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2012年6月22日 (金)

『高城剛と未来を創る10人』よりも、高城剛の生き方なんだ

 ところで、高城剛さんって「ハイパーメディアクリエイター」って肩書きを辞めたのかしら。この本では「映像作家・DJ・文筆家」という、ごく当たり前の肩書きになっている。

『高城剛と未来を創る10人 対話から見えた、その先の世界』(高城剛著/アスキー新書/2011年12月10日刊)

 そんな高城剛氏と対談した10人というのは、テレビ・ディレクター兼プロデューサーのテリー伊藤氏、ギャル革命の藤田志穂氏、CG漫画家の寺沢武一氏、武道家の三枝龍生氏、慶大教授の金子勝氏、ミュージシャンの中田ヤスタカ氏、カシオのG-SHOCK開発者の伊部菊雄氏、編集者の筈がいつの間にかフォトグラファーになってしまった米原康生氏、元AV女優で今は一般社団法人つけなアカンプロジェクト代表の紅音ほたる氏、書評家兼インタビュアーの吉田豪氏の10人。

 それぞれ、今までの基準で言ってしまうと「何が本当の職業かわからない」人たちなのだ。やっている仕事の境界線がきわめて曖昧、きわめてボーダレス、アマチュアなのかプロフェッショナルなのかの決め手もきわめて曖昧な人たちである。つまり、それがこれからの時代の本線の生き方になるであろうということ。「〇○やって、ん十年」なんていう昔風のプロフェッショナルの作り方からはまったく自由に、ある日気がついたら「そのこと」をやっていたり、「いつのまにか」「なんとなく」そのことで稼いでいたりする人たちなのだ。これが21世紀風のプロフェッショナリズムのあり方なのかも知れない、っていうかプロフェショナリズム自体がだんだん薄れてきて、以前はプロフェショナルでなかったあり方が、現在では「それでもプロフェッショナル」になりうる時代なのかもしれない。

 この対談は基本的に高城氏のインタビューという形式なんだけれども、実際には高城氏の「自分なりの世界観の提示」なのである。つまり『二十世紀前半、第二次世界大戦までは、「大衆の時代」と言われていました。王侯貴族が支配した十九世紀から、民主化運動を経て、その時代は大衆のものだったと思います。その後、第二次世界大戦を経て二十世紀後半は、「企業の時代」だと思います。そして、これからの二十一世紀前半は、「個の時代」であり、多くの社会問題は「企業の時代」から「個の時代」への移り変わりに伴う軋轢によるものだと思います』という世界観だ。

 そんな「個の時代」における生活観として高城氏が推奨するのが、南ヨーロッパでの生活なのだ。南ヨーロッパ、つまりギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガルという、いまや国家経済が破綻寸前というか、実は既に破綻しているんじゃないか、それを実体化したくないので、単に「破綻の先延ばし」をしているだけじゃないのか、という国々での生活である。何故か。それは、それぞれの国々では、「国の経済は破綻しているかもしれないが、国民はそんな国に暮らしていても充分幸せを感じている」ということなのだ。

 日本では、日本経済の失速状態とともに国民自身の考え方が次第に閉塞状態になってしまい、自殺率も上がるし、うつ病にかかる人もうなぎ上りに増えている。日本では、戦後の高度成長期の考え方が今でも生きているために、「お金がないことが不幸せになる」という考え方が支配しているが、南ヨーロッパの国々では「お金がないこと」と「不幸せ」が結びついていないのである。この「お金がないと不幸せになる」という日本の考え方と、「お金がなくても幸せ」という南ヨーロッパの考え方の違いを知り、なぜそうなのかを知るために、高城氏はスペインに住んでいるのか。ただし、お金を稼いでいるのは、基本的に円高の日本であるのだから、これは最強の組み合わせですね。

 そうか、「日本で稼いで、南ヨーロッパで暮らす」というのが、いまや最強の「個の生き方」であるならば、じゃあ皆そうやって生きればいいじゃないかよ、ってそうはいかないから皆困っているのである。日本で稼いだ分は日本で消費しなければいけない、というのが大半の日本人の生き方である。

 ただし、ひとつだけそんな日本にいながら「個の時代」を生きる方法がある。

 つまり、それは自分で起業してしまうという生き方である。二十一世紀が「企業の時代」ではないと考えるなら、あとはその中で生き抜こうと考えたら、個人で起業するという方法論が一番なのであろう。最早、大企業に就職したって、その会社が30年後にどうなっているかは予想できない時代である。年功序列賃金制度だって、いまはほとんどの企業で実質なくなってしまっている状態だ。

 そんな状態の中で、学生が就活することが実はリスクを背負い込むことなのだ、ということを教える大学のキャリアセンターなんてないのは不思議だ。むしろ大学キャリアセンターは起業をこそ学生に薦めるべきで、大企業に就職することはかえってリスクテイクなのだということを教えるべきではないのか。能力のある人には起業を、ない人にはしょうがないから就職を、というのが現在の本来のキャリアセンターのあり方である。親も、大学の就職率なんかをみて自分の子どもの大学選びなんてやめた方がいい。

 むしろ、才能のある子は「旅をさせよ」である。

 なあんてことを、37年も企業に勤め、もうすぐ定年の男が書いているわけだ。矛盾だなあ。しかし、37年前ではまだ「就職」が普通だったんだよな。しかし、今の時代では、「起業」の方が正解だと思うのだ。

 ゴメンなさい。

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