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« 『公安は誰をマークしているか』って、大体は理解しているつもりだが | トップページ | 『公安は誰をマークしているか』って、大体は理解しているつもりだが・承前 »

2011年10月10日 (月)

ドイツ出版事情について

 出版界唯一の専門紙という名の『新文化』10月6日号に、先ごろ行われた「ドイツ出版事情視察ツアー」のレポートが載っていた。

 基本的には出版インフラセンター(JPO)が経済産業省の委託事業として「フューチャー・ブックストア・フォーラム」を受け持っていて、要は経産省からの資金援助でもって行った「ドイツ出版事情視察ツアー」というのが行われ、それに乗った講談社が支援している「書店未来研究会」などが参加したツアーに自主参加した東京大学大学院特任教授の柴野京子氏のレポートが『新文化』に載っていたということなのであるが。

 基本的にはJPOが大日本印刷に依頼して、事前に現地調査をした資料がある。つまり、「ドイツの書籍業界は堅調を維持している(少なくとも伸びている)」「書籍の返品率が8%程度」「市場を支える背景には出版に対する歴史・文化的土壌がある」といったものである。

 特に、「返品率8%」という数字には30~40%に達する我が国の書籍返品率を考えると驚くしかないが、いずれにせよ返品率の向上は書籍出版社だけでなく、返品運送料を出費しなければならない書店にも大きな問題であり、「何故そうなのか?」という疑問を解き明かしたい書店オーナーは多いはずだ。

 で、結局見えてきたのは、他の業種と同じことであって、年二回の新刊予定表を提出した出版社と書店の商談があり、そこで書店は出版社に直接、仕入れ交渉をして、その代わり書店が仕入れたものはすべて買い切り、売り切れてしまい追加したい少量の分は取次に注文、大きな分量だったら再び出版社に注文。という、他の業界なら普通の新刊受注・発注方法があるだけなのだ。

 勿論、シーズン終了後に売れ残ってしまったら、返品したいなら、当初の契約通りの条件で返品し、あるいは再販期間終了後に安売りをして、とにかく在庫をさばくというだけのこと。つまり、それはごく普通の商取引なのだ。

 日本では、そんな1年に二回のシーズンなんてものはなくて、出版社は毎月毎月、事前に書店に対してプレゼンテーションなんかは(ほとんど)行わないで、勝手に出版をし、取次が見計らいで書店に卸し、そういうわけだから書店は売れ残れば、勝手に返品するし、という具合で「業界全体で誰が責任を持つかは分からない」状態でみんな商売をしているのだ。

 そうこの「責任を誰が持つのか」ということをハッキリさせればいいわけなのだが、何故か日本では、この「責任を誰が持つのか」ということが社会的に忌避されている状態だから、こと出版業界でもいい加減なままにおかれてしまっている。そう、これはこと出版業界だけのことではないのかもしれない。

 要は「日本中誰も責任を負わない社会」になってしまっているのだ。

 政治でも、司法でも、企業でもね。

 ああ、こりゃあフランクフルト・ブックフェアという最早500年もの歴史(つまりグーテンベルクが活字印刷を始めてその直後から始まった)を持っているドイツには、とてもじゃないがかないませんね。

 中途半端に日本式のビジネスを行い、中途半端にアメリカのやり方を取り入れてしまった、日本の出版業界。一度、ブッ壊れた方がいいんじゃないか、なんて思うのだ。

 その後、意識ある人が再建すればいいのかもしれない。

 

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