フォト
無料ブログはココログ

Amazonウィジェット

  • Amazonおまかせリンク
  • おすすめウィジェット
  • Kindle

« 『苦役列車』の原作の鬱陶しさ、映画の清清しさ。どっちを見りゃいいんだ? | トップページ | 問題は『みんな不妊に悩んでる』という問題じゃないんだよな »

2012年7月18日 (水)

『ツイッターを持った橋下徹は小泉純一郎を超える』と持ち上げる前に、もっと他の人を探そうよ

 確かに、今や橋下氏と大阪維新の会の躍進は凄いものがある。だからと言って、そこにばかり期待するのは、もっとも危険な罠である。

『ツイッターを持った橋下徹は小泉純一郎を超える』(真柄昭宏著/講談社/2012年7月2日刊)

『2015年の日本――。

【第一シナリオ】(分権派・成長派の勝利シナリオ)
 2013年までの衆・参両院議員選挙で、分権派・成長派が勝利。多くの新人議員が与党を構成し、新政権は閣僚の半数近くを元経済産業省の古賀茂明や元財務相の高橋洋一のような非議員実務家が占め、「テクノクラート(高度な知識により政策立案に参画し実務に関与する専門家)内閣」と呼ばれている。その多くは大阪市特別顧問経験者だ。
 彼らを支える政治任用スタッフも、大挙して政権に参画し、情報公開の対象となる深夜のメールのやりとりで政策が形成される。
 改正日銀法に基づく新総裁と首相の協定に基づき、物価上昇率は2%近傍、円相場は1ドル=100~130円に。政府は20年続いたデフレからの脱却を宣言。国民の関心事は道州制基本法に基づく道州制会議がどのような道州制を描くかになっている。

【第二シナリオ】(中央集権派・デフレ増税派の勝利シナリオ)
 2013年までの衆・参両院議員選挙で中央集権派・デフレ増税派が勝利。2014年に増税が実施され、翌2015年には、消費減退から景気が悪化し、再びデフレが深刻化。国民の関心事は、1ドル=60年台になれば日本から製造業が消えるのではないかという点に。
 労組はデフレ・円高支持派とデフレ・円高反対派に分裂――。
 中央から分配する財源が枯渇し、地方の疲弊が進む。政府・与党は、景気対策で財政赤字をさらに悪化させたうえで、税率10%への引き上げを予定通り行わないと国債が暴落するとのキャンペーンを開始。増税と円高・デフレの悪循環の先に来る財政破綻のシミュレーションが話題となる。

 第二シナリオに沿って首相になりそうな政治家は数多くいる。
 ところが、第一シナリオに沿って首相になりそうな政治家は数少ない。その数少ない政治家の一人が橋下徹・大阪市長である。

 2012年6月2・3日に実施した「毎日新聞」の世論調査では、橋下徹大阪市長が率いる「大阪維新の会」の国政進出に期待する人が61%、「仮に今、衆院選が行われ『大阪維新の会』が候補者を立てた場合、比例代表でどの政党に投票しますか」との問に対して、「大阪維新の会」と回答した人は28%にのぼった(自民党16%、民主党14%)。

 橋下徹が既成勢力にとって大きな脅威となった。』(「はじめに」より)

 と、新自由クラブ政策スタッフ、自由民主党国会議員政策集団研究スタッフ、竹中平蔵経済財政担当大臣政務秘書官、参議院議員竹中平蔵政策担当秘書、自民党政務調査会長特別秘書、自民党幹事長特別秘書、衆議院議員中川秀直政策担当秘書と、一貫して政府・与党の改革派に帯同する政治任用スタッフの道を(官僚とは違う立場で)歩んできた真柄明宏氏は、橋下徹大阪市長と大阪維新の会に期待すること大だ。

 しかし、今からそんなに期待するのは時期尚早というものだろう。橋下氏はまだ国政の経験もないし、大阪維新の会だってまだまだ地方政党にすぎず、今すぐ衆議院選挙と行ったとして、大阪維新の会が関西で大躍進することは既に見えているとはいえ、国政のなかでそのような地方政党がどこまで力を発揮できるかどうかは未知数である。

 勿論、大阪維新の会が、そのほかの新党大地などの地方政党や弱小党と連携を結んで、キャスティングボートを握る可能性は否定しない。しかし、それはあくまでもキャスティングボートを握るまでのことであって、国政でメジャーになるということではない。

 橋下氏が堺屋太一氏や古賀茂明氏などに大阪市特別顧問を要請し、その人たちが大阪市・大阪府の官僚の頭越しに政策を立案している状況は、確かに小泉純一郎が郵政民営化や公務員改革を行ってきたのと同じような「官僚に頼らない」姿勢として、おおいに期待させるものはある。実際に、数々の改革をこれから行って、大阪市・大阪府を生き返らせることができるかもしれない。まあ、そのための最終的には大阪「都」なんだろうけれども、ともかく取り敢えずは、橋下氏にとってはまず「大阪」である。大阪維新の会から国政に進出することはあっても、それは大阪都構想を実現するための法改正が第一目的であって、国政改革はその次の課題であるに違いない。じゃないと橋下氏の公約が果たせないのである。

 それでなくとも、関西電力の大飯原電稼働にあれだけ反対していたのに、突然賛成に回るような得体の知れなさをもった橋下氏である。消費増税だっていつの間にか賛成に回っているのだ(もっとも、これは野田首相を褒め殺しにする目的だ、という説もあるが)。何故か、ツイッターで本音を呟いているようなそぶりを見せる割には、なかなか本音を見せないしたたかな政治姿勢を見せている。

 最初に引用した「第一のシナリオ」「第二のシナリオ」は、まさしくその通りであるかもしれないが、かといって第一のシナリオを実施できる政治家として橋下氏をまず第一に上げるのは時期尚早である。むしろ、真柄氏としては現在国政にある人間で、一緒に政策を実現できそうな人を探すべきである。今の自民党や民主党のなかにも意識を同じくする人がいるだろう。そうした人を探しつつ、それらの人と一緒に国政改革を行って欲しいものだ。

 橋下氏に目を付けるのは、それからでも遅くはない。

« 『苦役列車』の原作の鬱陶しさ、映画の清清しさ。どっちを見りゃいいんだ? | トップページ | 問題は『みんな不妊に悩んでる』という問題じゃないんだよな »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549500/55188767

この記事へのトラックバック一覧です: 『ツイッターを持った橋下徹は小泉純一郎を超える』と持ち上げる前に、もっと他の人を探そうよ:

« 『苦役列車』の原作の鬱陶しさ、映画の清清しさ。どっちを見りゃいいんだ? | トップページ | 問題は『みんな不妊に悩んでる』という問題じゃないんだよな »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

PEN PEN チョートクカメラ日記

自転車フォトグラファー 砂田弓弦

シュクレはお留守番

アローカメラ&我楽多屋

まだ東京で消耗してるの?