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2011年9月30日 (金)

『日本の大転換』はわかるけど、その方法論を言ってほしかったな、まあ学者の論文ってのはこんなもんだけどね。

 3.11東日本大震災を期に日本の大転換は成るのか? う~ん、難しいような気がするのだがなあ。

『日本の大転換』(中沢新一著/集英社新書/8月22日刊)

 中沢氏は一神教の思想と、原子核技術の類似性をあげる。つまり、それまでの「神」は我々の「生態圏」の中に存在していた。つまり「山の神」であり「森の神」であり、それこそ「竃の神様」やら「厠の神様」だったり、つまり『アニミズムや多神教の神々は、どんなに超越的なふるまいをみせようと、それはいわば格好ばかりで、じっさいには生態圏の全体性の表現になっている。これらの神々のなかには、毒をだすものもいる。しかしその毒は、人間がうまく処方できれば薬に変えることができる。これらの神々は、生態圏のなかに、その秩序を脅かすような「外部」を引き込んだりしない』のだが、一神教の神は『世間で知られている神々は、動物の姿をしたり、人間の男や女の姿をしているが、自分はそういうイメージをいっさいぬぐい去った、抽象そのものの神である~(中略)~ほかの神々は山や川の女神であったり、動物界や植物界を支配する神であったりするのだが、自分はそういう環境世界には所属しない絶対的な神で、むしろ環境世界の外部にいて、そこから世界そのものを創造した神である』というのである。

 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という三つの一神教のすべてにおいてこうした発想は共通している。『一神教が重要なのは、それに特有な「超生態圏」的な思考が、西欧においてキリスト教の衰退後に覇権を握った、世俗的な科学技術文明の深層構造にも、決定的な影響を及ぼしているからである』ということなのであり、その「世俗的な科学技術文明」の最たるものが原子核技術なのである。

 つまり『生態圏に生きる私達の実存のすべては、安定した原子核の外側を運動する電子によって支えられている。生態圏のなかには、原子核の融合(これは太陽の内部で起こっている現象だ)や分裂(原子炉がそれを実現する)は、組み込まれていなかった。ところが、「第七次エネルギー革命」が実現した「原子力の利用」だけが、原子核の内部にまで踏み込んで、そこに分裂や融合を起こさせた。そして、化学反応や電気反応ではとうてい実現できないほどに莫大なエネルギーを、物質のなかから取り出したのである』という。まさに我々の生態圏の「外部」からもたらされた技術であり、思想なのだ。まさに、一神教と同じ発想。

 ところで、「第7次エネルギー革命」だが、原子力とコンピュータの開発を通常そう呼ばれている。つまり「第5次エネルギー革命」で石炭を利用して蒸気機関を動かし、その結果産業革命が起こり、さらにそれをベースにして「資本主義」という経済社会が生まれたのである。その後の、「第6次エネルギー革命」では電気の発明と石油の利用という現代に繋がる革命があり、資本主義は帝国主義的な発展を見せた。もっとも、その一方で、共産主義革命とファシズムも生み出したが、それらは資本主義の発展の必然的帰結なのである。

 そして「第7次エネルギー革命」では何を生み出したのか。それは多分、グローバル資本主義ということなのだろう。とくにコンピュータの開発と、そのソフトウェアの発展によって、いまや世界はかつてないほどに狭くなってしまっている。昔、レーニンの頃の資本主義の最高発展段階は「国家独占資本主義=帝国主義」だったのだが、いまや企業は国家を超えてしまっており、ひとつの企業の破綻が数ヶ国の国家経済にも影響を及ぼすようになってしまっている。まさに「万国の資本家よ団結(合併orM&A)せよ!」という「マルクスもびっくり!」な資本主義の発展状況なのである。

 しかし、ここまで発展をしてきてしまうと、あとは崩壊しか待っていないのではないか。リーマンショックから完全に立ち直っていないアメリカは、先月ギリギリまでデフォルトの危機に晒されていたし、ポンドも怪しい。ユーロも、もともとEU加盟各国の経済は勝手にやらしといて、通貨だけ統一するってのは、本来有り得ない発想であり、結局ドイツがすべての国の負債を受け持つしかなくなってしまっている。

 日本だって、いまは円高の為に外国企業やら資産やらを買いまくっている状況だが、これまた東日本大震災(というよりほとんど東京電力問題)への対策費のことを考えてみれば、これからいくら出費がかさむかは分からないわけで、それをすべて国民の税金でまかなうわけですむのだろうか。下手をすると日本自体がデフォルトに陥る可能性も低くないのだ。

 という、(先進)世界全体の危機の前で、中沢氏は「第8次エネルギー革命」を提唱し、それは太陽光やバイオマス、風力発電などのいわゆる「再生可能発電方式」を唱えながら、一方で「リムランド(周縁のクニ=日本)」経済という、これまでの資本主義に変わる経済の方法論を探そうというのである。

 はたして、それは可能であろうか。

 まず、そのためには経済のグローバリズムをやめなければいけない。国内経済だけで回るような国にしなければいけないのだが、それが出来るか? たしかに、グローバリズムで失敗した国はその後モンロー主義になるのは、歴史的事実なのではあるけれども、いまや完全にグローバリズムに浸りきっている日本企業が、そこで内国産主義に戻れるであろうか。あとは、強権発動して「鎖国」に至るしかないのであろう。

 百年の計どころか一年後もわからない、今の民主党政権に期待しても何も出てこないだろう。というよりも、野田政権はいまだに「原発輸出」を命題としているのだ、安全技術もなにもないにもかかわらず。もはや(というか、前からそうだったけれどもね)政治家に日本の政治を任せてはおけないのだ。じゃあ、だれがやる? 

 そこでまさしく「第7次エネルギー革命」のもう一つのキーがあるじゃないか。コンピュータですよ、コンピュータ。それを使って「直接民主主義」を実現しましょう。

 実は「代議制民主主義」ってのも「第5次エネルギー革命」で出来てきた「資本家」によって作られてきた政体なのであります。ジャスミン革命じゃないけれども、もはや日本での携帯電話・端末の普及状態を見れば、完全にこれは直接民主制が可能なレベルに達している。

 ということで、携帯を使った直接民主制を、誰かが言い出さないかな。私が言ってもいいけど、っていうかもう言ってるけど。

 そうなると、多分、今の代議制民主主義みたいに、基本的に年寄りばかり投票にいって、若い連中は投票をしない、がために政治は年寄り有利な政策しかやらないんだ、ってことはなくなるんじゃないかな。

 そう、直接民主主義万歳!!!

 

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