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2012年5月11日 (金)

『天職は寝て待て』って言われても、そうはいかないから、みんな困ってるんでしょ

 要するに、自分が天職と思えるような仕事に就ける可能性の80%は偶然だというのだ。

『スタンフォード大学の教育学・心理学のの教授であるジョン・クランボルツは、米国のビジネスマン数百人を対象に調査を行い。キャリア形成のきっかけは、80%が「偶然」であるということを明らかにしました。彼はこの調査結果をもとに、キャリアは偶発的に生成される以上、中長期的なゴールを設定して頑張るのはナンセンスであり、努力はむしろ「いい偶然」を引き寄せるための計画と習慣にこそ向けられるべきだと主張し、それらの論考を「計画された偶発性=ぶらんド・ハプスタンス・セオリー」という理論にまとめました。
 クランボルツはこのハプスタンス・セオリーにおいて、「いい偶然」は単に待っているだけでは起こらず、招き寄せるための日々の習慣が重要である、と指摘しています。』

 それは分からないでもないけれども、でも結局は「偶然」であるのだったら、そこに向けてどんな努力をしなければいけないのかということも分からないし、それこそ何にもしないで「寝て待て」ということなのかなあ。

『天職は寝て待て 新しい転職・就活・キャリア論』(山口周著/光文社新書/2012年4月20日刊)

 とは言っても、最初の就職で「ありゃ、間違っちゃたかな」と考えている人にとっては、転職というのは喫緊の問題である。しかし、本来であれば積極的な転職を進める立場の山口氏はこう言うのだ。

『喉元過ぎれば熱さを忘れる、ではないですが、会社全体の社風と自分のパーソナリティが完全に合っていないといった、どうやっても改善できない問題でない限り、じっと待ってみる、というのも有効な戦略の一つだと思います。』

 という具合にね。

 要は、本当に自分が得意とする仕事、自分の能力が充分生かせる仕事、自分が本当にやりたい仕事、といったものが自ら満足できる収入とともにあるのかといえば、なかなかそうはいえないというのも事実なのだ。だから、そうした条件を考えて転職しなさいよ、というのが本書の目的なのだ。でも、山口氏自身、電通、ネット系ベンチャー、ブーズ・アンド・ハミルトン、ボストン・コンサルティング・グループ、A.T.カーニーと転職をくりかえしてきた人物なのである。

 問題は、そこで山口氏自身がどんな「リスク・テイク」を行ってきたのかということである。そう、山口氏自身がその転職に際して、どのようなリスクを負って転職してきたのかという実例を読者としては見てみたいのだろう。でも、そんなことには応えない。まあ、それがライターとして長生きできる方法論なのだということは分かってはいるが、しかしねえ。この本だけを読んだ読者からしてみれば、ちょっとサービス不足かな。

 ひとつだけ言ってしまうと、転職で天職に会える確率はかなり低いと考えた方が良いだろう。現在の職業に就いている最中に「これは天職だ」というものを見つけて、じゃあそっちに転職したとしても、結局は実際にその職業に就いてみると、就いていなかった時には見えない部分が見えてきて、「やっぱりこれは天職じゃない」なんてことになることは多い。だから、「転職は慎重に」というのがこれまでの価値観だった。まあ、あまり早まりなさんなよということだ。

 しかし、だからと言って現在勤務している企業がこれから先、自らの職業がこれから先、未来永劫について確実かという保証はなにもない時代になってしまうと、常に転職の可能性を考えて生きていかなければならない時代には、確実になっているということなのだろう。

 問題は転職に関する「リスク」の問題なのだ。今、在職している企業にそのままいれば「ノンリスク」であるが、その会社が潰れてしまう「リスク」がある。会社を変えればその分の「リスクテイク」はあるが、うまくすればそのリスクを変えてしまうこともあるのだ。しかし、問題は「リスク」の反対語はなにかあるのかといえば、実はないのだ。つまり「リスク」は「危険」ではあるけれども、それを乗り越えてしまえば「安全」になってしまうのだ。要は、それだけのこと。

 そこで、問題は自分が「リスクテイク」をできるのかどうか、ということ。現職のやわらかい誘惑を捨てて「リスクをとる」ことができるのかどうかが、貴方の未来を決めるという社会に、いまやなってしまったんだな。

 そこで何が重要かといえば、結局は本人の意思なのだ。上にあげた「天職に会える可能性の低さ」にもかかわらずそこに賭けるか、あるいはそんな可能性をあきらめて今の職業にそのまま就き続けるか(会社がなくなっちゃうというリスクも含めて)、ということである。

 大変ですね、これからビジネスマンになる人たちは。って、これは家の息子どもに言ってるんだが、まあ、それはそれでいろいろ考えていることもあるようだ。

 本当に、日本という国はどうなって行っちゃうんでしょうね。アメリカの金融グローバリズムにまんま巻き込まれちゃうのか、あるいはアジアに軸足を変えて、アメリカ支配から逃れるのか、それによって多分、日本のビジネスマンの働き方も変わるんだろうな。

 頑張れ、日本のビジネスマン?

 

 

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