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2011年10月27日 (木)

私の蒙を啓いてくれた『追及権』

 蒙を啓いてくれた「追及権」なのであった。

『文化のための追及権 日本人の知らない著作権』(小川明子著/集英社新書/2011年10月19日刊)

 確かに、私は一時、著作権ビジネスに関わる部署にいたことがあり、それなりに著作権については詳しいと思っていたのだが、その当時、美術家に関しては著作権がありながら、一方、美術品の所有権というのは「移ってしまう」のだから、どうやって著作権を主張するのだろうか、という疑問は持っていた。しかし、美術品が誰かに買われてしまった以上は、買った人に所有権が移ってしまい、その結果としての所有権から所有権の移動に関して、著作権者はなにもその異動に対しての財産分与にあずかれないということに対して、ちょっとは理不尽な思いを持っていた。

 そんな時に見た「追及権」である。「追求権」でなはい「追及権」である。その意味の違いは分かりますね。その追及権が著作者人格権にもとづくものだというのも凄いね。つまり、それは他人に譲渡できない権利なのだ。絵画を、彫刻を、版画を作った人にはすべてこうした著作者追及権があり、それは他人に譲渡できない権利であるというのは凄い。

 こんな権利を、しかし、EUだけの権利であり、アメリカや日本では未だに確立されていない権利であるというのもおかしい。が、しかし、たしかに文化的に進んでいる(というか、要は、昔の文化でしか生きようのない)ヨーロッパで確立された権利であり、アメリカや日本という「文化的」後進国(つまり、それは文化はこれから育つのであるから、取り敢えずは経済優先でしか生きようのない)である国々で制定されていない法律ということなんだろうな。

 では、この文化的後進国である日本はどうしたらいいのであろうか。日本も「追及権」を主張して闘うべきなのか、あるいはそんな闘いを避けて自分の権利だけを守ればいいのだろうか。たとえば、東山魁夷という画家は自分の作品を売りに出さないようだ。そして、様々なところで「東山魁夷展」を開催し、そこでの「東山魁夷図録」による印税収入を基本に考えているようなのだ。それは、それでまったく正しい。

 でも、それは東山魁夷だから出来ること、と言われてしまってはそのとうりである。しかし、画家がその権利と収入を確保するべき方法としては、いやあ「真っ当」ですよね。

 問題は、その「真っ当」が使えない画家たちの問題なんだけれども、その人たちって、はたして、現代の人々にインパクトを与えるような作品を提供しているんでしょうか。多くの人たちに感動を与えない作品を描いていても、そんな美術家に権利的な支援を与えても意味はない、というところが普通であろう。

 まあ、取り敢えずはそんな「食えない」芸術家たちが「食えない」デモでもやって、まず一発インパクトを与えるしかないですね。じゃないと、文部科学省はやる気ありません。全然。

 一方、そんな日本の状況を、もっと小川さんは言ったほうがいいなじゃないか。海外の状況を報告してくれるのはそれでそれでいいのだが、問題は小川さんも言うとおりの日本問題でしょ。

 だったら、もうちょっと日本の文部科学省に文句を言おうよ。

 ちなみに、現状での文部科学省の見解は以下のとおり。

事項名 (M)「展示権の拡大」、「追及権の創設」

要望している団体等協議の相手方等
団体等の名称

 日本美術家連盟

 全国美術館会議(予定)
 全国美術商連合会(予定)
それぞれの主張追及権の問題は現在の法制定時に論議されましたが、時期尚早ということで、制度創設は見送られた経緯があります。
パブリック・オークションシステムの不備がその理由ですが、民間によるいくつものオークションが行われるようになった今日では、追及権制度を創設すべき環境が整っているとかんがえます。
美術家は自作を一度手放したら、後日、それがいかに高額で取引されようとも、経済的価値を生み出した源泉である著作者やその遺族は、その恩恵にあずかることはできません。
平成15年1月以降の協議状況
平成 年 月 日
今後の協議の見通し美術家連盟内では「追求権の創設」についての研究会等を開催して、今後の方針を検討しているところです。また、「展示権の拡大」については、今後の課題として検討を進める予定です。
今のところ相手方との協議日程は決まっていません。

文部科学省ホームページより引用

091124rd1s_smmicron35_051_2

あなたもそう思うでしょ、って言ったってこいつじゃ無理か。

EPSON RD1s Summicron 35mm/F2.8 @茨城  (c)tsunoken

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