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« 『地名に隠された「東京津波」』というより、単なる「東京地名研究」でしょ | トップページ | 『屋根裏プラハ』を読んで江戸っ子の口調に親しむ »

2012年2月 8日 (水)

『KABA2』を見てたら、昔のことを思い出した

 大友克洋氏の久々の新刊である。

『OTOMO KATSUHIRO ARTWORK KABA2』(大友克洋著/講談社/2012年1月30日刊)

昔話をばひとつ………。

<1988/7/10 19:00 調布市 東京現像所第2試写室>

 監督にとって生まれてはじめての長編(アニメーション)劇映画。

 ゼロ号試写上映開始。

 およそ3年前から制作を開始したアニメーション映画がやっと完成(完全なものではないが)し、映像と音響がひとつになったフィルムが、実に公開1週間前になってやっと完成したのだ。

 最後の半年の追い込み状況を知っているものにとっては、まさに奇跡。途中「ギブアップしたらどうか」などというプロデューサーのオドシに耐え、公開を前倒しできないか(つまり前の映画がコケたので)という映画会社からの要求には、「公開日は絶対まもる。その代わり前倒しも絶対にできない」とツッパッたものの、内心ビクビクしていた現場プロデューサーたる自分の立場からは、まさに天にも昇る気持ちで向かえた、「初号試写」なのだ。

 とにかく公開には間に合った(内容には問題はあるが)。

 ところが、肝心のゼロ号試写に監督の姿が見えない。試写の開始時刻は伝えてある。でも、監督が来ない。公開前の一番最後から2番目の重要な作業。ゼロ号で最終的なプリントの焼き具合をチェックして、最終的に公開版のプリントを発注する為の作業。それがゼロ号試写なのだ。その場に監督がいないなんてありえないじゃないか。

 しかし、無情にもゼロ号試写の開始時刻になってしまった。

 他のアニメーション・スタッフ、撮影スタッフ、音響スタッフみんな揃っている。やむなし、監督抜きでもやるしかないか、プリントについては撮影監督と確認するしか・・・。

 ゼロ号試写が終わった。

 ついに監督の姿は見えなかった・・・。

 と、アニメーターの一人が「いや、来てたよ。でも、上映終わったら、姿がみえなくなってたけど」えっ、と私。「何だよ来てたのかよ。じゃあ、最後まで顔を出せよ」という気持ちは抑えながら、やむなく、作業を進める。

 実は、この後、まだまだ70mmプリントを上げなければならず、そのためには公開前日までの作業が詰まっているのだ。

 その後、家に閉じこもり状態になってしまった監督。連絡がつかない。

<1988/7/14 新宿某所 1900>

 70mmの作業やら、音楽などの作業やら、宣伝作業やらを残しつつ、今日は楽しい「スタッフ打ち上げパーティー」だ。この日を最後に、公開後のリテイク作業の為のメイン・スタッフを除いて、スタッフ解散となる、その最後の日。

「あんな仕上がりのフィルムでスタッフは満足しているのか。監督は心配で皆の前に出られない、と言っている。」との監督夫人の電話。

「いやいや、皆出来上がったフィルムには満足しています。とにかく出来上がったんだから、皆、監督と会って一緒に喜びたがってますよ。とにかく、車だしますので、絶対来てね。」と、まあ頼りない私の電話。

 監督の到着を待っているスタッフに対しては、「とにかく、監督は車でこちらに向かってますので、もう少し待っててね。」と、これまた頼りないアナウンスをする私。

 だって、監督がくるかどうかなんて、分からないんだから。携帯電話もない時代の話だし。

 で、待つことしばし、やっと監督登場。数日ぶりに見る監督の顔。まだ引きつってる。いやいや始めちゃえば何とかなるさ………。

 あれから、20数年。監督も随分図々しくなりましたね。

 というオソマツさまでした。

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