどちらかというとユーモラスな役柄が多かったのである。

 しかし、結局「寡黙で不器用」というイメージを決定付けた作品群に出てきた健さんは、その後も、ヤクザ役にはならなかったけれども、やはりそのキャラクターは「寡黙で不器用」というものに統一されており、それはまさしく高倉健そのものであるかのようなイメージとして捉えられている。

 たしかに「寡黙で不器用」というのは、日本では武士のイメージに相通ずるものがあり、ある種の日本の男の理想像だ。とは言うものの、「不器用」な役者であることは芝居を見ていれば事実かも知れないが、実際の高倉健が実は本当は「寡黙な男」では決してない、という噂もある。実は、結構話していると楽しい人である、という噂である。

 しかし、それを見せずに、観客がイメージするキャラクターを演じ続ける、演じ通す、ということもスターの条件である。

 そんな、最後のビッグスターが高倉健なわけなのだが、まあ、スター稼業も大変ですね、ととりあえずは同情しておこう。

 その「寡黙で不器用な」健さんの新作も、やはり寡黙で不器用な刑務官なのであった。それについては、明日、書きます。

2012_08_26_004_2
記事とは何の関係もない写真です。手前の女の子が可愛かったもので……。

EPSON RD1s Color Scopar 21mm/F4 @Higashi-Kurume (c)tsunoken

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