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2012年3月15日 (木)

『底抜け合衆国』は民主主義って何なのかを考えるいい教科書だ

『USAカニバケツ』に続く町山君の2冊目のちくま文庫化である。2000年から2004年のアメリカとは、要するにブッシュJr.の1期目の大統領の時期で、イラク戦争に突入した時期なので、当然、本の内容はほとんどが「ブッシュ批判」あるいは「ブッシュバカにする」内容だ。

『底抜け合衆国 アメリカが最もバカだった四年間』(町山智浩著/ちくま文庫/2012年3月10日刊)

 当然、ジョージ・W・ブッシュJr.はどうしようもないアホだったことは有名だ。ほとんど裏口でイェール大学を卒業し、州兵になったものの、多分父親ジョージ・H・W・ブッシュの多大な寄付でもってベトナム行きを忌避し、しかもその時期にはマリファナやコカインを常用していたにもかかわらず、そのような過去は一切消してしまい、これまた親のコネで石油エネルギー企業の経営者になって、テキサス州知事になって大統領になったわけだが、その大統領の時期にも、エンロンやハリバートンなどのエネルギー企業や軍需産業との結びつきから戦争に突入し、でも結局9.11同時多発テロの首謀者だったはずのウサマ・ビン・ラディンは発見できずに、関係ないイラクを攻めて泥沼のベトナム化させてしまい、高額所得者の減税はやるは、進化論を信じないキリスト教原理主義者だは、で結局アメリカ経済を疲弊の一途にさせてしまった、典型的なバカなボンボン二代目政治家なのだ。

 この辺、ブッシュと仲が良かった元防衛庁長官の息子で、二浪して慶応大学にはいったものの一年留年、ロンドン大学に留学したものの一単位も取れずに放校かという矢先に父親が急死して帰国し、弔い選挙で出馬した、小泉純一郎元首相とよく似ている。まあ、二人とも似たような境遇に気があったんだろうな。小泉の「ワン・フレーズ・ポリティクス」なんてのも、自らの政治的知見のなさを覆い隠すだけのものでしかなかった。しかし、国民は「小泉郵政選挙」でコロッと騙されて小泉の応援をしてしまうという、日本民主主義の劣化状況を見事に示したわけなのである。

 同じことが、ブッシュの政治にも言えて、9.11でアフガン進攻を言うまでは国際的な支持もあったのだが、それが何の関係もないイラク進攻までいってしまって、しかしそれでアメリカ国民はブッシュ支持をやめたかというと、第2期までブッシュに大統領を任せてしまうというオソマツさなのだ。イラク進攻なんて完全に「石油対策=ブッシュ陣営の身内企業の要請」でしかないのに、それを支持してしまうアメリカの貧困層って何なのよ。結局、そんな戦争に行って命を的に戦わなければいけないのは、ホワイト・トラッシュと呼ばれる白人低所得者層やマイノリティーであり、アメリカも徴兵制がなくなったおかげで、金持ちのボンボンはそんな「戦争」なんてあったの、という状況で暮らせるのである。

 要は、太平洋を挟んで両方の国々で民主主義がこれだけ劣化しているという証拠なのである。

 別に、民主主義が最高の政治形態であるとは考えないけれども、でも今のところ民主主義に代わる政治形態があるわけでもないし、だとしたら取り敢えず民主主義を如何に「よりよい政治形態」として維持するかが、現今の課題であろう。ところが、こんな金持ちのボンボン二代目政治家が、その国を支配してしまうことを「よし」としてしまう日米の民主主義の劣化状況はどうにかならないものか。

 それこそ昔のローマ帝国や中国のように、国家元首の世襲が禁じられていたひそみに倣って、日本も国家議員の世襲を禁じたらどうだろうか。まあ、「未曾有」を「みぞゆう」と読むようなアホな首相だけは出てこないだろう。

 代議士ってものがそれなりに高給取りになってしまい、おまけにそこには権益がついてきて、オイシい思いもできる、というところから自分の息子・娘にも政治家を継がせたいと考える政治屋がでてきてもおかしくはない。いまや政治が稼業にになってしまっているのだ。本来は、それなりの自分が持っている理想社会というものがあって政治に携わるはずなんだけれども、いまや稼業として親から預かった仕事として政治を「やる」のである。こんなの、「政治」じゃないよね。

 おまけに、そんな政治家のバカ息子やバカ娘に投票するバカ有権者がいるわけだ。その候補者が何を考えているのかではなくて、お父さんにお世話になったからとか、お母さんと親しいから、なんて理由で投票するっていうのは、まったく民主主義をバカにした投票行動だ。

 問題は、例えばオバマを選んだアメリカ人、民主党を選んだ日本人の双方が、自ら選んだ人間に対して感じている幻滅感なのだ。「Change」のオバマも、「マニフェスト」の民主党も、結局は現状を大きく変えることはできずに、前政権の尻拭いをしながら少しずつ前に進んでいる状態だ。そんな状態で、画期的な新しい政治、新しい政策なんてできるんだろうか。勿論、前政権からいやでも引き継がなければならないテーマはあるだろう。国民の生存に関わるテーマなんかは仕方がない。しかし、それ以外のテーマ(例えば、沖縄の基地問題とか)はいくらでも変えることは出来るのだ。でも、大きく変えない新政権って何なのさ。

 結局、オバマも日本民主党も、「あまり大きく変えたくない」んだろうな。革命じゃないし。っていうけれども、政権が変わるってのはまさに「革命」なのです。革命なら「旧体制の支配者」は皆殺されるのです。オバマも日本民主党も、「旧体制の支配者=官僚」を残したままで「新体制」が出来るとおもった浅はかさなのである。

 革命を起こした以上は、旧体制の遺物はすべて壊せ! 革命を起こした以上は、旧体制のやり方はすべてなくせ! 革命を起こした以上は、旧体制の人間はすべて殺せ! まあ、「殺せ」っていうのは、ちょっと言いすぎだけれども、そのつもりでやれってこと。「優秀な官僚」なんてものは、支配者次第なんだから、支配者がこれからは代わったんだから、お前ら心して付き合えよ、ということを言っていいのである。

 それでこそ、正しい民主主義のあり方だ。

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