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2011年9月 6日 (火)

「最前線」は見るほどのWebじゃないけど、とりあえず見てください

「出版界唯一の専門紙」を自称する『新文化』に星海社の記事が8面を全部使って書かれていたので、今日はそれについて……。

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「sai-zen-sen_jp.htm」をダウンロード

 まあ、確かに『文化通信』とか『新聞の新聞』とかは出版界の業界紙でもあるけれども、同時に新聞界の業界紙でもあるわけで、その意味では「出版界だけの専門紙」ということでは『新文化』のタイトル下に確かに書けるわけであるけれども、それって単に取材の人脈とか経費がないだけじゃん、って言うのもあるわけで、まあ負け惜しみとして言っているだけなのかもね、ということで受け止めておこう。

 で、星海社なのだけれども、実はこの会社、40歳の営業担当の社長と39歳の企画・編集担当の副社長だけが社員と言う(他にもスタッフはいるけれども皆契約スタッフ)、超小さい会社であり、なおかつ講談社が100%出資している、まあ言わば講談社の社内ベンチャーなのである。

 なぜ、「講談社の中の新企画路線」としてじゃなくて、とりあえず会社を分けた「社内ベンチャー」としてやらなければいけなかったのか。

 ひとつには、副社長の太田克史という男の性格の問題もある。とにかく上司と喧嘩ばかりしている奴なのである。私も同じ部署にいたことがあるが、その部署も1年で辞めた奴なのである。私なんかは、そんな変な奴に興味を覚えて付き合っていたのだが、いやあここまでやるとはね、たいしたもんだ。

 もうひとつは、星海社が運営するWebサイト『最前線』(上の部分をクリックしてください)が、実は完璧なアンチDRM(Digital Rights Management)、つまりWeb上のコンテンツに関しては一切著作権を主張しないということなのだ。でも、星海社では当然、自分のところで出版する本(文庫・フィクション・新書)に関しては、先行してWebでの公開を言っている。つまり、Webで公開したことをプロモーションとして、本を売ろうという発想なのだ。だから、星海社は既存メディアでの宣伝を一切しない(まあ、そんな予算もないだろうけれども)。

 そう、これが講談社から会社を切り離さなければならなかった理由なのである。つまり、著作権というのは出版社にとっては「その根幹を作握る大事な権利」なのであると考えられている。でも、本当は出版社にとって大事なのは「著作権」じゃなくて「出版権」なんだけれども、その違いが分かっていない人たちが出版社には多すぎる。で、「作家の著作権を守るのは出版社の使命だ」なんて考えている人が、この業界には多すぎる。

「作家の著作権を守る」のは作家自身でしかない。あるいはエージェントか。

 出版社が守るべきは「作家の出版権」なのだ。

 どうもこの辺が混同されているのが、今の出版界なのである。例えば。作家が著作権を放棄したとしよう。しかし、作家はその作品から得られる印税を受け取る権利は充分にあるのだ。そう、つまり著作権と出版権は別だからだ。出版したものからの利益配分たる印税は当然作家のものである。それも、定価の1割じゃなくて、もっと要求してもいいくらいのものだ。

 で、この辺が出版社の人には分からない。出版社の一番分かっていない人には「著作権」と「出版権」の違いも分からないのだからもうどうしようもない。でも、実はこんな人が出版社には一番多いのだ。もうだめですね、大手も中小も。

 で、もうちょっと分かっていると社内で思われている人達のビヘイビュアーが「著作権と出版権の混同」なのだ。

 出版権というのは作家と出版社との契約で定められる出版者の権利である。著作権というのは書き手が文章を書いたらそのまま自然発生的に出来上がる権利なのである。こうした、実定法でもって決められる権利と、自然法でもって決まられる権利の違いが、出版社ではなんかない交ぜになってしまい、自分の出版権を守ることが同時に作家の著作権を守ることになるような幻想にとらわれることになってしまったのだ。

 その辺を、星海社は解決しようとして、Webでの「著作権放棄」つまり、いくらでもコピーしてもいいよ、ということを宣言したのである。要は「著作権」って言うのは英語で言えば「copy rights」つまり「コピーする権利」なのである。だから、著作権を放棄した作品は誰もがコピーする権利があるということ。ただし、「星海社文庫」とか「星海社フィクション」とか「星海社新書」というシリ-ズ・タイトルはつけられないはずだ。多分、商標登録ぐらいはしているだろうからね。ただし、それらのシリーズ名をつけなければ問題なく販売できるはずだ。それがアンチDRMの発想である。

 さて、こうしたベンチャーが生き延びていけるだろうか。私は期待しているのだが、どうだろうか。

 ともあれ、出版業界であれば、もはや雑誌はとにかく前年比を下げるばかりだし、書籍だって、たまに大ヒット作はあるが、恒常的な通常ヒット作はもはやない。そこそこヒット作ばかりじゃもうだめですね。

 そんな意味では、私は星海社の試みには結構賛成して応援しているのだ。ただし、星海社が出している本は、もはや私なんかは読めない本になってしまっていますがね。

 ともあれ、野間清治が東京大学の事務長という立場を(悪)用いて作った『雄弁』という雑誌、つまりそれは講義者の著作権なんてものは一切無視して作った雑誌なわけである、そういうものが講談社の始まりなんだから、いまさら鹿爪らしく「著作権」がどうのなんて言ったって意味ないじゃん。

 で、取り合えず星海社が今後どういう手でくるかは、サイトを見れば一発で分かるようになってます。

 一度、ご訪問を→「sai-zen-sen_jp.htm」をダウンロード

 

 

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