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2011年8月13日 (土)

『完盗オンサイト』はミステリーではないぞ

 フリーターのフリークライマーってなんだか語呂が面白い。そんなフリーターのフリークライマーが主役の話である。

『完盗オンサイト』(玖村まゆみ著/講談社/2011年8月8日刊)

 当初『クライミング ハイ』というタイトルだった本作品。なんか『クライマーズ・ハイ』みたいな作品を予想させるのか、あるいは高い山に登る話でもないので、多分編集者がタイトル変更を言い出したのだろう。オンサイトというのは、フリークライミング用語で、目標とするルートに何の情報も持たずに一発で完登することだそうで、まさに完登オンサイトというのだそうだ。ところがこの話、あるものを盗み出す話なので『完盗オンサイト』なのである。

 そのあるものとは『徳川家光が愛でたという樹齢550年の名盆栽「三代将軍」』で、そのものがある場所が、皇居内宮にある大道盆栽仕立て場。皇居にはそんな盆栽仕立て場があって、約90種、600点の盆栽があるそうだ。皇居なので途中に濠があり、濠には高い石垣がある、ということでフリークライマーである水沢浹が選ばれたのである。

 依頼者は超デブで、自分では最早動けずに、モーター付きストレッチャーでせいぜい部屋の中を移動するだけの男、國生肇。弟である國生環が社長をやっている大手デベロッパーの会長である。だから、金はあるけれども使い道はない。で、報酬は1億円。悪い話じゃない。が、しかし盗みは違法行為である以上、悩む浹。

 と、ここまでが最初の話。

 その浹が迷い込んだのが浅草のお寺で、その住職が岩代辿紹。その寺に預かられていた子供、斑鳩。斑鳩を寺に預けて失踪してしまった母親の津川愛子と、斑鳩の父親でありながら完全に人格が崩壊している、というかストーリーがまったく成立していない男、瀬尾貴弘の話が二番目の話。

 さらに、浹の別れた恋人、伊藤葉月がフリークライミング大会でのドーピング疑惑で失格となり、同時にスポンサーから契約違反で損害賠償を求められている状況で帰国する。その葉月が、ある日、浹を訪ねて寺にやってきて、浹が受けている依頼の内容を知ることになる。その後の葉月のとった行動とは・・・。というのが第三の話。

 ということで、この三題話がどのような展開を見せるのかを書いてしまうとネタバレになってしまうので、これ以上書かないが。とりあえず、一個目と三個目の話は、ちょっとウラがありそうだが、まあ繋がっている。ただし、一個目と二個目はちょっと無理筋かなという感もあり、しかし、どうにか斑鳩の処理をこうするのか、というところで繋がっているのかな。まあ、この辺は玖村氏の筆力なのかな、とも思える部分ではある。本来は、まったく関係のない一個目と三個目なんだものなあ。

 で、『徳川家光が愛でたという樹齢550年の名盆栽「三代将軍」』って、この小説のためのネタかと思ったら、『皇居の盆栽』というHPがあり、そこに載っていたのですね「三代将軍」が。

 ほら、これが「三代将軍」;

22

「皇居の盆栽」HPより

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