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2012年5月 3日 (木)

『世界で勝負する仕事術』は貴重な体験談なのだが……

 東大大学院工学系研究科物理工学専攻修士課程を終了後、東芝へ入社しフラッシュメモリの開発に携わり、その後、スタンフォード大学ビジネススクールでMBAを取得し、一度東芝に戻った後、東大工学部の準教授になったという、「超スーパーエリート」(ご本人はそんなものじゃないと謙遜されるが)による「技術」と「ビジネス」を如何に繋げるかという本である。

『世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記』(竹内健著/幻冬舎新書/2012年1月30日刊)

 なぜ、エンジニアとして東芝に入社したにも関わらず、経営学なのかというところに秘密があるようだ。つまり;

『2000年代の初頭、私が留学する前後のことです。悲しい事態が起きていました。
 東芝の主力事業だったDRAMは韓国の三星電子などに圧倒され、大赤字を出しました。持ちこたえられず、東芝はDRAMからの撤退を決めました。
 DRAM事業の撤退により、フラッシュメモリがDRAM部門を吸収しました。そして、DRAMを担当していた年配の、肩書きが上の人たちがフラッシュメモリの部門に横滑りしてきたのです。
 私たちのような、以前からフラッシュメモリを開発していたメンバーは、会社のなかではまだ若手でした。スキルや過去の実績などを考慮せずに、年功序列の人事制度をそのまま適用した結果、DRAMから移ってきた人たちが、フラッシュメモリの専門家よりも上の役職につくという人事になりました。
  <中略>
 DRAMから移ってきた人たちはフラッシュメモリのプロではないので、技術は分からない。開発に関しても冒険せずに、安全第一、他社と横並び、という判断になります。
 フラッシュメモリの開発当初のように、私たちが最短距離を走ろうとすると、組織内で軋轢を生じてしまう。以前のように全力で走っていたら、周りとうまく仕事を進めることができない。そうした状況に嫌気がさした、フラッシュメモリ立ち上げの功労者である先輩や仲間たちが、一人、また一人と東芝を去り、外国の半導体メーカーなどに引き抜かれていきました。』

 ということなのだ。

 竹内氏としては、こうした東芝の大企業病のような部分に気づいて、これからは技術だけじゃだめだ、技術を経営に生かす方法を考えなければ、というところで経営学修士(MBA)なわけだし、MOT(Management of Technology)なのだろう。

 本来であれば、大赤字を出して撤退した東芝のDRAM部門のメンバーは、基本的には格下げとなって、斬首とまでは行かなくても、他の部門の上司になるということはあり得ないはずだ。出版社なんかは基本的に中小企業なので、そんなことをしていたら企業の存立基盤があやしくなってしまうので、失敗した企画や雑誌の編集長なんかは、完全に格下げになる。そこがそうはいかないところに、大企業ならではの悩ましいところがあるのだろう。

 カネボウやJALが破綻したのもその辺の、時代の変化に対応できない大企業病の結果である。そして、現在は世界のトップを進んでいる日本の、あるいは東芝のフラッシュメモリ事業も、近い将来、韓国や台湾のメーカーに追いつかれ、追い越されていくのだろう。その頃に、その時点で時代の変化に対応できるような態勢を、日本企業は、あるいは東芝はとっていけるのだろうか。既に、次世代メモリ研究に関しては日本の大学を圧倒する韓国・台湾という状況も生じているということだ。

 いまやエンジニアばかりでなく、文系の世界も「グローバリズム」と「変化」の真っ只中にいる。

『日本だけに目を向けていたら、社会は閉塞しているように思えるけれども、世界を自分のフィールドだと考えれば、このようにチャンスはまだまだたくさんあります。』

 ということなのだ。

 私には最早あまりチャンスはないかもしれないが、若い人にはもっともっとチャンスを広げて欲しいものだ。

 で、ここで話は変わるが、予告です。

 明日から怒涛の連休後半三日間に突入する。5月4日は新潟県長岡市山古志まで「牛の角突き」初場所を見に行って、その次の5日は調布はアミノバイタルフィールドで立教vs.同志社大定期戦と日大vs.関学大定期戦、医科歯科リーグ戦(まあ、こっちはどうでもいいんだけれども)のアメフト三昧の一日があって、そして5月6日はいよいよ京都、宝ヶ池球技場でもって東大vs.京大のアメフト定期戦なのだ。

 まあ、当ブログでもその日は他に書くこともないので、その三日間(の次の日は)はそのスポーツ記事になるんだろうな。興味のない方は、この日(というか次の日)は当ブログを読まなくてもいいです。ただし、その中に少しは「読んどきゃよかった」ネタを仕込むこともあり。まあ、その辺は書き手と読み手の丁々発止のやり取りなんであります。

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