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2011年8月16日 (火)

『大鹿村騒動記』は安心して見られる原田芳雄映画なのであった。だって「ユル」いんだもの。

 俳優、原田芳雄の遺作である。そんなことからか土曜日の昼間の上映であったが、観客席はほぼ満席。やはり愛されていたのだなあ。

『大鹿村騒動記』(阪本順治・荒井晴彦脚本/阪本順治監督/セディック・インターナショナル製作/2011年7月16日公開)

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 世帯数541、人口は男573人、女608人、合わせて1181人というのが実在の大鹿村平成23年7月31日の実態だ。まあ、とにかく山の中。長野県の飯田市や静岡県の静岡市(平成の大合併で静岡市になった実際は静岡県のすごいド田舎)に挟まれた、南アルプスの麓の小さな村である。平成17年10月には、北海道美瑛町、北海道赤井川村、山形県大蔵村、岐阜県白川村、徳島県上勝村、熊本県南小国町と一緒に「日本で最も美しい村」連合を作ったくらいの、ド田舎。しかし、田舎に誇りを持っているド田舎だったりする。

 そんな、ド田舎でも誇りを持てるのが、300年も続いている大鹿歌舞伎の存在なのだろう。明和年間(1770年頃)頃から始まった大鹿歌舞伎であるが、寛政11年(1799年)の人寄禁止令、天保12年(1841年)の農民による歌舞伎禁止令、明治6年(1873年)の歌舞伎禁止の県令建、などという歌舞伎存亡の危機にもかかわらず、伝承させてきた歌舞伎の歴史があるのだ。その結果、昭和57年(1983年)には東京ヤクルトホールでの公演や、昭和59年(1984年)オーストリア公演、平成12年(2000年)には地芝居としては初めての国立劇場での公演を成し遂げるなど、その保存会の人たちの努力を了とするが、まあしかし、要は「芝居バカ」「歌舞伎バカ」がそれだけ沢山いるというわけだ。たかだか1000人しかいない村にね。それがすごい。

 で、そんな「芝居バカ」「歌舞伎バカ」の代表が原田芳雄であり、石橋蓮司であるということなのだろう。なにしろ、石橋蓮司演じる土木会社の社長はリニア新幹線に反対する小倉一郎をリニア新幹線をネタにして歌舞伎の舞台でも罵倒して、練習を台無しにするくらいのものだ。最早、歌舞伎と現実の世界とも一緒くたになってしまっている人なのだ。もう、でも、こんな人っているかもしれない。

 そんな原田芳雄の下に帰ってくる、昔、一緒に仕事をしていた岸部一徳と駆け落ちした元妻、大楠道枝が何故帰ってきたのかといえば、大楠が痴呆症になってしまったからだというのだ。これって結構自己中心主義? だって、普通なら駆け落ちしたなら、そこで一緒に駆け落ちした女とは一生添い遂げなければならないでしょう。仮に、彼女が痴呆症になってしまって、昔の夫のことばっかり言うようになってしまっても、それは駆け落ちした責任ってものがあるでしょう。でも、彼女が痴呆症になってしまって、じゃあ、元の夫のところに妻を返しに行くか? ってのが自己中心主義なのだけれども、むしろそこは田舎村の「ユルさ」なんだよな。だって、そんな帰ってきた連中を受け入れてしまうんだからなあ。「治ちゃん」なんて言ってさ。

 で、そんな痴呆症になった元妻が、元夫との出会いのきっかけになった歌舞伎の台詞が痴呆症回復のきっかけになってしまうのだから、これは何ともいえない哀しい場面である。ただし、アルツハイマー性痴呆症ではないかぎり、こうした昔の記憶にあることを一つ思い出して痴呆症がいったん直るようなことはあるようだ。そう、とりあえずリアリティはあるのだ。

 まあ、そういうことでベテランの俳優ばっかりの映画って、なんか安心できていいですね。展開は、役柄見てれば大体その後の展開も予想できてしまうし、ここでなんか言うだろうな、という部分でヤッパリ言うべきことを言ってくれるし・・・って、それって別の意味での予定調和?   でも、この場合はそれでもいいのだ。「寅さん」じゃないしね。原田芳雄はもう死んじゃっていないのだし、もういいよね。

 佐藤浩市と松たか子の恋愛話なんてまったくお約束じゃないかよ。

 ということで、この「ユルい」映画であっても私は支持します。

 まあ、この「ユルさ」って、最早荒井晴彦氏がそういう年齢に達してしまったということなのかも知れないが、一方、新藤兼人氏がいまだに『一枚のハガキ』なんてものを撮っていることを考えると、オールド左翼の方がやっぱり息長いのかなとも思えてしまうのだ。

 う~ん、この辺が新左翼の限界かな、なんて言っちゃって。やっぱり「新左翼」は「ユル」い? ってか。   

Epsn8995_2

Epsn8998_2

EPSON RD1s Elmarit 28mm F2.8 (c)tsunoken

 この写真は映画とは何の関係もありません。

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