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2011年10月 8日 (土)

伊藤Pのモヤモヤ仕事術

 自分で買っといて言うのもなんだが、タイトルの意味がまったく分からなかった。まあ、だから買ったようなものだけれども。

『伊藤Pのモヤモヤ仕事術』(伊藤隆行著/集英社新書/2011年9月21日刊)

「伊藤P」というのは、私も映像(映画・テレビ・ビデオ)のプロデューサーをやっていた頃「○○P」なんて揶揄まじりに呼ばれていたので、まあ「伊藤プロデューサー」ということだとは、大体わかっていたのだが、「モヤモヤ仕事術」というのがまったく分からなかった。で、読んでみると、要は『モヤモヤさまぁ~ず2」のプロデューサーを務めているからだということが分かった。なるほどね。ところが、そこで困った。『モヤモヤさまぁ~ず2』という番組の事を知らないで書くのは、やはり失礼にあたるのではないか。こりゃあ番組を見てからじゃないと書けないなあ、なんて考えて、そのことを家族に話をしたら、「何を言ってるのよ、ほらさまぁ~ずが駒込を歩いている番組を見たでしょう」と言われてしまった。えっ、そういえば「駒込が番組に写るわよ」なんて言われて、家族が見ているテレビをチラチラチラ見していたことを思い出した。そういえば、さまぁ~ずが駒込を歩いているシーンをどこかで見たなあ。あれが『モヤモヤさまぁ~ず2』なのかとやっとわかった次第。

 お恥ずかしい。普段はニュースとスポーツ中継、大河ドラマくらいしかテレビを見ない私としては、バラエティ番組はまったく守備範囲に入っていないし、そんなバラエティ番組のプロデューサーが書いた本について書くのは、まさしく「おこがましい」ことなのだが、家族に言われて一度でも見たことがあるのなら、それについて書く資格はあるので、と言ってしまおう。

 で、読んでみたら、書いてあることは「ごく普通じゃん」ということなのでありました。

『私、伊藤隆行は他人の力で生きてます。

 他人の意見に左右されます。

 でも、それでいい。

 なぜなら、

 テレビ番組も自分も。自分が評価しているのではないから。

 他人の評価が「評価」だから。

 出てくる結果は他人が出した「結果」だから。

 スーパー凡人。スーパーノンポリ。絶対に恥じません。

 大事なのはそれを自分で受け入れること。

 その方がよっぽどカッコいい。

 そう、自分は普通の人間です。』

 という言い方は、自分の事がよくわかっている人。プロデューサーとか編集者で、いかにも自分の才能があるように考えている人がいるが、そんなもの才能でも何でもない。たまたま、つきあっているしてのクリエイターに才能がある人がいたからにすぎない。

 しかし、ちょっと気になることがある。つまり、次のような書き方;

『何かを目指すなら一回壊れることで、自分が本当に本気にかどうかを確認できます。一回冷静に自分を見るのは、壊れる形でもいいし、ライバルに先を越されて悔しい思いをすることでもいいし、「自己実現できないのはなぜ」と考えることでもいい。通過儀礼は人それぞれでいいと思います』ということなのだが、基本的にはそれはOK。しかし、「自己実現できないのはなぜ」はないでしょう「自己実現できないのはなぜ」は。

 伊藤氏も書く通り、『プロデューサーとは単なる役割。職業の実態は単なるサラリーマンです』なのであります。つまり「局プロ」は単なるサラリーマン。そんなサラリーマンが「自己実現」なんてできるわけないのです。そんなに「自己実現」したいのなら、すぐさまサラリーマンを辞めて、自分でプロダクションを興すか、フリープロデューサーにでもなるしかないのだ。勿論、プロデューサーじゃなくてもディレクターとか監督でもいい。とにかく、単独で何かをやる人にでもならない限り、「自己実現」なんてないからね。

 この辺が、マスメディアに勤務しようとする人が陥る落とし穴なのだな。なんか、マスコミに行けば自己実現できるのではないか、なんてことをチョーアマ学生は考えたり、マスコミ企業の側も募集広告でなんか自己実現できるような甘言を弄して、バカな学生を自分の会社に入れようとしている。ところが、入ってみるとそこはどうしたってサラリーマン社会。おまけに、会社の規模は中小企業か零細企業だ。そんな、ところで自己実現なんか出来るわけないじゃん。

 じゃあ、そこで働いている人は、何を背負って仕事をしているのか。勿論、「ああそうか、ここはクリエイティブな世界じゃなくて、単なるサラリーマン社会なんだ」と割り切って、そんな中小企業での「出世」にまい進する人もいる。別にそれがいけないんじゃない。そういう生き方もあるということだ。

 そうじゃなくて、自分が見つけた才能が開花することを喜ぶ人たちもいる。別に、その結果、自分が出世するわけでもないし、定年まで現場のプロデューサー、編集者かもしれないが、その中で自分が見つけてきた他の人が花開くのを見るのも実は楽しいわけで、そんなことを一生の楽しみとして仕事をするという事もあるのだ。

 とまあ、そんな意味では伊藤氏はごく普通のサラリーマンとしての、優秀な局Pなのだろう。なにせ、深夜番組を日曜午後7時というゴールデンタイムに持ってきた人なのだからね。しかし、伊藤氏もこれからの人である。まだ、38歳。人生の勝負をするのは40代だろう。これからもテレビ東京の中で出世の階段に上るのか、あるいはスピンアウトして別の人生を歩むのかは、誰もわからない、伊藤氏自身も先のことは一切わからない。

 それだから、人生は面白いのであります。

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