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2011年12月18日 (日)

『ストリート・ライフ』におけるブレ写真について

 東京都写真美術館で収蔵展『ストリート・ライフ』を見てきた。

 トーマス・アナン(英)、ジョン・トムソン(英)、ビル・ブラント(英)、ウジェーヌ・アジェ(仏)、ブラッサイ(仏)、ハインリッヒ・ツィレ(独)、アウグスト・ザンダー(独)という19世紀後半から20世紀前半にかけて活動していた写真家のソーシャル・ドキュメンタリー写真の展覧会(都写美収蔵展)である。

Dscf2188_2

Dscf2185_2_4

Street_20life1

Street_20life2

 19世紀後半から20世紀前半といえば、写真は既に確立された表現方法とまでなっていたが、まだ感光剤の力は弱く、例えば風景写真(特に街角写真)なんかのように手前から奥までにフォーカスをあわせようとするパン・フォーカスを使うためには相当絞りを小さくしなければならない。ということは、当然それだけ露光時間は長くなるわけで、多分当時のISO感度10以下という状況で考えてみれば、数秒以上の露出になったと思われる。

 ということで、この写真展にもそんな写真が多く、遠くに写っている人間はそうでもないのだが、手前の方に写っている人たちはかなりその像がブレている。一番上の写真のようにね。しかし、ブレているということは、そこにはそれだけの「時間」が写っていることなのだ。これは実に面白いことで、現在のISO6400とか12800あたりまで普通に写ってしまうデジタルカメラでは絶対に起こらないことなのである。それらのデジカメで写っている画像は単なる「瞬間」を写し取っただけの「空間」の画像でしかない。しかし、昔の低感度写真ではいやでも「時間」も一緒に写ってしまう。このどちらが「表現としての写真」を考えた場合、上なのであろうか。

 勿論、テクノロジーのおかげで(というか写真術というものがテクノロジーの賜物でしかないのだけれども)とにかく「止まった瞬間」の写真しか撮れないのことがいいのか、あるいは低テクノロジーのおかげで「動いている状況が見える」写真の方がいいのか。それは、見た人の判断ごとでしかないわけなのだけれども、私なんかは「時間が写っている」写真が好きなので、それこそ一番上の写真のように、デジカメであってもあえて低感度を演出して写真を撮りたくなるのである。このブレ加減っていいでしょ。

 勿論、写真というものは基本的にクリアでなければいけない。アウトフォーカス(ピンボケ)、ブレ(手ブレ)、露出オーバー・アンダーは駄目である。しかし、低感度のための対象ブレはOKなのではないか。

 例えば有名なロバート・キャパの「オマハ・ビーチ」(Dデイを撮影した有名な写真)なんかは完全にブレているが、それは手ブレ(も少しは入っているが)じゃなくて対象ブレなのである、と考えることにしよう。キャパの本『ちょっとピンボケ(Slightly out of focus)』だが、しかしそれは「ピンボケ」じゃなくて、「手ブレ」なのである。

 ピンボケは写真として致命的な失敗であるが、手ブレ、対象ブレは問題はない。それこそ、スチール写真が空間だけでなく時間も写し取っているという証拠なのだ。

 ということで、手ブレ、対象ブレを見せる低感度支持! そんな低感度を実現できないデジカメ粉砕! 写真を全人民に解放せよ! だ。

 その意味では、感度をISO100から12800まで、マニュアルで使えるFujifilm X10が高く評価される意味が分かる。

 収蔵展は2012年1月29日まで開催中。

 

Dscf2180_2

 スリリングな職場ですね。

Fujifilm X10 @恵比寿 (c)tsunoken

展覧会のサイトはコチラ→  http://syabi.com/contents/exhibition/index-1448.html  

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