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2012年1月 2日 (月)

『太郎写真曼陀羅』は実に興味深い写真集だ

 芸術家(画家や彫刻家)が自らの作品のために写真を撮ることはよくあることである。岡本太郎も同様で、特に岡本太郎の場合は日本の民俗的な写真を多く撮っていたことは有名である。

『太郎写真曼陀羅』(岡本太郎著/山下裕二・椹木野衣・平野暁臣・ホンマタカシ編/ちくま学芸文庫「岡本太郎の宇宙――別巻/2011年12月10日刊)

 この『太郎写真曼陀羅』という写真集も同様で、数多くの民俗的な記録が多くものされている。沖縄の祭りや市井の人の生活の写真、お面など、韓国の町や田舎の風物と、そしてお面、インドの人々、長野のお面、長崎の魚板、長崎の人々の生活、石仏など、島根の出雲大社、高知の漁具、徳島の阿波踊り、三重の初期の鈴鹿サーキット、メキシコの人々の生活とお面、大阪・京都の様々な暮らし、東京の人々の暮らしと縄文土器、秋田・岩手・青森の人々の暮らしと鹿踊りなどの祭りやイタコ、などなど。特に目立つのは、様々な土器や、お面の数々であり、この辺は岡本太郎の彫刻「太陽の面」などにも関係するのかも知れない。

 編者のホンマタカシ氏によれば、岡本太郎の写真群は三つに分けられるということだ。

『①まずそもそもの目的である雑誌の仕事で祭りや土器など民俗学的な観点で取られた写真。

 被写体のはっきりした記号化された写真である。ボクがエキセントリックといった写真はこれらである。

     <中略>

 ②で取材にいった先々でつい撮ってしまったカットである。

 並べて置かれた下駄など、どうして撮ったのかわからないけど、つい太郎さんがオッってなってシャッターをきってしまったように見える写真たちである。

     <中略>

 これらも雑誌の取材の合間に眼について撮ったものと思われる。ここにはさんざん言いつくされているが写真の第一の特徴が如実に感じられる。

 ③番目にボクがニヤッと嬉しくなったのは太郎さんが意外と綺麗な女の人を写真に撮っているのを発見したときです。下着ショーのように取材で撮ったものもありますが、旅館とかでなにげにオッ可愛いと思ってとったであろうものがあります。

     <中略>

 そして、最後にボクは太郎さん自身が写った写真も大好きです。』

 三つの写真のうちの②と③というのは、写真の写真たる存在理由そのものであり、要は、ちょっと見て「いいなっ」って思ったらスグに撮る、という写真の一番良い使われ方なのである。そして、もっといいのは「岡本太郎が写った写真」である。この場合の著作権はだれにあるのだ、なんてことは気にしないで、天才アラーキーと同じで、もし岡本太郎が写真家ならば、これほど自ら写真を撮られる写真かもいないのである。

 で、ひとつだけ気になったのが186-187ページの見開き写真である。

3
(c)岡本太郎

 左ページのお面も面白いが、右ページの牛の写真をみて、大相撲の化粧回しに当たる「面綱」という牛の頭にかける紅白の綱を見て一瞬これは「牛の角突き=闘牛」の写真かと思ってしまった。45-47ページには沖縄の読谷村の闘牛の写真もあるしなあ、と考えたのであるが。

 実は広島県北広島町に伝わる「壬生の花田植」という無形文化財のひとつだったのである。「壬生の花田植」で使われる衣装をつけて着飾った牛が田んぼの代掻きでもするのだろうか、そのほか華やかな歌声や囃子に合わせて田植をするという、それはそれで「国指定重要無形民俗文化財」ではあったのだ。

 うーむ、こんなお祭りがあったんだ。こりゃあ見にいかなければ……。

Img069_2

Dsc_0080_2_2

Dsc_0194_2

 牛の頭に巻かれているのが「面綱」です。こうしてみると牛も結構可愛いもんですね。

Nikon D100 AF Nikkor 70-200/F2.8 TX & Digital @虫亀 @小千谷 (c)tsunoken

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