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2012年3月22日 (木)

『テレビは余命7年』って、そんなに持ちますかね

 昔、TBS闘争に敗れテレビマンユニオンを作った人たちが書いた本のタイトルが『お前はただの現在にすぎない テレビになにが可能か』というものだったのだが、いまやテレビは現在ですらない。

『テレビは余命7年』(指南役著/大和書房/2011年9月25日刊)

 現在ですらないテレビは、いまやどんなテレビなのだろうか。つまり、ニュースとワイドショーを除いては生放送はなく、ひな壇にずらりと並んだお笑い芸人がつまらないお喋りだけをして、なおかつやたらテロップを入れてさして聞きたくもないお笑い芸人のお喋りをいやでも眼に見させようという悪辣な意図の下に作られた低廉なバラエティ番組ばかりだ。

 食べ物番組といえば、これまたおバカなタレント未満みたいなのが出てきて、タイアップ先の食べのもを食べるのだが、そんなタレント未満の連中のレポートを見ても、なんらその味の雰囲気は伝わって来ず、ただただタレント未満の「おいしいー」というだけの発言じゃ、その店に行ってみようかななんて気分にもなりゃしない。

 以前、『遠くへ行きたい』というドキュメンタリー番組に出演していた永六輔氏は、番組の中で一切食べ物を口にしなかった。それは食事をする瞬間(人がモノを口に入れる瞬間)というのはかなり下品になる瞬間であり、そんな下品な瞬間をテレビで放送してはいけないという信念に基づくものであった。ところが、いまやそんな「食い物番組」ばっかりである、今この瞬間も「豪華15人! 大江戸線で大騒ぎSP」という下らん番組をやっている。なんで知ってるんだといえば、ウチのバカ息子が見ているからなのだ。ってお恥ずかしい。

 で、じゃあ数少ない生放送たるニュースとワイドショーはどうなっているのかといえば、故・筑紫哲也とか久米宏(今は古舘伊知郎)がやっているニュースとは、起こっている事、起きた事を伝えた後は彼らの実に浅薄なコメントを出しているだけなのだし、ワイドショーはそれこそタレントが司会をし、タレント解説者みたいな人間がしたり顔でコメントを発しているだけなのだ。

 CBSイブニングニュースのアンカーパーソンとして日本でも有名なウォルター・クロンカイト氏は、別名「大統領よりも信頼できるニュースアンカー」といわれたのだが、その基本的な姿勢は私的コメントを発しなかったことにある。つまりアンカーパーソンはその日のニュースを編成する権限を持ており、その編成権でもって「番組の意思」を伝え、アンカーパーソンとしては基本的に中立という姿勢を変えなかった。しかし、日本のキャスターたちはニュースの編成権は局のプロデューサーに渡したまま、テレビに写る人というだけのキャスターでしかないわけなので、そこに自分のコメント、それも自分で取材したわけでもないからごく浅薄でしかないコメントをつけるしかないのだ。こうした、高踏的な姿勢で作られたニュース番組なんてNHK以外の民放にはないじゃないか。

 とまあ、こういう状態なので『テレビは余命7年』なんて言われても仕方がないのだ。で、なんで7年? というと;

『かつて「護送船団」と呼ばれ、大蔵省の庇護のもと繁栄を謳歌した銀行業界も、13行あった都市銀行は、いまや4つに集約されている。バブル崩壊の元凶となった「不動産取引の総量規制」から、北海道拓殖銀行の倒産までが、約7年である。』

『江戸末期、ペリーの黒船来航から幕府の権威・井伊直弼大老暗殺までも7年である。』

 なるほど、で;

『今回の「地デジ化」(2011年7月24日:引用者注)が、かつての不動産総量規制と同じく、下り坂への1つのシグナルと見ている。7年後の2018年、テレビ界の威信を失墜させる大事件が起きると予想する。具体的には、それは在京のテレビ局のどこかの破綻と見ている。』

 ということなのだ。

 しかし、こんなことは前から言われていたことであり、なにしろ人口3億1千5百万人のアメリカ合州国でネットワークはCBS、NBC、ABC、FOXの4チェーンしかないのに、人口1億2千5百万人の日本で、NHK、NNN、JNN、FNN、ANN、TXNという6チェーンもなんで必要なんだということである。当然、これは淘汰されるしかないのだが、それがされないというのが免許事業という形での権益保障なのだ。

 これが、「免許事業じゃなくて誰でも参入していいよ、とりあえずそのときに一番強いところに電波割り当てをします」という事業形態であれば、上記の6チェーンなんて跡形もなかったのだけれども、そこは電波という公共物を取り扱う事業であるから、そんなに新規加入は出来ない。

 しかし、4月からスタートする「NOTTV」はスマートフォン向けのテレビだそうだが、そうしたネットTVがこれからどんどん出てくる。GOOGLE TVやAPPLE TVなども出てくる。これらは別に電波法に規制された放送じゃなくて、勝手に開設していいサイトなので、誰でもが作れる。そうなると電波テレビ放送局の優位性なんてなくなってしまうのだ。

 まあ、最初の頃は、これまで積み上げた蓄積があるから既存のテレビ局が優位に立つだろうけれども、次第にその優位性は損なわれ、いつしかその地位はネットTVにとって代わられるのだ。

 したがって、もしかすると2018年まで今のままで既存のテレビ局が持つのかどうかも怪しい。下手をすると、あと数年の内にテレビ東京あたりは放送を辞めてしまって、ネットTVだけになってしまうかも知れない。

 その後はどうなるんだろうか。私の予想ではテレ朝系列あたりが一番怪しいかなと考えているのである。

 ただし、現在のテレビ会社の経営者は「今のままで自分が経営している間は大丈夫」と考えているから、新人募集も今と変わらない方針で臨むだろう。そうすると、それを信じた学生たちはどう反応するんだろうな。って、皆でどろ舟に乗ろうよっていう話なんだけれどもね。

 いずれにせよ、考えてみれば、日本の高度成長と一緒に伸びてきたテレビ業界である。当然、高度成長が終われば一緒にシュリンクしていく業界なのでもある。

 問題は、そこから映画業界みたいに再生できる方法論を見つけられるかどうか、なのだけれどもな。

 

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