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2012年5月15日 (火)

『バトル・オブ・シコンバレー』はバトルというより盗みあいだ

 友人のY川氏から教えてもらった『バトル・オブ・シリコンバレー』(マーティン・バーク監督・脚本/1999年製作)をAmazonで購入して観た。

 原題は"PIRATES OF SILICON VALLEY"で、つまりアップルとマイクロソフトの「闘い」というよりも「盗みあい」を描いたという印象だ。

 お話は、アップル側をスティーブ・ウォズニアック、マイクロソフト側をスティーブ・バルマーが語るという形で進められ、それぞれがそれぞれの技術を盗みあって共存する姿を描いて、少なくとも我々が知っている事実で構成されるので、この作品を観て初めて知ったというような点は殆どないが、それはそれで楽しめた。

 最初は1984年のスーパーボウルの中継で放送する、IBMのビッグ・ブラザーを女の子が破壊するという例のテレビCMをリドリー・スコットが製作しているシーンから始まり、1997年のマックワールドでスティーブ・ジョブズがステージ上のスクリーンにビル・ゲイツを呼び出す有名なシーンへと続く。

 しかしながら、描かれている「盗みあい」はそれよりももっと前から始まっていて、最初はIBMに対してパーソナル・コンピュータのオペレーティング・ソフトを売り込むゲイツのシーンが最初だ。しかし、この時点でマイクロソフトはパソコン用のOSは持っておらず、IBMに対するゲイツの売り込みはよく言えば弁慶の勧進帳、悪く言えば詐欺であった。しかしながらIBMはマイクロソフトにOS開発の契約を発注したために、慌ててポール・アレンがシアトル・コンピュータ・プロダクツからOSを50,000ドルで買ってきて、PC-DOSとしてIBMに売り込むわけだ。

 このPC-DOSがMS-DOSとして、その後のWindowsにつながるマイクロソフトの最大のビジネスになるわけだ。

 次が、有名なゼロックスのパロアルト研究所の持つ、マウスとGUIでパソコンを動かすシステムである。結局、ゼロックス首脳としてはパソコンは普及しないと考えたために、この画期的な発明に興味を示さず、アップル・コンピュータというわけの分からない若者会社にその技術を見せてしまい、アップルに盗まれるのだ。

 そして一番の見どころが、Windows OSによるマウスとGUIの採用だろう。ジョブズが「ウチの社員が日本で買ってきたコンピュータ」というのは、多分NECのPC9801 VX/WINという1986年12月に発売されたコンピュータで、世界で初めてWindows 1.0が搭載されているマシンである。しかし、このWindows 1.0はあまり上手くできたOSではなくて、ジョブズは多少ホッとしたと思うのだが。しかし、激怒するジョブズに対して、ゲイツは有名な台詞を吐くのだった。

『なんと言うか、スティーブ、この件にはいろいろな見方があると思います。我々の近所にゼロックスというお金持ちが住んでいて、そこのテレビを盗もうと私が忍び込んだらあなたが盗んだあとだった――むしろそういう話なのではないでしょうか』

 同じ1955年生まれのジョブズとゲイツだが、これほど対照的な人物というのも珍しいだろう。

 シアトルの有名弁護士の父と市民運動のリーダーの母親の子どもとして生まれたゲイツは、コンピュータ・プログラムができるハーバード大生で、したがってまず最初にアルテア用のソフトを開発し売り込んだ後はIBMへ行くのだった。一方ジョブズは、高校中退の自動車修理工の許で養子として育ち、ヒッピーで、プログラミングはできないが、デザインセンスがありインターフェイスを使いやすくすることには優れている。

『どちらも、「頭は自分のほうがいい」と思っていましたが、美的感覚やスタイルを中心にスティーブがビルを若干、下に扱うことが多かったと思います。逆にビルは、プログラミングができないことからスティーブを格下に見ていました』

『個性や人格の違いから、ふたりは、デジタル時代を二分するラインの両側に分かれた。ジョブズは完璧主義者ですべてをコントロールしたいと強く望み、アーティストのように一徹な気性で突き進んだ。その結果、ジョブズとアップルはハードウェアとソフトウェアとコンテンツを、シームレスなパッケージにしっかりと統合するタイプのデジタル戦略を代表する存在となった。これに対してゲイツは頭がよくて計算高く、ビジネスと技術について現実的な分析をおこなう。だから、さまざまなメーカーに対し、マイクロソフトのオペレーティングシステムやソフトウェアのライセンスを供与する。』

 ところが、この二人が『優れた芸術家は真似る、偉大な芸術家は盗む』というピカソの言葉を好んで使ったというあたりが面白い。もっとも、ゲイツのほうは『ゴッホか誰かの言葉』といういい加減な覚え方だったが。

 しかし、ジョブズ役のノア・ワイリーといい、ゲイツ役のアンソニー・マイケル・ホールといい、なんか本人そっくりなところはたいしたもんだ。この辺はキャスティング・ディレクターの勝利だな。

 上記の引用は、すべて『スティーブ・ジョブズ』より。

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