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2011年9月 4日 (日)

『テレビは生き残れるのか』って? 生き残れるわけないじゃん

 テレビは生き残れるのかって? 生き残れるわけないじゃん。

『テレビは生き残れるのか』(境治著/ディスカバー携書/2011年7月15日刊)

 ただし、境氏が書くように『ホールディング会社がファイナンスとマーケティング機能を持ち、制作会社を統括する。一方、制作会社はアニメーション制作、ドラマ映画制作など分野ごとに合併してもらうのだ。その際に各社でのリストタクチャリングが必須となる。

 こうした制作会社の再編には100億円規模の資本が必要になるが、そんな体力は業界内ではテレビ局にしかない。だがテレビ局もこれから大変となれば、先にキー局の再編が必要なのかもしれない。

 ……などと考えていくと、映像業界全体をガラガラポンと再編しないといけないということだろう。これはまた、個別の企業として実現できるレベルではない。それこそ行政が音頭を取って執り行うべきだと思う。もちろん簡単ではないだろうが』ということなのだ。

 つまり、今の日本のテレビのありかた。NHKが2チャンネルあって、民放の全国ネットが4チャンネル、弱小ネットが1チャンネルという地上波の状況を見るだけでも、たかだか人口1億3千万人弱の日本には、テレビのチャンネルが多すぎるということが分かるだろう。あの人口3億人のアメリカだって、ネットワークはCBS、ABC、NBCの3チャンネルとちょっと弱小のFOXチャンネルくらいなものなのだ。日本より人口が少ないヨーロッパは基本的に国営テレビが2チャンネル、民放が2チャンネル位のものである。

 その数多い民放チャンネルが、それこそ少なくなった制作予算の中で、短期的に視聴率を上げられる番組作りを競っているわけである。となると、セット費用は使い回しがきいて、適当なお笑い芸人をひな壇においてトークを進めるという短時間で撮影できる、どこのチャンネルを選んでも同工異曲なくだらない「お笑い番組」が増えるのもしょうがないのだ。で、どこのチャンネルを選んでも同じようなくだらない番組をやっているのだから、視聴者もあきれてテレビを見なくなる。そのテレビを見なくなった時間を、インターネットやソーシャル・ネットワーク・サービスの方に使うわけである。で、そのユーストリームやYOU TUBEあたりをみると、これが結構面白い、テレビじゃ見られないような、あるいはテレビじゃ放送できないような「過激」だったり「テレビ以上にクダラないもの」だったり、そして一番多いのが「テレビじゃできない超マイナー・ネタ」の放送だったりするのである。

 そう、この「テレビじゃできない超マイナー・ネタ」というところに私も何か感ずるところがあるし、堤氏も同様なのだ。

 堤氏はそれをマスメディアに対応するミドルメディアと位置づける。数百万人を相手にしなければいけないマスメディアに対して、数千人から数万人を相手にするミドルディア。ネット上に多様に育っているミドルメディア。その例として、「例えば」として堤氏は、レストラン情報サイト『食べログ」や、ライブドアが運営する「BLOGOS」というブログサイトをあげる。『ミドルメディアでのビジネスをどう成立させるはが、これからのメディア業界や広告業界の存続につながす』というふうに堤氏は言うのであるが、しかし、堤氏自身まだそのしたミドルメディアでの成功例を本当には経験していないのではないか。それは、多分、堤氏がアニメーションの世界の疎いからなのだと思う。

 つまりアニメーションの世界では既にこうした「ミドルメディア」的な考え方で成功している例がいくつもあるのである。一つは有名な新海誠の『ほしのこえ』であり、もう一つは知る人(だけ)は知っている『秘密結社 鷹の爪』で知られる(?)蛙男商会である。いずれも、ほとんど個人製作のアニメーションで世界観を作り上げ、ストーリーを作り上げ、蛙男商会なんで声優までほとんど一人でやっているというアニメーション作品でありながら、メジャー劇場での公開を果たし、(多分)ビジネス的にも成立しているのだ(だって、製作費かかっていないからね)。

 こうした、「ミドルメディア発想の作品」はもう既にある。あとは、メディア側が如何にして自らミドルメディアという立ち位置を確認して、そうように発想・行動を移すかということなのであるが、果たしてそれは可能であろうか。ということなのだ。長年、右肩上がりの世界でずっと生きてきたテレビの世界の人たちが、自らをマスメディアではないという規定をすることが可能なのであろうか。もともと、テレビだって発足当初は「右に行くか左に行くか分からない新メディア」だったわけで、そんなテレビの世界にいくのは、映画の世界で挫折した人間とか、失敗した人間とか、映画界から忌避された人達とか、そんな「自暴自棄の人たち」が初期のテレビマンだったのだ。そんな、初期のテレビマンたちの気持ちを知っている人たちが、今のテレビにもいれば「テレビはミドルメディアだから、とりあえず儲からないことから始めましょう」という言い方にも賛成は得られるのであろうが、今のテレビマンにそんな人たちはいるのだろうか。

 翻って、出版はどうだろうか。まあ、出版社は認可事業ではないから誰でも始められる。ということで、日本の出版社は今2,000社とか言われているのだけれども、果たしてその中でまともに営業ができている出版社って何社ぐらいあるのだろう。ただし、数千人から数万人を相手にするというミドルメディアの発想と言うのはまさに書籍出版社の発想なのだ。雑誌出版社はマスメディアだからダメね。ということは、書籍出版社はミドルメディアへの変化は大丈夫って、ではそのときのメディアって何なのよ。今まで出していたような「書籍」の形だけでは「ソーシャル・リーディング」はしていただけないのよ。つまり、紙の出版だけではなくて電子の出版も考えないとね。ということで、書籍出版社も生き残りの為には電子書籍も考えないと、多分、無理になってくるのだ。それが、ミドルメディア化ということなのである。

 私自身はミドルメディアという発想には大賛成である。これまでのメディア支配者<新聞→テレビ→出版→個人>という支配形態を変える事柄ならば、全部OKである。

 それこそ「真の民主主義」の達成のためにはすべてのメディアが自由化されなければならない。マスコミもミディコミもソーシャルもパーソナルもすべてのメディアが自由に、それこそ上位メディア・下位メディアにも自由に行き来するような世界が、私の理想である。

 そんな世界は来るのだろうか(来ないだろうな)。堤氏はどうなのだろうか。

 

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