フォト
無料ブログはココログ

Amazonウィジェット

  • Amazonおまかせリンク
  • おすすめウィジェット
  • Kindle

« 『私、社長ではなくなりました。』って、当たり前でしょ。こんな惨状を作ったんだから | トップページ | 『なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?』 »

2012年6月29日 (金)

『たかが英語!』でしかないのだよ、実際。

 企業がグローバル化を目指したとき、まず最初に手がけるのは社内の公用語を英語化するというのは当たり前の話である。

 楽天だってアメリカや台湾、タイ、インドネシアを始め、いまやフランス、ドイツ、ブラジル、イギリス、カナダなどの国々でビジネスを展開しているのである。三木谷氏自身が書いているように『もし、楽天を創業の1日目から英語化していたら、今の楽天はどうなっていただろうか。そんな疑問が頭をよぎることがある。おそらく海外企業の買収は今よりももっと早く、もっとスムーズに進んでいただろう。グローバル化もずっと前に実現していたはずだ』ということなのだ。

『たかが英語!』(三木谷浩史著/講談社/2012年7月1日刊)

 今から20数年前、カンヌの映像マーケットに言った際に会った、オランダで番組販売会社を経営するフィンランド人を話をしているとき、ふと疑問に思ったことを彼に聞いてみた。"What is your official languege?"と、フィンランド語なのかオランダ語なのか。とすぐさま返ってきた返事は"English"ということだった。ただし、「ただし、スタッフに内緒のことはFinishでね」という言葉を添えてね。当然、日本語なんかよりずっとマイナーなフィンランド語をオランダ人に話せなんていったら、その会社に入るオランダ人なんかはいないはずだ。当然、マイナー言語のフィンランド語しか喋れないフィンランド人なんていない。基本的にフィンランド人は英語とフィンランド語のバイリンガルじゃないと生き延びることすらできない。

 あれだけ自尊心の強いフランス人も最近は英語を話すようになっている。グロービッシュ(Globish=Global English≒Broken English)を提唱したジャン=ポール・ネリエールもフランス人だ。このグロービッシュによれば、語彙数は1500を使用する「言語」ではなく「道具」としての英語である。つまりまさに「ツールとしての英語」であるにすぎない。文化としての言語ではなく、単なる道具としての英語。楽天で使われる英語もこのグロービッシュに加えて、それぞれのビジネスシーン(eコマース、マーケティング、M&A、テクニカルなどのそれぞれの人の専門分野)におけるそれぞれの専門用語が加わるだけである。となれば、こんなに楽な言葉はない。いわば、記号としての英語と言うものに過ぎない。

 もともと、日本語や中国語、フランス語やラテン系言語に比較してことさら記号化しているアメリカ英語である。そんなのはうまいへたなんかを気にしないで、どんどん喋ってしまったほうが勝ち、なのである。

 以前に書いたことがあるが、私の英語も基本的に赤坂のバーで覚えた「酔っ払い英語(Drunk English)」がベースになっている。いまから40年近く前、当時はまだまだアメリカが強くて日本は今まさに高度成長の真っ最中の時代である。赤坂あたりのバーでは、当時の最強国アメリカから東京に出張できたサラリーマンで近辺のホテルに宿泊していた男たちが、多くしょざいなさげに屯していた。そこに顔を出した頓馬な若い日本人のサラリーマンが私で、夜な夜なそんな寂しいアメリカ人の相手をしながら酒を飲んでいた。ところが、どうせイイカゲンな英語しか喋れない頓馬な若い日本人のサラリーマンの英語が、所詮、仕事に疲れた単なるオジサン相手には普通に通用するのである。まあ、その辺で私の英語コンプレックスは吹っ飛んだのであります。

 となれば変なもので、その後のアメリカでの映画の英語吹き替え作業やら、アメリカ人との映画の開発作業なんかもまったく不自由しないで行えるようになったのだった。まあ、慣れと度胸ですね。英語なんてものは。ただし、私のTOEICスコアは当時も今も、多分300点台くらいのものですがね。

 一方、『グロービッシュの提唱者であるジャン=ポール・ネリエールによると、グロービッシュを話すことは、英語による文化的な侵略から自分たちの言語や文化を守ることにもなるという。母語である日本語の修得も大事である。話す内容を持つことも大事である。同時に、今後否応なくさらされるであろうグローバル競争においては、ビジネスツールとしての英語力を持つこともやはり大事なのである』ということである。問題は、「英語」なのではなく「事業のグローバル展開」なのだ。そこで必要なのは、英語力だけではない、日本文化を海外へ開陳する英語力が必要なのだ。

 2010年には1億2800万人だった日本の人口は、2050年には9500万人になるという。そんな急激なマーケットの縮小の時代に、これから企業を伸張させようと思えば、それこそグローバル展開しか方法はない。ここでいうグローバル展開とは、日本から海外へ打って出ることだけではない。逆に、海外から人材を導入することも重要なことになる。その際に、「日本に来るんだったら日本語をマスターしろよな」なんて事を言ってしまったら、それこそ世界中の頭脳を集めて発展するシリコン・バレーに勝つことはできない。いまや、世界中のビジネスシーンでの基本用語は英語である。だとしたら、「いやいや英語で話ができればOKですよ」という態度でいなかったら、ますます日本は世界から取り残されてしまうのだ。

 とりあえず、ここは世界の趨勢にあわせて日本も英語化せざるを得ないのである。もはや、内需の国ではないのだからね。

 ということで、7月1日からは楽天は全ての社内の言葉が英語になる。そこで、どんな世界が展開されるのであろうか。

 楽しみである。期待も大きい。

« 『私、社長ではなくなりました。』って、当たり前でしょ。こんな惨状を作ったんだから | トップページ | 『なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?』 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549500/55056837

この記事へのトラックバック一覧です: 『たかが英語!』でしかないのだよ、実際。:

« 『私、社長ではなくなりました。』って、当たり前でしょ。こんな惨状を作ったんだから | トップページ | 『なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?』 »

2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

PEN PEN チョートクカメラ日記

自転車フォトグラファー 砂田弓弦

シュクレはお留守番

アローカメラ&我楽多屋

まだ東京で消耗してるの?