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2012年7月31日 (火)

『生きる悪知恵』という割には「悪知恵」じゃないという事実

 西原理恵子の人生相談っていうから、もっとムチャクチャな回答をするのかと思ったら、意外とマトモじゃん、というのが第一印象。

『生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント』(西原理恵子著/文春新書/2012年7月20日刊)

 取り敢えず「第1章【仕事編】商いは小さなことからコツコツと」から例証してみよう。

1 Q:70社受けてもダメ。出口の見えない就活に疲れ果てました。
  A:正面から入れないなら、横入りすればよし。
2 Q:やっとの思いで就職した会社が、いわゆるブラック会社でした。
  A:DV男との離婚と一緒。さっさと見切りをつけましょう。
3 Q:失業後なかなか仕事が見つからず、派遣だった妻が正社員に。「あなたは主夫をやって」と言われて……。
  A:働く嫁ほどこの世でありがたいものはなし。
4 Q:職場で仕事がありません。ヒマすぎて苦痛です。
  A:身近でいい仕事をしてる人の真似をしよう。
5 Q:仕事にやりがいは感じますが、給料が安く生活が厳しいです。
  A:同じような仕事の嫁を探せ。
6 Q:どう考えても向いてない部署に異動になってしまいました。
  A:仕事のインナーマッスルを鍛えろ!
7 Q:「ミスは人のせい、手柄は自分のもの」という上司を改心させる方法は?
  A:相手の悪事をみんなに晒せ。
8 Q:使えない部下にイライラします。
  A:ネジだと思えば腹も立たない。
9 Q:上司に毎日のように飲みに誘われ、困ってます。
  A:「ガンマGTP」か「離婚の危機」でごまかそう。
10 Q:ある日突然カツラをかぶってきた上司に、どういう態度をとればいいかわかりません。
  A:みんなのために、あえて地雷を踏みにいくべし。
11 Q:全社員にTOEIC受験が義務づけられたが、英語は超苦手なんです……。
  A:フィリピン・パブに行け!!
12 Q:育児中の同期に不満と嫉妬を感じてしまいます。
  A:向こうが子供なら、こっちは親をダシに断ろう。
13 Q:陽気すぎて迷惑な常連客への対処法を教えてください。
  A:スナックのママの技に学べ。

 という具合。まあ、マトモでしょう。もっとトンでもない答えを期待したのだが、意外とマトモ。

 こんな具合の質問と回答が、「第2章【家庭編】近くて遠くて好きで嫌いで」14本、「第3章【男と女編】ヤリたいときがヤレるとき」11本、「第4章【性格編】直すより慣れろ」11本、「第5章【トラブル編】上手なウソは人生の通行手形」11本、ということで、「役に立つ60のヒント」ということななるのだ。

 まあ、だいたい人生相談なんてものは、人に相談するようなものではなくて、基本的には自分の中で解決しなければならないものを、何故か他人に相談することによって、結果責任を逃れようとする、人間の態度の卑怯な部分が行わせるものなのだ。従って、そんな人生相談には「突き放す」ことが肝心。そういえば、ラジオのテレホン人生相談で人気のあった加藤諦三氏の人生相談もそうしたものだった。当然、加藤氏の人生相談は「役に立つ人生相談」だった訳なのであるけれども、結構突き放す部分では突き放していた。

 そんな、突き放した回答が返ってきたときに相談者はどうするのか。そうか、自分で考えなければいけないんだ、ということに気づいて自分で考えるようになるのか、といったらそうはならないんだよな。結局、相談者は「駄目だなこのセンセイは」ってなって、また別のセンセイに相談するのがまだいいほう、そのまま自分の生き方を自分で考えずに、その後の人生を放棄してしまうんだろうな。で、結局、何のための人生相談だったのかわからないことになってしまい、そのままの人生を文句を言いながら続けてしまうのだろう。

 か、あるいは人生相談なんてものは実はないのかもしれない。それはメディアが作り上げた虚構であり、そんな自分の人生を人に委ねるひとなんかは、実はいなかったりするのかも知れない。とは言うものの、人は他人の人生を覗くのは嫌いではない。ということで、ラジオやテレビ、雑誌には、まさしくエンターテインメントとしての人生相談なんてのがあるのかもしれない。勿論、世界で一番最初に「人生相談」を始めた人は大真面目に取り組んでいたのかも知れないが、いまやそれはメディアのプログラムの一つでしかない。

 星占いや、血液型占いなんかと同じように、それは誰もその結果を信じてはいないが、しかし、「あなたの今日の運勢は」なんていわれると、どうにも気になって仕方がないというような、どうでもよいプログラム。

 人生相談も、そういえば別に他人にとってみればどうでも良いことなのだけれども、放送されると何か気になってしまう、というまさに「どうでも良いけど気になる」プログラムである。

 だったら、西原さんももっとメチャクチャな回答を用意していればよかったのにな。なんせ、あのメチャクチャな「鴨ちゃん」と結婚した人である。その割には、自分の生活はキチンとしているのは、お子さんを育てているからなんだろうけれども、それでは漫画の作風とは合いませぬ。

 で、もっとメチャクチャ。この人こんなんでちゃんと子供を育てられるのかいな、って位のムチャクチャな回答があっても、その方がエンターテインメントとしては面白いのだがなあ。

 

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