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2012年7月12日 (木)

「サキコーポレーション」を知ってますか? 多分、知らないでしょうね。面白いよ、この会社

 昨晩は日経新聞が運営している『日経電子版有料会員限定「経営者ブログ」執筆者と語る夕べ』というものに参加してきた。

「経営者ブログ」執筆者とは㈱サキコーポレーション社長の「美しい」秋山咲恵氏である。㈱サキコーポレーションがどんな会社なのかは、以下のURLをクリック。社長の美しいお姿も掲載されてます。

Top_logo

http://www.sakicorp.com/

 つまり、プリント基板実装工程向けの自動外観及びX線検査装置の開発・提供・メンテナンスというのがサキコーポレーションの仕事であり、この分野では世界第2位のメーカーであるそうな。というか、もしかすると今年の決算次第では世界第1位に躍り出るかもしれない、という最近低調な日本の電子工業関連メーカーの中では唯一希望が持てる会社である。おまけに過去最高売上50億円、現在はリーマンショックのあおりが残っていて25億円なのだが、その売上の70%が海外売上というところもスゴイ。会社創業が1994年であるから、まだ18年しか経っていないのだ。そりゃあスゴイということになるわけだけれども、実は世界7ヵ国に現地法人を持っているとはいえ、その本社は役員が社長(CEO)秋山咲恵氏とそのご主人の秋山吉宏最高技術責任者(CTO)、非常勤取締役と監査役という4人しかいないし、全従業員が世界中で128人しかいない中小企業でもあるのだ。

 ファクトリーオートメーションとはいっても、その製造過程はロボット化できても、結局最後の製品チェックは人間がやっているというのが現状のようだ。多分、製品チェックという仕事は、製品が設計図通り出来上がっているかどうかをチェックするわけで、となるとなかなかマニュアル化できる仕事ではないし、基板自体も携帯電話とかデジカメになると相当小さな基板を使っているだろうし、なんか電子部品って仕様変更も多いようだ、ということでなかなかこれをロボット化するのは難しいことだったのだろうが、それをロボット化させたというのがサキコーポレーションの勝因なのである。

 秋山咲恵氏は京都大学法学部を卒業後、コンサルティングファームのアンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)に入社。何しろ雇用機会均等法適用1年目ということで、いやでも注目される女性総合職最初の戦士ということなのだけれども、それでも国内企業ではなく外資を選んだというところもスゴイ目利きである。結局、国内企業の雇用機会均等法採用最初の就職者はかなり疲弊して、一般職に格下げを希望するというような逆転現象も見られているようである。

 で、そのせっかく入ったアンダーセンも「これから」という4年目位で辞めちゃって専業主婦になってしまうのだが、それも松下電器(現パナソニック)の研究所にいたご主人との単身赴任生活がいやになってしまったということなのだそうである。この辺、やはり女性ならではの「自由な働き方」なんだろうなと思うのだが、ここから先が面白い。つまり、松下のような大メーカーの研究・開発部門には日本中から(と言っても東京・京都・大阪が殆どですがね)優秀な研究者を集めて新製品や新ソリューションの開発を行っているのだが、会社に採用されて製品化されるのは「ホンの一部」のみなのだということである。で、多分ロボット制御工学が専門分野の吉宏氏の研究は松下では受け入れてもらえなかったんだろう。ソニーのアイボが何故松下では出来なかったのかということですね。

 で、じゃあそんな研究者の思いを商品化してしまおうと考えて起業したのが、サキコーポレーションである。京大法学部を出て文系アクセンチュア出身の妻と、同じく京大大学院工学研究課ロボット制御工学専攻の理系夫が作った会社が、ファクトリー・オートメーション工程の最後に位置する製品検査のロボット化という仕事をうまく成し遂げたサキコーポレーションなのである。CEOたる妻はコンサルティングファーム出身であるので経営に専念する。CTOたる夫は技術開発のみに専念する。いいね、この夫婦関係は。お互いの固有の分野には立ち入らない。自分の得意な分野だけは一生懸命やるが、相手の分野には手を入れない。

 ただし、今のうちはね。

 これから、サキコーポレーションが中小企業から大企業になっていく段階で、例えば創業時代のことを知らない役員が多く入ってくる、当然、従業員も増える、なにもかも大きくなる。そんな段階に入ってくると、多分、社長でも制御がきかなくなってしまう部分も出来てくるのだ。その時に、秋山氏はどういう態度で臨んでくるんだろうか。

「もう、創業時の気分は失われた」として、会社の株を全部売り払って、創業者利益を受けながら、また自分のベンチャーを起こすアメリカ式の創業者像がある。もうひとつは、ひたすら軌道修正をしながら、自分の道を目指し、ひたすら自分のやり方を通し、自分が目指す社会を作ろうとする松下幸之助的な生き方なのか。

 どちらを選んでもいいとは思うが、結局は「松下政経塾」なんかを作って中途半端な社会経験しかない政治家を育ててしまって大失敗、というような失態だけはしてほしくない。せっかくの「いい夫婦」像がそこではなくなってしまうからね。

 そう「いい夫婦」なのである、秋山咲恵氏と秋山吉宏氏は。お互いの専有部分を決めて、それには双方口を出さない。自分の専有部分には、とにかく自分の自己責任で決定して、自分で実行し、その結果を他人のせいにはしない。このようにうらやましいほどの人たちが、これからの日本を動かしていくのであれば、何の問題もないじゃないか。

 これからは、こうした人たちが日本を動かしていくんだろうな。美しいだけじゃなくて「やり手」でもあるのだ。最早、大企業の経団連とか日経連なんかの、旧弊にばかり囚われたサラリーマン経営者が動かす日本では先行きの不安は拭い去れない。特に、秋山咲恵氏も言っていたが、日本は大きな中間層が経済成長の結果創造されたために、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた以降は、日本の経済の先行モデルが無くなってしまったのであるが、結局、お手本がないので「これまでのやり方でいいんじゃないの」というのが、日本の経営者の考え方の基本になってしまい、今の日本経済の下落になってしまっている、という指摘はまったくその通りというしかない。

 じゃあ、そんな日本に再生の可能性があるのかといえば、それはあるはずだ。

 その答えが、昨日のセミナーにはあるな。

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