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2011年11月 4日 (金)

『死にたい老人』は実は「死にたくない老人」なのである

 死にたい死にたいと思って「断食安楽死」に挑戦するのだが、しかし、その度に断食死ができなくなるいろいろな「障害」が起きて、結局は著者は「生へのこだわり」を確認することになるのだが・・・。

『死にたい老人』(木谷恭介著/幻冬舎新書/2011年9月30日刊)

 木谷恭介氏と言えば、私なんかの世代になると、まず「トルコ風呂(木谷氏が活動していた時期はまだソープランドなんて言葉は無かった)レポーター」として、日本中のトルコ風呂を探訪し週刊誌なんかに書きまくっていたことをまず思い出す。その後くらいからだろうか、「小沢昭一の小沢昭一的ココロ」というラジオ番組の作家として活躍していたことを思い出す。

 その後、ミステリー作家に転じたようだが、そのころの事はあまり知らない。まあ、私がミステリーを読まないからなのだけれども、その木谷氏が82歳のときに決意したのが「断食安楽死」なのだそうだ。

 つまり、これは一種の「姨捨て」発想なのだろうけれども、生産性を失った年寄りが生きながらえていると共同体に迷惑をかける、そこで年寄りは自ら望んで「姨捨て」をしもらうという。しかし、作家である木谷氏はそうそう生産性を失っているわけではなくて、印税収入だってあるだろう。しかし、もっと年寄りになって、耄碌して子息の世話になりながら生きてのは忍びない、ということで「断食安楽死」を選んで、なおかつその「死に行く様」を記録しておこうおという、まあ作家ならではの発想であるし、一方、死に行くものが、そんな自らの死に行く様を記録しておこうなんて考えることがおこがましいともいえるのだ。

 むしろ、「断食安楽死」を望むのであれば、本来はもっとひっそりした行きかたがあるはずだし、そんな風に「自ら死に行く様を記録」しようなんてのは、むしろ「死への希求」であるよりは「生への希求」であるような気がしてならない。なぜなら、「自ら死に行く様の記録」なんてものは、死んだ人間(むしろ死んでしまえば、たんなる物体)にとってはその記録を確認できるわけもなく、それを確認しようと思えば生きているしかないのだ。

 結局、木谷氏は1回目の断食は持病の鬱血性心不全の発作が起き、意識不明の状態で病院に搬送されるという事態を招き断念。2回目の断食は持病の心不全の薬を、食事もとらずに飲み続けたために胃潰瘍になり、苦痛が激しく、医師に診断してもらわなければなくなって、そこで断食が医者にバレて断食中断。3回目は断食開始の日に、結局断念するということで、未だに断食安楽死はせずに生きている。

 自殺する真理というのは一種異常な心理状態になっていないと出来ないそうだ。また、断食行で即身成仏した高僧は、それなりに「悟り」に達していた僧であったそうだ。つまり、それも一種異常な精神状態と言えなくもない。

 それ以外の人間は結局「自らの寿命に従順に」生きるしかないのだろう。それを木谷氏のように「クールな判断で」自殺(断食安楽死も自殺と言えば自殺に違いないのだ)を決めることは、結局無理だということかもしれない。

 木谷氏の断食安楽死論も分からないではないが、しかし、それを実行するのは人間にとっては不可能と言う事ではないのだろうか。

 ましてや、私のような俗人においておや、というところである。

2011_05_05_011_2

 即身成仏してミイラになってしまうと、こんなに小さくなってしまうそうだ、というのは当然ウソです。この人は偉いお坊さんでもなんでもありません。単なる人形。

EPSON RD1s Elmarit 28mm/F2.8 @谷中 (c)tsunoken

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