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2012年1月 3日 (火)

『楽屋顔』はいいタイトルだけれども、それだけじゃ写真術じゃないよね

「楽屋顔」って要は一般人が入れない楽屋での各師匠(前座、二つ目もいるけどね)を撮ったものだけれども、噺家が撮っちゃあダメでしょ、ねえ。

『楽屋顔――噺家・彦いちが撮った高座の裏側』(林家彦いち著/講談社+α文庫/2011年12月20日刊)

Img002_2

 まあ、確かに噺家が、つまり同業者が撮ったからこその、被写体である噺家や色物の師匠やお囃子さんたちの普通に近い表情なのだ。これはズルいよね。だって、普通は写真家として撮影する場合、カメラの存在にとりあえずは緊張する被写体たるべき人たちの、ちょっとした緊張の解ける瞬間を狙って撮ったりする。そんな一瞬を見逃さない写真家のカメラアイを人々は「さすがにプロのカメラマンは違う」といって賞賛するわけなのであるけれども、なんだ身内じゃんかよってな「無緊張感」の中の写真は違う。

 つまり、写真家の撮った楽屋写真は、そこでは被写体たる芸人や役者たちは基本的に「他人に見られてる」という緊張感を多少なりと持っているわけなのだ。ただし、写真家はそんな緊張感の中の一瞬の「緊張感の緩み」を見逃さず撮影するわけですな。

 ところが、身内たる芸人(噺家)が楽屋を撮影しているったって、それは最初は記念撮影くらいかなという感じで受け止めて、別に緊張も何にもしないで撮られちゃう。そのご、えっ今の写真を雑誌に載せちゃうの? ってなもんである。

 問題は、そのどちらが写真として「上質」なんだろうかということなのであるが、テクニック的には写真家が撮った方が絶対上であるのは、言をまたないであろう。しかし、じゃあ噺家が撮った写真が面白くないのか、と言えばそんなことはない。つまり、写真には誰が撮ったのかということとは関係なく「いい写真」と「ダメな写真」があるということ。これが写真の面白いところだ。

「素人の偶然」と「プロの必然(というか狙い)」の両方とも可能性もあるというのが写真の面白いところだ。「写真は光の芸術」とか言われているが、結局はスタジオ撮影やアシスタントを連れた屋外撮影以外、とくにスナップ撮影はほとんど「偶然」にたよっているのがプロの写真でも事実なのだ。あとは、「撮影する枚数」ですかね、プロフェッショナルとアマチュアを隔てる壁ってのはね。プロは例えば1時間のスポーツ写真でスチールモードで1,000枚位は最低撮る、連続撮影モードだったら3,000枚位かな。つまり、アマチュアでもとにかく沢山撮影してその中から一枚だけを選ぶ能力があれば、撮った写真がプロの写真よりは「上手い!」と言われる可能性があるってこと。そう。問題は、そんなに沢山撮った写真から「いい絵」を選ぶ「センス」ということになってしまうのだな。

 林家彦いち氏は、カバー写真からみてみるとコンデジを使っているようだから、かなり「カメラまかせ」でいい写真が撮れているはずなんだけれども、たしかに「手ブレ」はないけれども「被写体ブレ」が随分多いようだ。勿論、ストロボが使えない状況で撮っているはずなんだから、ISOを低めに設定していればシャッター速度を遅くしなければいけないので「被写体ブレ」になってしまうという、いかにも「プロが撮りました」写真になっているのが可笑しい。

 ともあれ、こんな楽屋写真を日常的に撮れるのは、やは撮影者が噺家だからと言う限定された条件の下の撮影なのだから、今後は楽屋だけじゃなくて、いろいろな場所に行って撮った写真も見てみたい、というところなのだけれども、しかし、考えてみれば、この本は「噺家が撮った寄席の楽屋写真」という限定された本なのであるから、これはこれでしょうがないのか。

 でも、それだけじゃつまらないな。

Dscf2509_2_2

Dscf2540_2_2

 木枯らしに吹かれて寒そうな筋肉マンと、強風で落とされてしまった正月飾りです、って結構正月風景ですよね……ッエ? 違う?

Fujifilm X10 @上石神井 (c)tsunoken

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写真・本」カテゴリの記事

コメント

フィルムカメラの時代は、撮影会に行くと20本とか写してましたが、その中で見られる写真は10枚以下、さらに見せられるものが1枚有れば良いと言うレベルで、現像費用もバカになりませんでした。
デジタル化されて、1回の撮影で(電池さえ持っていけば)普通に1000枚位は撮れてしまいますから楽になったものです。これからのスナップ系は「写真を選ぶ目」が重要になってきますね。
コンデジは人物を写す時に、身構えられることが少ないので、写される事に慣れていない人を被写体にするには、良い選択だと思います。個人的にはキライですが、これからは小型のミラーレス一眼かな。

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