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2012年6月12日 (火)

『ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか』って、当たり前ジャンかよと思っていたら

 そりゃあ、グランド・デザインを受け持った人が「生き物に似せよう」と考えて、その作業を行ったからでしょう。と素人考えで思ったら、そうではなくそこには「似ざるを得ない理由」があったのだ。

『ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか 工学に立ちはだかる「究極の力学構造」』(鈴森康一著/講談社ブルーバックス/2012年4月20日刊)

 つまり、『ロボットのかただも、生き物のからだも、ロボット機構学の立場から見れば、所詮物体でる。ロボットと生き物の動きを支配する「力学法則」が、両者の逃れがたい類似性を生み出している』ということなのだが、そこには「力学法則」ばかりでなく、『だが、「ロボットも生き物も逃れることができない」法則は他にもある。「幾何学」だ。
 ロボットの設計や制御において、幾何学が果たす役割は重要だ。たとえば、アームの先端を望みどおりの位置にもってゆくひは、各関節の角度をどうすべきか。まさに立体幾何学の応用問題である。ロボット設計者は、このような立体幾何学の問題をリアルタイムで解く制御プログラムを作っているのだ。』

 つまり、こうやってやっていけば、二足歩行ロボットはどんどんヒトに、四足歩行ロボットは四足の哺乳類に、六足歩行ロボットは昆虫に、もっともっと多い足のロボットはムカデに似てきてしまうのだ。なるほど、38億年前に誕生した生物からホモサピエンスが生まれた30万年前という、約40億年かかって進化してきた地球上の生き物は、当然、幾何学と、地球の重力という力学の法則から離れられずに進化してきたわけだ。今から160年前頃に発明された電動機と、70年くらい前に発明されたデジタルコンピュータのおかげで急速に進歩してきたロボット工学だが、それは生物の進化の歴史から見れば、ホンのわずかな歴史でしかないロボットの歴史が、「今のところ」地球上の生物に似てしまうのは、当たり前のことなのだ。

 勿論、デジタル技術と思想の発展スピードは目覚しい速さで進展している。その速さが、どこかで地球上の生物進化のスピードに追いつく時が来るかもしれない。そのときこそ、鈴森氏言うところの『ロボット版「カンブリア大爆発」』が起きるかも知れない。『生き物は、5億4200万年前から5億3000年前にかけてのカンブリア紀に、突如として爆発的な多様化の時期を迎えた。いわゆる「カンブリア大爆発」である。この時代には、現在では異形とも思えるようなさまざまな形態の生き物たちが誕生し、地球上を跋扈していた』という。その頃の生き物について詳しいスティーブン・ジェイ・グールドによって「奇妙奇天烈動物」と名付けられたカンブリア紀の生き物は原生動物のようなものではなく、多細胞動物であったそうな。ただし、その後の地球環境の変化に耐えられなかったのか、なんらかの力が働いて、現代の生物に繋がる連鎖がなくなってしまったようなのだ。

 そんな「カンブリア紀のロマン」を信じる鈴森氏である。『ひょっとしたら近い将来、ロボット工学も一挙に“カンブリア紀”に突入するかもしれない。そのときは、現時点では思いもつかない奇想天外なデザインのロボットたちが多数出現するだろう。もしかしたら、いまは絶滅したカンブリア紀の生き物になぜか「似てしまう」ロボットも出現するのではないか』というのは、ロボット工学者のロマンとして読んでおこう。

 だって、いま生きている地球上の生き物たちは、地球上の力学・幾何学法則から自由になれないがゆえに、今いる生き物に似てしまうのであるから、それが過去に遡って過去の地球の力学法則・環境法則にならったロボットが、現在のテクノロジーで作れるのであろうか。う~ん、私のような浅学菲才の身では理解できない(想像の外な)ことなのである。

 しかし結局、ロボット工学者が見る夢というものは、決して「人間みたいなロボットを作ろう」ということでもないし、「馬みたいなロボットを作ろう」ということでもないし、「カブトムシみたいなロボットを作ろう」ということではないことはわかった。それは「結果」でしかないのだ。人間のようにいろいろな状況で動けるロボットを作ろうとすると「人間みたいなロボット」になってしまうのだし、馬のように速く走れるロボットを作ろうとすると「馬みたいなロボット」になってしまうのだし、カブトムシみたいな力持ちのロボットを作ろうとすると「カブトムシみたいなロボット」になってしまうのだな。

 つまり、それは今地球で生きとし生けるものは、今の地球で最も優れたの生き物であるということなのだろう。ロボットは、開発者としては、そうはしたくないのかも知れないが、結局、その生き物を真似するしか解決方法がないという適者生存の法則なのだ。

 そう、ロボットも生物の生き方からは離れなれない、というのはロボット工学者からは残念なことかも知れないが、大方の人間からすれば、そのほうが安心できるという常識って、何なんでしょうね。

 それを覆す「カンブリア爆発的ロボット」って、本当にあるんでしょうかね……あれば、面白いけど。

 

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