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2011年12月21日 (水)

『ルシフェリアン』というか陰謀論は結局は「後出しジャンケン」

 う~む、陰謀論って結局は「究極的な後出しジャンケン」というわけですな。

『世界と日本の絶対的支配者ルシフェリアン』(ベンジャミン・フルフォード著/講談社+α文庫/2011年12月20日刊)

 とりあえず3月11日の東日本大震災について書かれているプロローグであるが、当初悪い冗談としてしか思われていなかったHAARPという地震兵器によるものだという説があるが、その説にプラスして原子爆弾によって起こされたという話まで加えてフルフォード氏は語っているわけなのであるが。思わず笑止である。

 まず、HAARPについて説明すると、HAARPとはアメリカ空軍、アメリカ海軍、アメリカ国防高等研究計画局などの共同研究として行われている、電離層の挙動や無線通信等への影響を調査することを目的に行われてる「高周波活性オーロラ調査プログラム(High Frequency Active Auroral Research Program)」のことなのである。このプロジェクトにはアラスカ大学を始め、多くのアメリカの大学が関わっていて、日本の東京大学もその機器を提供している。この研究が「地震兵器」だというのは、ロシアの軍事専門誌が「HAARPは超強力なビームを生成する究極の地球物理学兵器である」という趣旨の記事を書いたからなのである。

 つまり、その研究に参加している日本を何故攻撃しなければならなかったのか、ということがまず第一。

 更に、原子爆弾を使ったら当然放射性物質が出るわけで、それを誤魔化すために原発も一緒に爆発させるのだ、ということであり、そこで福島第一原子力発電所が狙われた、ということなのである。だとしたら、東日本大震災の震源地は福島県沖になるはずなのに、なんで宮城県になったのか、ということが第二番目の疑問。

 つまり、陰謀論を展開するためには、その読者の不明が必要なのだけれども、ここまで明解にいろいろなことが分かっている場面では、陰謀論は展開できないということなのだ。

 ただし、読者が不明な連中ばっかりだたら大丈夫、ということ。

 ルシフェリアンとは旧約聖書に出てくるルシファーという堕天使の子孫であり、強大な力を手にした、神への反逆者だということだ。その人物の子孫であるロスチャイルド家、およびその分家たるロックフェラー家が世界を支配している、という発想の考え方なんだけれども、こうした陰謀論の主たるものは「フリー・メイソン」なんかがあげられる。しかし、フリー・メイソンはイギリスを発祥の地とするので宗教を問わない(ただし、無神論者や共産主義者はダメ)のに比較して、ルシフェリアンはユダヤ教を元としているだけ、それをあげつらう人物は反ユダヤ主義者というレッテルを貼られるのであろう。フルフォード氏はその名前からしてユダヤ系ではあると思うのだが、反ユダヤ主義を唱えているわけなのだな。

 しかし、反キリスト教の立場からプロテスタントをルシフェリアンが仕掛けたという言い方はあまりにも大雑把でしかないのではないだろうか。同じプロテスタントという呼ばれ方をされているものの、イングランド国教会の立場と、ドイツのプロテスタントとはその内実が大きく異なる。

 イングランド国教会のプロテスタンティズムは、結局ヘンリー8世の離婚問題があって、離婚を認めないローマ法王との対立にあっただけで、実は教義はあまりカトリックと変わりはない。しかし、ドイツのプロテスタンテイズムつまりルター派の考え方は、現世利益ばっかり考えていた当時のローマ法王庁に対し、聖書の基本に戻れという考え方の宗教改革であって、それが当時ニュー・テクノロジーであったグーテンベルクの活版印刷技術が聖書の普及を助け、結果として起こった広範な(ドイツ以北のすべての国で普及された)プロテスタンティズムなのである。この二つのプロテスタンティズムの大きな違いを無視してプロテスタンティズムを一括して、それらをルシフェリアンが仕掛けたプロテスタンティズムであると語ってしまうと、それはあまりにも杜撰なんじゃないの、ということになってしまう。フルフォード氏の「総ては陰謀によって動かされる」という論によれば、グーテンベルクもルシフェリアンなのか! ってことになってしまうが如何。

 更に言ってしまうと、レーニンやトロツキーがロスチャイルドの舎弟であるロックフェラーの金を受けていたからルシフェリアンである、といってしまったり、更にはヒトラーまでルシフェリアンであるなんて事まで言ってしまって意味があるのだろか、という気分になる。

 レーニンやトロツキーが資本家の金を受け取っていたからといって、別にそれは毀誉褒貶されることではなくて、まあ、言ってみればロシアの帝政が倒されることにおいて、共産主義者と資本家の思惑が一致したということだけなのだ。そんなことはよくある事で、60年安保全学連の島成郎が、右翼の大物・田中清玄から資金援助を受けていたのだって、お互いの当面の敵が同じ(つまりアメリカ)なら、あえて「更に盛られた毒だって食らう」のが政治に携わる者だろう。

 そして、ヒトラーまでがユダヤ系のルシフェリアンであるという言にいたっては、これどうなんでしょう、という感じである。まあ、以前から「ヒトラー=ユダヤ系」疑惑というのはあったのだが、雑婚の多いヨーロッパではまあ3代から先は分からないのが普通なのだ。苗字なんてものは直系の人しか使わないし、だいたい日本と違っていくらでも簡単に国境を超えられるヨーロッパでは、本当のところを言ってしまうと、特定個人を指して、その人がどの国のどんな宗教を信じる、どんな民族なのか、なんてのは分からなくなってしまうのだ。

 まあ、逆にそんな「ヨーロッパ+白人社会」だけでは陰謀論も通じるんだろうな。アジア人や黒人が加わってしまったら、陰謀論なんて無理無理。あっそうか。だからルシフェリアン思想は有色人種排斥なんだ。彼らにとってわかりやすい「白人だけの社会」を作りましょうということなのだろうね。

 とはいうものの、とりあえずアメリカのプレゼンスは今後どんどん低下するだろうし、EUも同じである。中国も基本的に国内需要を高めないと、今後長くは高度成長は望めないだろうし、韓国もいまや青息吐息である。あとはインド、ブラジルがどうなるかということなのだけれども、両国とも国内需要はあまり高くはない点では同じであり、輸出に頼っている以上は他国の経済事情に左右されるという不安定な状況は変わりはない。

 ということで、世界不況の中で、とりあえず(こっちも不況だけど)世界で比べると相対的に強い円を皆欲しがり、結局は円高を受け入れざるを得ない日本が、経済的にはこれからは世界の中心にならざるを得ないだろう。

 まあ、自国通貨が高くなるというのは、自分の国のプレゼンスが高くなるということなので、それは受け入れなければいけないのだろう。もしかすると、日本のプレゼンスがものすごく高くなって、世界中が軍事にたよらなくてもいい、平和な世界統一政府が出来るかも知れない。って、それはルシフェリアン的でない世界統一政府だからルシフェリアンとしては困る?

 そう、もともと軍隊は持ってるけれども、戦争を認めてない、世界でも数少ない国だからね。ただし、日本人はもっと世界史を勉強する必要があるかもね。なんで、この戦争が起こったのか。なんでこちらの国が勝ったのか、ということをね。

 そうなったら、ルシフェリアン(というのが本当にいたのならということなんだけれども)たちはどうするんだろう。

 まあ、自分たちが征服する統一政府じゃないから邪魔をするんだろけれども、やっぱり戦争ですかね。

 ただし、どこの国を相手にした?

Epsn9094_2

 別に意味はありません。アジア的な雰囲気かなというところで。

EPSON RD1s Elmarit 28mm/F2 @立石 (c)tsunoken

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