フォト
無料ブログはココログ

Amazonウィジェット

  • Amazonおまかせリンク
  • おすすめウィジェット
  • Kindle

« 日吉界隈を歩く | トップページ | 失敗学実践講義 »

2011年8月11日 (木)

『モネッタの本能三昧イタリア紀行』で不満なこと

 なんとなく7月30日つながりで「シモネッタ」話なのである。

『シモネッタの本能三昧イタリア紀行』(田丸公美子著/講談社文庫/2011年4月15日刊)

 なんか、ここのところ講談社つながりでうまくいかないな、とは思っているのだが、まあ、『シモネッタの姥桜』のあとに、たまたま近刊のこの本をよんでしまったのだから、しょうがない。

 要は、「シモネッタ」こと田丸公美子さんの1973年から現在に至る日本←→イタリアの行ったり来たり話の中のシモネタというか、要は「男は女とセックスすることしか考えていないイタリア男」と「女も男といいセックスをしたいと考えているが、それ以上に産んだ子供をどうやって育てなければいけないのかがある以上、どうやって男を選ぶかが大事なイタリア女」という、一大闘争を描いた大活劇なのだ、といってしまえば大袈裟な、まあ、とりあえずはイタリア版「男・女系図」ってなところでしょう。

 しかし、まだ20代前半くらいの田丸氏(多分そのころはまだ「田丸」氏じゃなかったことは、解説の玉村豊男氏が書いているが、それも当然)が、それから四〇年ちかくもイタリアと東京の間を行ったり来たりしているにもかかわらず、イタリア男とまったくセックスしていない(と自称)ということが問題なのだ。

 まあ、田丸氏はネット画像で見る限りでは、そんなに美人ではないけれども、しかし、酷女という程でもないし、私の妻に言わせると「うん、開成生のお母さんによくいるタイプよ」と一刀両断であるから、まあ、普通の女性なのだ。そんな、日本でいる普通の女性がイタリアに行ったらモテないわけはない。田丸さんも絶対にイタリアではイタリア男どもにモテた筈なのであるが、何故かそのの話はない。

 勿論、田丸さんにもイタリア男の求愛行動はあったようだけれども、結局は彼女のシミュレーション行動の中で全てが消え去ったようである。

 そのシミュレーションとは;

その1 イタリア人は熱しやすく冷めやすい。捨てられて帰国することになるとみじめだ。

その2 タフなイタリア人のこと、毎夜、迫られると疲れ寿るし、拒否すると浮気されそうだ。

その3 社交的で美食家の彼らは、友人を招き家で夕食を共にすることが多い。私は料理が不得意。恥ずかしいし面倒だ。

その4 日本の両親に何かあっても、すぐには帰郷できない。

その5 たたみ、ふとん、もみがら枕が必需品。

その6 公共機関が不備で運行もいい加減。車がないといけない場所が多く、自由に動けない(私は車の運転ができない)。

その7 和食が好きで、なかでも寿司は週に一度は食べないと落ち着かない。

その8 家でくつろいでいるときまで外国語を使いたくない。

その9 何事も言葉で確認したがるイタリア人に「以心伝心」は通用しない。愛してると毎日言うのも言われるのもうざったい。

その10 自分の子が日本語の読み書きができないで育つと哀しい。

 というのが、田丸氏がイタリア男とのセックスを拒んだ理由なのだそうだが、それはないよね。

 だって、そんなこと、イタリアに行ってそんなにイタリアが好きになってしまったのであれば、全て受け入れOKじゃないですか。まあ、気になるのは「その4 日本の両親に何かあっても、すぐには帰郷できない。」位かなあ。それでも、家族を大切にするイタリア人だもの、日本の両親に何かあれば帰郷することに異議を唱える人はいないだろう。「その1」「その2」なんてイタリア男と付き合うときの基本だし、「その6」「その8」「その9」はもうどうしようもないでしょ。「その7」なんてのは、多分最早イタリアでもOKなんじゃないの。

「その10」について言えば、まあお子さんが日本語で開成で東大で司法試験で良かったですねとしか言いようはない。

 田丸氏が旧日本国の女子のように、ひたすら「貞操を守る」人たちであり、それでいながら、最も危険なヨーロッパのラテン地域の通訳として赴く姿は、まさしく帝国の女子挺身隊の如く見えるのであるが、それはいかがなものであるか。

 まあ、ここで他人の女性の性生活をあげつらってもまったく意味のないことであるから、田丸氏の性生活につい語ることはやめるが、ただし、自身の経験を話さなかったということだけでも、このエッセイ集が基本的な「集客力」を失っていることは確かだろう。やはり、自分の「ヰタ・セクアリス」を語ることが、とりあえず文学の基本なのではないだろうか。

 やっぱり『シモネッタのドラゴン姥桜』で、ここまで息子のヰタ・セクスアリスを書いてしまった以上は、田丸氏は自らのヰタ・セクスアリスを語ることが、どうしたって前提なのではないだろうか。

 このままじゃあ、息子が怒るわけだよな。

« 日吉界隈を歩く | トップページ | 失敗学実践講義 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549500/52409573

この記事へのトラックバック一覧です: 『モネッタの本能三昧イタリア紀行』で不満なこと:

« 日吉界隈を歩く | トップページ | 失敗学実践講義 »

2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

PEN PEN チョートクカメラ日記

自転車フォトグラファー 砂田弓弦

シュクレはお留守番

アローカメラ&我楽多屋

まだ東京で消耗してるの?