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2012年1月18日 (水)

『テルマエ・ロマエ Ⅳ』はギャグ漫画の陥る「ネタ切れ」か?

 取り敢えず「映画化おめでとう」とだけは言っておこう。

『テルマエ・ロマエ Ⅳ』(ヤマザキマリ著/エンターブレイン/2012年1月5日刊)

 しかし、いくら彫りが深いとはいっても「平たい顔族」の阿部寛や北村一輝、市村正親がローマ人なのである。まあ、笑っちゃうとは言うけれども、実は日本映画はそんな伝統の中で生きているのだ。

 つまり、日活無国籍シリーズである。流れ者のガンマン・小林旭やエースのジョーこと宍戸錠が活躍したヒットシリーズ。北海道の草原を馬に乗った小林旭がギター(それもクラシックギター)を背中に背負って、腰にはピストルを構えて母子家庭を救うという、どう考えても『シェーン』のパクリのストーリーに小林旭の歌を絡ませたいという発想で作られた映画って、おかしなシチュエーションでしょ。この変な映画のタイトルは『ギターを持った渡り鳥』。それが当たってしまって、味をしめた日活は最後はメキシコまでロケをして『メキシコ無宿』という宍戸錠がこれまた海外で大暴れという、いわゆる無国籍シリーズ最終作まで突っ走ってしまうのだった。そんなに西部劇やギャング映画が見たいんだったら、ハリウッド映画があったでしょ、とも思うのだが、その当時の日本人としてはハリウッド映画の贅沢さよりも日本映画のしみったれさの方が自分たちの生活には合ってたんだろうな。まだまだ、日本が戦争に負けて一後進国に成り下がってしまって、そこから成り上がっていく過程の時代だったのである。

 更に言ってしまうと、そのハリウッドだってメチャクチャなんである。だって、かのウィリアム・ワイラーの名大作『ベン・ハー』がチャールトン・ヘストンらが英語で喋っていたのは有名な話。まあ、古代ユダヤ語とか古代イタリア語で喋れとは言わないけれども、英語はないでしょ英語は、というけれどもそんなハリウッド映画はいっぱいあって、イタリアやフランスが舞台になって、イタリア系やフランス系の役者が演じてるけれども、実は言語は英語(アメリカ英語)という映画はたくさんある。まあ、映画の一大消費国がアメリカで、アメリカ人は世界中にアメリカ英語以外の言葉を喋る人がいることを信じられない人たちの集まりだから、たとえ舞台がギリシアだろうがイタリアだろうがフランスだろうがドイツだろうが日本だろうが中国だろうが、英語を喋らないと「見ることを拒否」する人たちなんだからしょうがない。

 と、まあ映画なんてのは所詮お金が掛かるエンターテインメントなのだから、結局は資本の論理に従うしかないのだ。ということで、映画『テルマエ・ロマエ』もそんな「いい加減な世界」に突入して、今後ともシリーズ化してどんどん原作の世界から離れることを期待する。何にせよ、宍戸錠の子息の宍戸開が、それもローマ人の役で出るのである。これは、日活無国籍シリーズの再開かな。

 で、上戸綾ちゃんの入浴シーンはあるのだろうか? 期待しないで待ってよう。

 で、すみません。原作の方はほとんど無視してしまいました。

『テルマエ・ロマエ』の4作目は、ちょっとこれまでの行きかたとは違う。どちらかというと「ギャグ漫画」のジャンルに属していたと考えていた作品なんだけれども、どうもこの「Ⅳ」になってからちょっと路線変更をしています。「Ⅳ」を全部読んでみても話は完結しない。どうも温泉地の「馬」が何かを起こしそうな感じで終わってます。ストーリー漫画の方向に行ってるのかな。こりゃ『コミックビーム』を買うしかないのかな、と思わせてそうさせる仕掛けなのか。

 とは言うものの、やはりヤマザキマリさんのスタンスの変更ということがあるんだろう。つまり、元々はこんなに長期連載になる予定はなく、基本的には一話完結のギャグ漫画として考えていたんだろう。で、多分1年位で連載も終わるだろうと。ところが、その第1巻が売れてしまい、賞までもらい、映画化もされとなってしまうと、辞めるわけにもいかなくなってしまった。というところにある第4巻なのである。

 しかし、ギャグ漫画がストーリー漫画に移るのは難しい。勿論、ストーリーからギャグに移るのも難しいのだけれども、いずれにせよ、そういう「無駄な」冒険はしないほうがいいと思うのだがなあ。もともと、『テルマエ・ロマエ』はギャグ漫画であったわけでしょう。だったら、そのままギャグ路線でもってずっと行けばいいじゃないか。それで「ネタ切れ」になったら、それはそれでおしまいでいいのである。って、やっぱりネタ切れ?

『サザエさん』『ドラえもん』みたいな「永遠に続く日常」を描く漫画の場合は、原作者がいなくなってしまっても(実際にその2作品は既にいない)、次にそれを書く人がいればまだまだ続くのだが、そうじゃない場合は作者次第だ。ヤマザキマリさんは、本人的には「もういい」というところもあったのだろうけれども、賞も取っちゃったし、映画化もされるということで、結構ツラい思いでいまや『テルマエ・ロマエ』を書いているんだろうな。それは分かるけれども、引き受けた以上はちゃんと書き続けていなければならない。

 ということで、しばらくはヤマザキマリさんの苦闘は続くのだ。所詮は「お気軽に始めたギャグ漫画」でしかなかったのにね。

 まあ、頑張ってください(映画の公開までは)。

 ということで、これまでの『テルマエ・ロマエ』も。

 ここまでは「ギャグ漫画」です。

 ああ、そういえば「風呂屋」の写真ってないなあ。

 今度、撮っておこう。

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