実はこれが当たり前の主張なんだよな『日本経済の奇妙な常識』
『スタバではグランデを買え!』とか『マクドナルドではなぜケータイで安売りを始めたのか?』『無料ビジネスのカラクリを見抜け!』というミクロな経済学を展開していた吉本佳生氏の、今度はちょっとマクロな経済学である。ちょっと普通のマクロ政治経済学者と言っていることがちょっと違うのだ。
『日本経済の奇妙な常識』(吉本佳生著/講談社現代新書/2011年10月20日刊)
例えば、本書246ページからの主張(ちょっと長いけど);
『日本に話を転じると、財政を巡る政策論争では、あまりに膨張した政府の借金をどう減らすかが話題になります。しかし、もはやまともな方法では返済不能だと不安を抱く人たちも多くいます。ですから、財政赤字に関連して、本当にまずやるべき政策論争は、じつは、日本政府の財政が本当に破綻したときにどうするかを、きちんと決めて準備しておくことだと思われます。
これは、いまある法律を使って解釈すれば、ある程度は可能なことかもしれません。しかし、それが適切な処理になるとは思えません。もし財政が破綻しても、政府は政府としての機能を果たし続ける責任があり、それをきちんと考えた“破綻処理プラン”をもっておくべきです。
経営が行き詰まり、多額の返済不可能な借金を抱えて、いろいろな負の遺産が残っているために、まともにやったのでは経営改革など無理な企業の場合、一度倒産して、破綻処理のなかで経営を立て直したほうがいいケースが多くあります。同じように考えれば、いま財政危機が心配されている国々では、政府といえども一度破綻をさせて、負の遺産を強引に整理してしまうほうがいいのではないか。筆者はそう感じるようになりました。本当に問題なのは、財政のほうではなく、今の政府組織のほうだからです。
決して、国債による借金を踏み倒せといっているのではありません。むしろ、財政が破綻して自力で必要なおカネが払えなくなったときにでも、破綻処理のやり方として、国債の償還を利払いは優先すべきだと考えます。そのあとも借金することは絶対に必要でしょうから、国債の信用は最優先で守るべきです。
そのうえで、たとえば、国会議員や国家公務員に支払う給料を一時的に減額する。あらかじめ定めておいた例外を除いた補助金も、一時的に一律で減額する。そうして支払いを続け、そのあいだに、すでに政府の仕事を離れてしまった人たちに支払う年金(たとえば議員年金)を大幅に削減する。国家議員の定数をいきなり半分にしてしまう。それも、つぎの選挙で減らした定員に合わせた選挙をきちんとやることにしたうえで、過去の議会・委員会での欠席状況に応じて、いますぐにある程度の議員をリストラする。
売れる資産は強制的に売る(必要なものは、借りるか。もっと身の丈にあったものを再取得してもらう)。天下りが一定以上いる組織への補助金を強制的にやめる。……などなど、破綻処理だからこそできることを強引にやれば、かなり思い切った改革が断行できます。』
ということ。
しかし、そんな大胆な政策を言える政党や政治家が日本にいるだろうか、と考えると、まあ、まずいないでしょうね。とにかく、国会議員の削減案だって、これまでに何度も発案だけはされているけれども、未だに提案されていない状態なのだ。つまり、自分に関係ないところではいくらでも言えるけれども、実際に自分の立場が危ういことになると、とたんに何も言わなくなるというわけですね。
だったら、とりあえずギリシャとかイタリアとかスペインとかポルトガルとかアイルランドとか、みんなデフォルトさせてしまって、ドイツとかフランスの植民地になって立て直すという方法があるのではないか。そこで、上記のような徹底した国家再建策を立てるのだ。それを各国が見て、自分の国の再建策の参考にするのだ。
日本も同じ。たまたま借金の先がほとんど日本国内だから安心しているのだろうけれども、しかし、いずれは返さなければならないのが借金なんだから、それは同じこと。日本だって実質的には最早デフォルトに陥っても当たり前の状態である。まあ、とりあえず外国に一度デフォルトに陥ってもらって、それを真似するというのであれば、いつもの日本流でしょ。「いやいや外国ではこうなっています」てなもんだ。
本書に言う『1ドル=80円は「超円高」?』というテーゼ自体がもはや破られてしまっていて、いまは「1ドル=70円台」時代になってしまっていて、多分「1ドル=50円」位にまで上がるだろう。所得格差はもっと進行するだろうし、企業の海外流出は今後どっと増えてくるだろう。
とにかく、製造業が、こんな高コストの日本国内で盛んになることは最早ありえないのだ。日本国内に残るのは研究開発部門だけで製造部門はアジア、アフリカ、南米になっていくだろう。そこには安い労働賃金と大きな需要があるわけだ。どのみち、若い世代がどんどん少なくなっていく日本である。そんなところではサービス的な労働と研究開発だけが生きる道になっていく。勿論、国内市場はどんどん小さくなっていくわけだ。そんな「小さな市場」に合わせた事業だけが生き残るだろうし、「小さな市場」に合わせた「小さな政府」だけで十分やっていけるようになるのだ。
マスコミ(特にテレビ)は、未だに「日本の町工場」に焦点を当てたがっているが、そんなものはもはや将来性はない。まあ、テレビにしてみれば自らの将来と当てて、そんな特集をやりたがっているのかも知れないが。
最早、第二次世界大戦が終わって、(国内的には)平和な時代が70年近く経っているのだ。そんな時代にも昔のままの経済が生きるわけはないじゃないかよ。
ちょっと、目を覚ましたほうがいいんじゃないの?
韓国大使館が今は四谷に移ったというのは知らなかった。いかにも……という感じの建物ですね。まさにこの威容は今の韓国を象徴しています。
EPSON RD1s Elmarit 28mm/F2.8 @四谷 (c)tsunoken
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日本経済の奇妙な常識 (講談社現代新書)作者: 吉本 佳生出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/10/18メディア: 新書 最近の乱高下する経済について新たな学説を提示している一冊。 なぜ、ポートフォリオ理論で証明されているにもかかわらず、 分散投資ですべての資産が一様に下落してしまうのか? なぜ、コモディティ価格が上昇しても、日本はデフレ傾向から脱却できないのか? と言った、幾つかのテーマについて、筆者の独自理論が展開されている。 ... [続きを読む]
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