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2012年6月30日 (土)

『なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?』

 まあ、さすがのマッキンゼーでも年俸1億円を取っている人は少ないだろう。しかし、そこまでいってしまえば、要は、年俸の大きさじゃなくて仕事に対する本人のモチベーションなのだろう。「年俸1億円の保証」と「年間で1万円稼げないかもしれない恐怖」がバランスが取れたモチベーションになるのだ。

『なぜマッキンゼーの人は1億円でも辞めるのか?』(田中裕輔著/東洋経済新報社/2012年6月28日刊)

 なんでこんなタイトルがついたのかと言えば、『コンサルタントとして生きたいか、経営者として生きたいか。僕にとってはこの答えは明確で、間違いなく経営者である。僕はたとえプロ野球の超一流選手並みの給与をもらえるとしても、参謀として一生を終えたくない。実行の主体者となりたい。』という終わりの一文から取ったものだ。そこはさすがに編集者、いいタイトルとつけたもんだが、その言い訳を著者の「はじめに」で書かれるのはどうしたもんかな。

 それはいいとして、基本的にコンサルタントの仕事というのは、他人の会社の経営に口を挟むことのだが、しかし、自らその経営に携わるわけではない。つまり、そのコンサルと一緒に経営を立て直してうまく言っても、それは経営者の勝利ではあるけれども、コンサルの勝利としては、社会的に認識されない。いわば、経営者の黒子である、というのがコンサルタントの宿命なのである。そんな、黒子に徹することを是とする人々がいるとして、しかし、特に若い人たちは黒子に徹することに我慢がならない。ということで、コンサルタント出身の起業家が多いのも事実だ。特に若い企業家がね。

 しかしじゃあ、その若い起業家が皆成功しているか、他人の会社のコンサルタントをしている時のように、上手い具合に自分の会社を成功に導いているのか、といってしまえば必ずしもそうではないといのが事実である。

 それは何故か。つまり、昨日書いたワイキューブの社長の話ではないが、やはり「自分の会社」意識があるから、そこで目が曇ってしまうのだろう。だとすると田中氏が共同創業者として始めた株式会社ジェイドとそのWebサイト「ロコンド」も創業が2010年10月だから、まだ1年半くらいしか経っていない。今はまだ会社が出来たばっかりの伸張期である。いまのところ、多分顧客からもポジティブな反応ばかりが多いだろう。しかし、あと数年経ってみると、その逆にネガティブな反応が出始めて、多分会社は伸張のための大事なステップを踏まなければならない段階になるのではないか。

 その時に、初めて田中氏のコンサルタント経験が生かせるのではないのだろうか。ただし、自分が創った会社を第三者的に対象化できればの話ではあるのだけれども。そんな意味では、この本を出すのは時期尚早だったような気がしないでもない。

 もうちょっと時期が過ぎて、「ロコンド」の初期成功と中期停滞を見てから、第二期成功を見てからだっていいじゃないか。田中氏としては、「ロコンド」を成功させたいからと言う理由で、自らピエロになってまで「ロコンド」の名前を浸透させるためにこの本を書いたのだろうけれども、しかし、東洋経済新報社としては、別に田中氏のビジネスを応援する気はなく、単に、いま面白い「ロコンド」をブランド化しようとしている経営者がいるってことだけで、これはオモシロい本が出せそうだ。おまけに創業者はマッキンゼー出身者とボストン・コンサルティング・グループ出身者だ。コンサルティング・ファーム両巨頭の出身者が作った会社がどうなるかということは、経済関係出版社としては、当然、メチャクチャ面白いネタでっせ、てなワケなのだ。

「踊るアホウに踊らされるアホウ(あれっちょっと違うかな)」じゃないが、踊らされるアホウとしては、自らがそんなアホウにされていることを充分理解した上で踊っているはずなんだから、その踊りが3年後にまさに裸踊りになっていることも承知のうえなのであろう。それでも、今はいい、という判断でね。

 最後に、この本を読んでの純粋な感想を言わせてもらおう。

 田中氏の経験は他にもかけがえのないものだろう。それは事実だ。しかし、その程度の経験は、多分他の会社(コンサルタントじゃなくても)でも経験できるものだ。MBA留学なんて経験は無理かも知れないが、それに代わるくらいの経験をさせてくれるのが日本企業なのだ。入社して数年くらいの若手社員に数千万から数億円のプロジェクトをやらせることもある。ただし、その場合は上司が必ず付いてきて、その上司が責任をとるという形でね。つまり、外資だけが若手にプロジェクトを任せる形じゃなくて、日本企業だって若手に大いにプロジェクトは任せているのだ。上司は「いやあ、自分じゃこんな感覚は分からなくて」なんて言いながら若手に任せて、責任だけ上司が取るという形でね。

 そうやって日本企業はここまで伸びてきた。その位の強さは日本企業にもあったし、いまでもその企業風土はあるのだ。もし、その企業風土を壊したのは誰かと言えば、実に「団塊の世代」なのだろう。いまや定年で、年金だけを貪っている。

 とは言いながらも、まだまだ日本企業の健全性は残っているのだ。そんなに「じゅっぱひとからげ」に日本企業がダメになった訳ではない。まだまだ元気な日本企業は多いのだ。ま、就活生さんたち、そんなに気にしないで日本企業を目指してください。勿論、外資もOKですよ。ということで、選択肢が増えただけのことでしかないのである。

 株式会社ジェイドとロコンドの成功を祈りますがね……。

 

 

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コメント

>ゲーム三昧とか、合コン三昧とか、バイクや海にのめり込んだり、バンド活動やら住宅に精を出したり…そういう趣味的に楽しい生活にいそしんでストレスフリーに生きると思うんですね、普通の人は。

McKにいるような人は趣味的に楽しい生活は逆にストレス。

>年率5%のほぼノーリスク超安定運用
どこにあんだよwww

参謀じゃ嫌で経営をやりたいって、ナニゴトかと?
そもそも、経営者自体が投資家の参謀じゃないですか…コレ系の人って仕事能力の意味で頭いいのかもしれないけど、生き方の根本がアホですよね。

がんばって経営者してくださいって感じですなw

年俸一億ってことは五年も働けば総支給額は五億でしょ?

てことは、税引き後は、それだけで三億~四億が手元に残るわけだ。

それだけでも十分引退の理由になるし、普通は仕事辞めてゆっくり楽しく生きていきますよ。

年率5%のほぼノーリスク超安定運用を一億で始めりゃ、年間500万の利益ですから
そうなりゃ株式市場や為替・債券市場があり続ける限り、この投資収益だけで生きていけます。(口座に金入れて後は放置。一年後には5%の利益ってやつね。)

で、それとは別に、貯蓄として数億ですから…こんな環境で収益求めるなんてアホですよ。働くとしても無償事業ですがな。価格ゼロの。

ゲーム三昧とか、合コン三昧とか、バイクや海にのめり込んだり、バンド活動やら住宅に精を出したり…そういう趣味的に楽しい生活にいそしんでストレスフリーに生きると思うんですね、普通の人は。

わざわざ株価やら利益率やらを気にしながら株主総会で罵声を浴びたいんですかね。
思うように部下を動かすとか、優秀な人材に育てるとか、部門間の衝突とか、マスゴミのトンチンカンな報道やデマッターの風評被害とかって、すごいストレスだと思うんですけど。健康を損なうんですね。

会社主義人民共和国憲法の精神をまじめに貫徹してきた成れの果てって感じですな~。

人と時間に縛られる会社主義社会ではなく、自由主義社会に生きた方が幸せだと思います。

時代はC2Cですよ。

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