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2011年9月10日 (土)

『日本人の9割に英語はいらない』のは事実だが、1割の成毛さんが言っちゃあおしまいよ

 書いてあることはすべて納得、同感、いちいちごもっともである。しかし、それを成毛眞さんが言っちゃあおしまいよ、ってなもんである。

『日本人の9割に英語はいらない―英語業界のカモになるな』(成毛眞著/祥伝社/2011年9月15日刊)

 だって、成毛氏は元マイクロソフトの日本法人の社長で、要は『日本人の9割に英語はいらない』の残り1割の人なのだ。もっとも、その1割の人であるにもかかわらず、成毛氏は英語学校に通ったわけでもなく、とにかく実践英語で喋れるようになった人だ。その意味では、日本における中学・高校・大学の10年間で教わる英語もそんなに悪いものじゃないとも言えるのではないか。勿論、じゃあその10年で英語が喋れるようになるのかと言えば、絶対無理。ただし、文法とか基礎力位にはなっているとは思うのだが……。

 ともあれ、目次を読めばこの人の言いたいことは大体わかるので……

第1章 本当に英語は必要なのか

頭の悪い人ほど英語を勉強する/創造力のない人ほど英語を勉強する/何のために英語を勉強するのか/本当に英語が必要なのは1割の人/英語を話せなくても罪悪感を抱くな/「使える英語」をどこで使うのか?/語学に「備え」は通用しない/日本人は英語に対してお人よしすぎる/英会話スクールのカモになるな/早期英語教育は無意味である/自信がないなら通訳を雇えばよい/1割の人は英語を勉強せよ

第2章 英語を社内公用語にしてはいけない

楽天とユニクロに惑わされるな/「チョドメ企業」の愚かな選択/英語ができても自分の付加価値にはならない/英語ができても、バカはやっぱりバカである/本当の英語力が求められるのは、外資系企業でも3%に過ぎない/企業は国内の人材を見捨てている/TOEICを妄信するな/海外で成功したいのなら自分の武器を磨け

第3章 本当の「学問」をしよう

大人の学問をしよう!/英語を勉強するのは最後でいい/読書で分かる国家の衰退/日本が抱える7つの大罪/真の教養とは何か/日本人はなぜ思考を磨けないのか/海外の本は日本語で読め

第4章 日本の英語教育は日本人をダメにする

「小学校の英語教育義務化」で、最後に利益を得るのは誰か?/帰国子女は不幸である/受験英語が日本の教育をダメにする/日本の官僚がお粗末なのは、悪しき受験制度が原因/現代日本が学ぶべき、戦前の英語教育/インターナショナルスクールを出て成功した人はいない/石川遼はデビューしてから英語を覚えた

第5章 英会話を習うより、本を読め!

第6章 それでも英語を勉強したい人へ~成毛流英語学習法

私は英語を勉強しなかった/英会話のカテゴリーを理解する/英会話スクールはネームバリューより講師で選べ/英会話の基本はマンツーマン/日常英会話はフレーズで覚えるのが基本/単語力はヒアリング力をアップさせる/日常生活に必要な知識を増やす/臨場感をアップさせて日常会話を修得する/ビジネス英会話は簡単/ビジネス英会話はただの道具だ/ビジネスでは英会話よりマナーが大事/ビジネスメールはさらに簡単/一般英会話の修得方法/手持ちの駒を効果的に使え/海外に行くときは鉄板ネタを仕込んでおく/それでもネイティブに近づきたいなら「パラレル発音法」を/繰り返し練習するのが基本/なぜ恋愛とケンカは語学学習の王道なのか

 以上である。第5章なんて『本は10冊同時に読め!』の成毛氏らしい部分ではある。

 第2章の「チョドメ企業」とは「超ドメスティック(家庭的)企業」のこと。つまり、楽天やユニクロのファーストリテイリングなどの、『今まで国内でぬくぬくと活動していた企業が、グローバル化だ、国際化だといった煽りを鵜呑みにし、慌てて外に出て行こうと体裁を整えている』と言う点を揶揄しているのだ。『海外で事業を展開するのには賛成だが、国内まで海外仕様にする必要はないのである』というのも、まったく同感。

 問題は、企業が国際化しようが、海外に進出しようが、それはほとんどの日本在住の社員には関係ないことであり、関係するのはごく一部の幹部社員だけである。あとは観光業関係にいる人たちくらいは英語が喋れる方がよいだろう。まあ、そんなもん。

 そもそも何で英語なんだろう、という疑問がある。企業のグローバル化に合わせて外国語の習得が必要だ、というならまず最初は「中国語」でしょう。あるいはベトナム語とかタイ語とか、マレー語とか、まずアジアの国々の言葉を喋れることの方が大事なはずだ。その次くらいに英語が来るわけだが、それだってヨーロッパでは使えない。フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語くらいかな。それらの国々にも英語を喋れる人たちが(それも日本人よりよっぽど巧みに)いるわけだが、でもそんな人たちだって英語よりも自国語の方が喋りやすいわけで、それらの国に入り込んでビジネスを行おうとするのなら、当然英語じゃなくて、その国の言葉を喋らなければならないわけだ。

 世の中、英語、英語と大騒ぎするけれども、英語だけじゃ仕事が出来ない、というか結局、中途半端な仕事しか出来ないということなのだ。つまり、仕事に合わせてその仕向け地の言葉を話せなければ、一人前じゃないのである。じゃあ、言葉が喋れればいいのか、と言えばそれだけでは仕事は出来ない。「言葉が喋れる」ということと「仕事ができる」ということは、まったく関係ない。「言葉のセンス」と「仕事のセンス」とはまったく違うのだから、これは当たり前。それをどこか間違えて「外国語を話せる人は仕事ができる」と考えてしまう。自分に欠けている能力を持った人を見ると、何か自分よりレベルが上だと考えてしまうものだが、たまたまそれはその人がそういう能力を持っているというだけのことでしかない。別の場面では別の人が優秀に見えることもある。

 英会話に関して言うと、成毛氏は三つの英会話に分類して考えている。つまり「日常英会話」「ビジネス英会話」「一般英会話」である。

 日常英会話というのは、当然アメリカあたりで日常生活を送るために必要なレベルの英会話ということである。私に関して言えば、以前にも書いたことがあるが、赤坂のバーに屯すアメリカ人ビジネスマンと喋って覚えた酔っ払い英語であった。つまり、アメリカから遠く故国を離れて日本に来ているアメリカ人の出張者は当然一人でバーに来るわけである。そんな手持ち無沙汰の彼らと何故か親しくなった私は「えっ、なんだこんな程度の英語でいいんだ」とばかり、結構彼らとの会話を楽しんでいたし、それが多分学校で教わったよりずっと有意義な英語体験であった。

 ビジネス英会話とは、そんな日常英会話に業界ならではの用語がプラスされる会話であって、シビアなビジネス交渉をする状況でもなければ、そんなに難しくはない。要は、お互い同じビジネスの分野にいる限りは、言葉だって同じ意味の言葉を喋っているわけだ。私の場合は、映像制作の仕事をしている時に、多く欧米と仕事をしていたのだが、実は映像(映画)の用語は基本的に英語(アメリカ語)であり、その日本語翻訳版だったり、日本語変形版だったりする。例えば、アフレコ(After Recording)というのは、ポストレコーディング(Post Recording)の日本で勝手に作ったバージョンだし、吹き替えのことを言うアテレコなんてアフレコという変な言い方を更に変にした言葉であり、英語ではDialogue Replacementということなのだ。この程度の英語だったら誰でも話せる英語だし、ハリウッドで英語版の吹き替えを3週間に亘って行ったときも通訳なしでなんの問題もなかった。ま、ビジネス英語なんてそんなもんよ、ということ。

 で、一般英会話となるのだが、これが難しい。例えば、パーティーなんかで初対面の人と「源氏物語」について話すようなものだ。要は、大事なことは英語力じゃなくて日本語力とか、日本の文化・芸術・生活に関する知識なのだ。英語力としての問題は、そうした物事を英語で話せるかということである。これはかなり難しいが、でも、そこはそれ日本についての知識があれば、あとはブロークン・イングリッシュでお話すればいいのだ。

 まあ、要は英語なんでブロークン・イングリッシュ、ジャパニーズ・イングリッシュで十分なのだ。実は、英語圏であってもいろいろな英語がある。カリフォルニアあたりの英語は、かなりいい加減な英語で、何故ならアジアからの英語を全然勉強していない移民たちとも話さなければならないという事情に影響されている。カリフォルニアあたりにいってしまうと、日本人の喋る英語はかなりレベルの高い英語、白人の次に位置するくらいの英語なのだ。

 それがだんだん東に行くにつれて「英語臭さ」が増してきて、ボストンあたりの英語はかなりイギリス英語に近くて、でもまだアメリカの英語なので、非英語圏の人にも理解できるレベルである。それが大西洋を渡ってイギリスに行ってしまうと、もう殆ど日本人の英語は通じなくなってしまう。ロンドンの下町言葉のコックニーになってしまうと、まず99%日本人の英語は通じないだろう。

 とまあ、ことほど左様に「英語」と言っても、実は「いろいろな英語」があるのだ。じゃあ英会話スクールってどこの英語を教えているんだろう。しかし、そんなことをパンフレットに書いてあるスクールはどこもない。「ウチはカリフォルニア英語だから簡単です」とか「ウチはロンドンの英語なのでちょっと大変です」なんてことをパンフに書いてあれば面白いのだが。

 と、まあ英語については、私もいろいろ言いたいことがあるし、まだまだ話は尽きないが、でも本書に関してみれば1割の人が残り9割の人のことを言ってもなあ、というのが基本的にある。

 ねえ成毛さん。「英語ができても、バカはバカ」というのは大正解だけれども、でも、そんな皆知っていることを今更言ってもねえ……。

 

 

 

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コメント

ナルケが馬鹿なんだから仕方がない。

じゃあ、アメリカ人は皆おりこうさんなんですか?

まーでも英語が流暢にできる人は「バカ」ではないですよ。
普通ではあっても。

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