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2011年10月21日 (金)

僕は君たちに武器を配りたい

 結局、本書は本書でやはり一種の「就活本」なんだな。但し、就活の<ノウハウ>はありません。一切。「就職」ってものはどういうもので、どうダメなのかという、意味でね。

『僕は君たちに武器を配りたい』(瀧本哲史著/講談社/2011年9月21日刊)

 20世紀の日本はあらゆる分野で政府が産業をコントロールしてきた「護送船団方式」による、「もっとも成功した社会主義国」的な資本主義だった。それが『全産業がグローバル化し、世界中がネットワークでつながった21世紀のこれからこそが、「本物の資本主義」の到来の時代』となり、そんな「本物の資本主義」の時代に生きる20代の若者に捧げる生き方の指南が本書なのだ。

 これからの時代は、ただ真面目に働くだけ、資格を取るだけでは「コモディティ」になってしまう。「コモディティ化」するということは、その商品(人)と他の商品(人)との差異化が見られず、結局は「値下げ競争」(賃下げ競争)に巻き込まれてしまうということ。

それを避けるためには「スペシャリティ」、つまり唯一の商品(人)になるしかない、ということです。

 では、そんなスペシャリティな人たちはどんな人たちなのか。

1.商品を遠くに運んで売ることができる人(トレーダー)

2.自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人(エキスパート)

3.商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人(マーケター)

4.まったく新しい仕組みをイノベーションできる人(イノベーター)

5.自分が起業家となり、みんなをマネージ(管理)してリーダーとして行動する人(リーダー)

6.投資家として市場に参加している人(インベスター=投資家)

 という6タイプの人なのだが、それでもこの中から最初の「トレーダー」と「エキスパート」は、今後は生き残っていくのが難しくなるというのだ。

 結局、最期に生き残るのは「インベスター=投資家」という、考えてみれば実に簡単な「資本主義」の世の中での、これしかないという勝者なのだ。つまり、市場に「ある商品を売りたい人」がいて「その商品を欲しい人」がいることで成立する、「資本主義経済」というまさに単純な論理で成り立っている社会ならばこその「投資家」という存在なわけだ。

 じゃあ、その投資先はどんなところなのかと言えば;

『基本的に私の投資先は、直接の知り合いか、あるいはその知人ぐらいの間柄の人になる。よく知らない人や、新聞などでしか知らない会社には、投資しない。』

 って、そんなことは極々当たり前のことじゃん。

 でも、そんな知り合いがないから皆、一生懸命『日経新聞』を読んだり、企業のIR情報を読んで、如何にそのウラを読むかに苦労しているんじゃないか。皆がみんな、マイクロソフトや、アップル、グーグルの初期投資家になって大儲けしたわけじゃない。たまたま、マイクロソフトや、アップル、グーグルが「うまく」いったから投資者は大儲けできたにすぎない。その裏には死屍累々の開発者と投資者がいるはずなのである。

 ただし、瀧本氏の言っていることには嘘はない。多分、今の日本社会の中で勝ち残れるのは、瀧本氏言うところの「インベスター=投資者」であろう。しかし、一人の「インベスター=投資者」が勝ち残る場所には、その数百倍、数千倍の「敗者」がいることも忘れてはならない。「敗者」の行く末は、多分「コモディティ」に戻るということなのだろう。ひたすら、搾取され、低賃金でこき使われる立場である。

 勿論、そこから再び立ち上がってくる人たちはいる。そうやって資本主義の世界というのは出来上がってきたのだ。そう、社会主義・共産主義では絶対ない「敗者復活戦」なのである。

 そんな「敗者復活戦」のある社会にいることを、今の若者は理解すべきであるし、それこそこれからの日本はメーカーなんかの「ビッグビジネス」の時代ではなくなってくる。そんな「ビッグビジネス」は日本より低賃金の国にどんどんシフトしているだろうし、そこで残された日本は、もっともっとスモールビジネス、パーソナルビジネスの方向に向かっていくだろう。

 そんな、スモールビジネス、パーソナルビジネスには投資家も気楽にお金を出せるだろうし、そんな出資に対するリターンもそんなに大きくはないかもしれないが、満足感は沢山あるだろう。

 もともと、アップルだってガレージで始めたスモールビジネスだったのだ。ビッグになるのは、スティーブ・ジョブズがパロアルトに行って、そこに捨て置かれた「GUI」というものを発見してから、と考えてみればアップルだって(パロアルトをパクっただけじゃんということで)そんなたいした会社じゃないことが分かる。まあ、たまたまなんですよね、たまたま。たまたま、そんな幸運がアップルの上に来た、それをジョブズはキチンと捉えた、ということにすぎない。

 たまたま、そんな機会を捉えた投資家になるためには、投資をずっと続けなければならない。数多くの失敗もする。その中でとても希少な成功例が「投資家としての勲章」になるのだ。

 まあ、そんなことを考えながら「投資行動」というものを考えた方がいいだろう。

 あんまり、単純に「儲けられる」なんてことを考えちゃいけないよね。

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EPSON RD1s Summilux 50mm/F2 (c)tsunoken

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『僕は君たちに武器を配りたい』 京都大学で経済学を教える先生の本です。 だから、経済学の本と思えますが、本当はこの本は、シュウカツの本だと思います。 いままでいわれていた就職のスタンダードは、いままさに見事にくずれつつあります。 受験でも一番偏差値の高い医学部と法学部。けれど、今、医者も弁護士もかつて言われていたようには、高収入の仕事ではありません。そして、官僚もまた、今までのようにはいかなくなりつつあります。 だから、京都大学の医学部の学生たちは、いままでのように医者... [続きを読む]

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