フォト
無料ブログはココログ

Amazonウィジェット

  • Amazonおまかせリンク
  • おすすめウィジェット
  • Kindle

« 東京のインド人社会というものがある | トップページ | 『ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか』って、当たり前ジャンかよと思っていたら »

2012年6月11日 (月)

『フリーで働く!と決めたら読む本』なんだけど、問題はフリーになる前なんだよな

「フリーで働く! と決めたら読む本」というタイトリングはまさしく「ハウ・ツー」本のタイトリングであるが、しかし、この本はそれを超えた「ノウ・ハウ」本でもある。いわば「ノウ・ハウ・ツー」本なんつって。

『フリーで働く! と決めたら読む本』(中山マコト/日本経済新聞社/2012年5月25日刊)

 面白いのは『フリーランスの成否は、サラリーマン時代の生き方で決まる』として、『まずは、名物社員を目指せ!』『一目置かれるサラリーマンになれ!』と発破をかけ、最後は『「辞めさせてもらえなくなった時が辞め時」の法則』と結論付けているところだ。

 確かに、サラリーマンから独立すると言ったって、それまでのサラリーマン時代の仕事から完全に離れて、例えば電鉄会社勤務から小説家になるとでも言うのじゃない限り、なんらかの形でそれまでの仕事の延長線上にある仕事をすることになるのだろうから、それまでサラリーマンという安定した職業の中で「如何によい仕事をしたのか」がメルクマールになる。当然、彼が所属していた会社がクライアントになる場合だってあるだろう。その場合、彼がその会社の中で如何に突出した才能を見せていたのか、如何に優秀な社員であったのか、ということはその会社が彼をフリーとして使う場合の重要な要素となるはずだ。

 更に、彼がその会社の中で欠かせない存在になった時に、まさに辞職を言いだせば、会社としては辞めてもらっては困るわけで、一生懸命思いとどまらせようとするだろう。それでも、彼の意思が固いとなれば、じゃあ会社辞めてもいいけど、仕事だけはそのまま継続してやってもらえないかなあ、という形になって、見事フリー化第一号の仕事を取ることも可能である。おまけに、そういう形で請けた仕事ならギャラだって低く抑える必要はなくなって、有利な条件で仕事を請けることが可能である。

 とまあ、いいことづくめの、まさに中山マコト氏言うところの「プロフェッショナルフリーランス」の誕生というわけなのだが、しかし、それはあくまでもスタート時点でのはなし。そんないい話は当然ずっとあるわけではない。長いフリーランス生活だって山あり谷ありなわけだが、その時にそなえて、まずスタートダッシュのために中山氏が言っていること。『借金をするな!』『極力、オフィスは持つな!』『通勤をしない』『スタッフを抱えない』『リースを組まない』『広告宣伝をしない』という形でリスクヘッジをしてフリーランス生活をスタートさせる。さらに、フリーランス生活を如何に生き延びるかということでの『フリーランスの掟』という形で、『差別化をするな! 尖鋭化せよ!』『仕事はもらわない』『仕事を選ぶ』『コンパクトに生きる』『お客様を徹底して選ぶ』『柱になるクライアントをつくらない』『長期契約はするな!』『ガイドラインを徹底する』という8つの掟を課するのだ。

 そうしておいて、多分これがフリーランスになると一番厳しいことなんだろけれども、「タイムマネージメント」の大事さを訴えるのだ。中山氏は「三つのT」として;

『私は基本的に午前中しか、考える仕事、書く仕事はやりません。もちろんごくまれに例外はありますが、ほぼそのとおり実行しています。
 これを「アウトプット(OUTPUT)」と呼び、一つ目のTと位置づけています。
 次に、午後になると、食事も兼ねて出かけます。
 人と会ったり、いろいろな店、施設を見たり、本を読んだり、映画を見たり、街を歩いたり、打ち合わせをしたりします。
 これが、「インプット(INPUT)」の時間です。二つ目のTです。
 そして、夕方の6時半を過ぎると、一切の仕事、打ち合わせはしません。仲のよい友人や行きつけのお店の人と、最高の時間を過ごします。
 仕事モードになったアタマを、プライベートモードに戻す時間です。
 つまり、「リセット(RESET)」の時間です。これが三つ目のTです。』

 という具合に時間を使い分けているそうだ。

 確かにこうした時間の使い分けは、精神的にはよさそうだ。こうやってはっきりと使い分けができれば、それなりにリフレッシュできて、それぞれが有効な時間として帰ってくるだろう。が、大半のフリーランスはそれができない。何故なら、大半のフリーランスは中山氏言うところの「なんちゃってフリーランス」なのだ。

 フリーランスとは名ばかり、実は会社には所属していないものの、所属している以上に会社の時間に囚われている人が多いのだ。出版社にいるとそんなフリーばっかりだ。結局、会社からいつでも切ることができる、自由な労働力として使われているフリー。いくら残業をしても残業代が払われないフリー。金曜日に打ち合わせをして、「じゃあ、月曜アサイチで原稿上げてね」なんて社員編集者から言われても、それを断れないフリー。なんか、残念ですね。

 でも、彼らは「いつかは俺だって編集者から〈先生〉なんて呼ばれるフリーになるんだ」と考えて頑張っているのだが、しかし、大半はそうなれずに消えていく存在である。まさしく、そんな「なんちゃってフリー」に支えられている出版業界にいると、そう簡単にフリーにはなりたくないな。なんてことも考えてしまうのだ。

 とは言っても、今年の10月には私もフリーランスになってしまう。まあ、定年退職なわけだが、それでもその立場で仕事をすればフリーであることには変わりはない。

 はてさて、どんなフリーランスになるのだろうか。楽しみではあるが……。

« 東京のインド人社会というものがある | トップページ | 『ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか』って、当たり前ジャンかよと思っていたら »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549500/54899497

この記事へのトラックバック一覧です: 『フリーで働く!と決めたら読む本』なんだけど、問題はフリーになる前なんだよな:

« 東京のインド人社会というものがある | トップページ | 『ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか』って、当たり前ジャンかよと思っていたら »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

PEN PEN チョートクカメラ日記

自転車フォトグラファー 砂田弓弦

シュクレはお留守番

アローカメラ&我楽多屋

まだ東京で消耗してるの?