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2011年8月 3日 (水)

『公務員の壁』というよりは民間企業の壁だと思う

 そんな風に公務員出身の学者が言って、いまや盤石の公務員組織がそう簡単に変わるのだろうか。

『公務員の「壁」 官民合流で役所はここまで変わる!』(中野雅至著/洋泉社Y新書/2011年7月21日刊)

 中野氏としては一生懸命である。安部内閣・福田内閣で公務員制度改革に取り組んできた中野氏であるから、それは懸命にならざるをえないだろう。

 しかし、それは思い通りにはならないのだ。中野氏のイメージは「官民統一シングルトラック労働市場」なのであるが、それはなかなか実現しないだろう。だって、問題は民間企業のほうにあるのだ。だって『一部の大企業の中高年正社員が給料や雇用保険の面で恵まれているのは事実です。公務員は身分が保障されていると批判されていますが、大企業の中には労働法の遵守を社是のようにするところもあり、何が何でも雇用を守ろうとする企業もあるからです。しかも、給料もそれほど大幅に低下していない場合には、高給で身分保障があるということになり、公務員を超えるスーパー既得権者になります』ということ。つまり、民間企業にいる方が、ずっといい状態でサラリーマン生活を終えることができるということなのだ。

 この辺、最大企業といわれてもたかだか従業員1,000人弱、資本金3億円というような、言ってみれば中小企業でしかない、出版産業で仕事をしていると、中途採用なんていっぱいあるし、従業員数万人というような超大企業の有様は想像できないのだけれども、多分それだけの企業になってしまうと公務員の世界もかくやという位の官僚制が敷かれてしまうのだろうな。確かに、国家公務員50万人以上、地方公務員約300万人という超巨大産業なんてものはないのだけれども、でも、その公務員の世界だって、いまや国家がデフォルトに陥ってしまえば「国家倒産」という危機もあるし、地方公務員だって夕張市のような財政破綻を起こしてしまえば、状況は同じである。

 つまり、公務員の世界も、大企業の世界も同じように「官僚制」と「新人しか採用しない閉ざされた人事政策」を行っているわけだ。

 これじゃあ、中野氏が考えるような官民が一緒になった労働市場なんて出来ないよなあ。

 中野氏は次のような「官→民」移行パターンを考えるのだが;

1)官→大学教員

2)官→経営コンサルタント

3)官→シンクタンンク研究者

4)官→政治家

5)官→自営業(コンサルタント業など)

6)官→民間企業

7)官→法曹分野への転進

8)官→起業家を目指す

9)官→天下り

と考えてみると、9番目が一番何もしなくてもいいし、なおかつ収入も良いといことなのだろうな。次は7番目あたりかな。まあ、、受かればOK。その次は1番目というのもある。収入は減るが言わば名誉職的な部分もあって、本を書いたり(まあ、印税は少ないが)、その結果としてテレビ出演なんかもすればそこそこ稼げる。まあ、あとは野となれ山となれである。その行った先、景気の状況、会社の業界におけるスタンスによって変わってしまう。政治家なんて選挙落ちちまえばただの人ですからね。

 逆に言ってしまえば、それが民間企業の無計画性なのだと言ってしまえば言えるところである。そう、民間企業って基本的には無計画なのである。取り敢えず会社としては当期の利益計画とか出版社なら出版計画とか、建設会社なら建設計画とか、商社なら事業計画とか出すのだが、実はそんなモンは「絵に描いた餅」であって、結局は企業の事業なんてものは行き当たりばったりでしかない。で、「結果オーライならいいんじゃない」というのが、すくなくとも我が国の企業の決算なのだ。

 そんな「いーかげんな」発想に官僚出身者が対応できるのか、というのが基本なのであるが、中野氏がいうような「官民統一シングルトラック労働市場」になってしまっても、ものごとをキチンと進めなければいけないことを長年やってきた公務員に、そんなイイカゲンな民間企業の仕事のやり方が大丈夫なのだろうか、と思うのだ。

 まあ、そんなイイカゲンな仕事のやり方をずっとやってきた民間企業だから、景気の変動にも耐えることができるわけだし、為替の変動にもまあしょうがないな、関税の変動にもそれはしかたがないな・・・てなもんで、いまや円高問題にも打ち克ってしまっているのだ。

 う~ん、そんなイイカゲンなことが公務員でもできれば、それこそシングルトラックになるんだろうが、しかし、その逆の「民→官」は無理だろうな。だって、そんなイイカゲンなことは許されないのが公務員の世界なのだ。

 う~む、官民シングルトラック労働市場は、かなり難しいのではないだろうか・・・中野氏の言うようにうまくいけばいいのだろうが・・・・・・。

 多分、一部には多少緩和された状況も来るだろうが、まあ、大半はダメだろう。で、日本はどんどん沈んでいくのだ。

 それもしようがない。

 

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