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« 大友克洋GENGA展 | トップページ | 『ツール・ド・ランス』ってダジャレですか »

2012年4月10日 (火)

『就職に強い大学・学部』って、もう飽きたね。だって就職差別なんて当たり前じゃない

 うーん、最近しょっと食傷気味なのがこうした「アホ大学・バカ学部」系の本なのである。結局それは就活に夢を持たせてしまう「就活産業」と「大学の就職方針」なのであり、やはりそれに対してはきちんと修正しておかなければいけないという、こうした新書群なのである。ところが、その状況がまったく変わっていないから、いつまでたっても「就活産業と大学」を批判・否定する新書が出版されるわけなのであるが、もうちょっとそれにも飽きたね。

 だって、結局、いくら新書で批判・否定しても、状況はまったく変わらないのだから。

 つまり、「就職差別なんて当たり前」っていうこと。

『偏差値・知名度ではわからない 就職に強い大学・学部』(海老原嗣生著/朝日新書/2012年3月30日刊)

 要は単純な話なのである。「いい就職」を「大会社」「有名会社」に入るということだと考えるなら、大学受験を頑張って「旧帝大」か「早稲田・慶應・上智」、せめて「MARCH」「関関同立」に入りなさい、ということなのだ。それでおしまい。チャンチャン。

 だって、企業だって選考コストとか労力を考えれば、そうやって大学で差別することは当然なのだ。企業はこの「コスト」にことさらうるさいのである。当然、新人採用セクションにもそのコスト意識は徹底している。というか、だいたい、総務・人事セクションに属する新人採用セクション、営業や開発といったような「お金を稼ぐセクション」ではないのだから、ことさら「無駄な費用は抑えよう」ということになり、大量に送られてくるエントリーシートなんていちいち読んでいる時間もないし、それを読む人を雇うゆとりもない。としたら、取り敢えず大学の名前でまず落とすやつを決めてしまうほうがラクチンなわけだ。

 一人ぐらい、新人採用セクションに挑戦的な人間がいて、「いやいや低偏差値大学にも面白いヤツはいるかもしれません」なんていって頑張ってみることはあるかもしれない。しかし、そんなことをして採用した新人が、もしかして「使えるようなヤツ」になった場合は、それはそいつが配属された部署のトップのお手柄になって、「お前、面白いヤツを育てたな」てなことで上司が褒められるだけで、新人採用担当者のお手柄にはならない。逆に、その新人が「箸棒」だったとるすと、それは配属部署の問題じゃなくて、採用担当者が「何でお前はこんな使えないヤツを採ったんだ」と責められるわけである。

 だとしたら、新人採用セクションが「名前のある大学」からしか採用しない理由は明白じゃないか。

 ということは;

『ブランド大学に入るにもツボを押さえた上で、努力が必要であり、それは人気企業に入るにも同様に必要となる。ここを押さえずして、安易に大学を選び、安易に企業に応募した学生が、「学歴差別だ」という資格はない。』

 ということであり;

『「偏差値で入れるところ」や「知名度がいい大学の入りやすい学部」という観点で選んだとしたら、就職活動のときに試練を迎え、そういう安易な選択をした自分と、再び向き合うということになる。』

 ということなのだ。

 人は、人生の中で何度か試練の時を迎える。人によって、それは中学受験のときかも知れないし、高校受験の時かもしれないし、大学受験の時かもしれないし、就活の時かもしれない。しかし、そこで就活でうまくいっても、その後の人生生活の中では、もっともっと多くの、大きな試練が待ち構えているのだ。

 つまり、就活がその時点では学生にとっては大きな試練だと思えるかもしれないが、それ以上の試練がもっと先の人生には待ち構えている。多分、それはどんな企業、大企業であっても中小企業であっても、同じように試練は待ち構えているはずだ。

 問題は、そんな試練に持ちこたえる肉体的・精神的な体力を、学生のときから持っているのかどうかだろう。問題はそこなのだ。で、そのためには、安全パイとして有名大学の『「①地頭がいい」「②要領がいい」「③継続性がある」「④体力がある」「⑤ストレスに強い」「⑥人に嫌われない、人を嫌わない」』という学生を求めるわけなのだ。

 最後に、就活に関するウソを著者は上げているので、それを紹介;

①新卒偏重の日本では正社員には大学卒業時点の1回しかなるチャンスがない
②既卒3年も新卒扱いにすれば、若者は救われる
③内定解禁を半年後ろ倒しにして4年秋にすべき
④採用広報を12月1日に後ろ倒しにすることで学業阻害が和らぐ
⑤採用を通年化させるべき
⑥日本式の新卒一括採用が、若者を苦しめる諸悪の根源

 まあ、これを見てしまうと、「本当に企業って悪ですね」ってことになってしまうんだけれども、実はそうじゃなくて、就職活動の実態を見せないようにしている大学と、その大学の思惑にのって、就職活動の実態をみないようにしている学生が問題なのだ。

 皆、実態を見ようよ。いくらでもその方法論はある。少なくとも、世の中の実態から外れて生きている大学職員の目を通した就活の実態からは離れよう。

 要は、大学なんてものは、就職予備校ではないのだ。っていうよりは、就職予備校にすらなれないのだ。

 という、単純な話。

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