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2011年7月 5日 (火)

『小林彰太郎の日本自動車社会史』は日本のモータリゼーションの黎明期から現代までを貫く

 今では『CG』と言えばCOMPUTER GRAPHICSのことであり、最近はコンピュータ・グラフィックスなんて言葉も使われなくなってしまった。DIGITAL GANERATED IMEGEとかDIGITAL GENERATED ANIMATIONなんて言葉を使って、最早COMPUTERなんてものは当たり前なので、却って使われなくなってしまったのである。しかし、以前は『CG』と言えば『CAR GRAPHIC』だったんだよな。つい、35年くらい前までは。

『小林彰太郎の日本自動車社会史』(小林彰太郎著/講談社ビーシー/2011年6月28日刊)

 そんな『CG』の生みの親である小林彰太郎氏の半ば自叙伝、半ば日本の自動車史、それもあくまでもユーザー視点から見た自動車史でありメーカー視点では一切ないところが、いかにも『CG』である。メーカー視点ではいくらでも自動車メーカーが会社史を出しているだろうから、そんなものはいらない。やはりユーザー視点から見た自動車史なんかは、小林氏ならではの視点であろう。多分、その後の自動車評論家というのも、レース評論、経営評論などに細分化されてしまい、それらを総合して評論するという立場も、多分、小林氏以外には難しいのではないだろうか。

 そんな、小林氏が『CG』で目指したものは『暮らしの手帖』自動車版だったそうだ。『毎号、日常生活に不可欠な道具や品物を選び、いくつか現物を市場で買い求める。そして同社内で使用試験を繰り返し実施し、性能、使い勝手、耐久性、デザインなどを総合して、消費者にとってのベスト・チョイスを決定、同誌上に公表するものだった。『暮らしの手帖』のもっとも大きな特徴は、広告ページが一切ないことだった』というのが『暮らしの手帖』のまさに最大の特徴なのだが、その自動車版を目指すといっても、毎号毎号新しいクルマを購入するわけにはいかず、『CG』では広報車を借りてテストを行っているが、せめて『CG』らしさと言えば、『CG』お得意の長期テストであろう。さすがにこれは広報車を使う訳にはいかないので、ディーラーより購入して、編集者、営業マン、広告マン、取材スタッフなどが日常の足として使いながら、使用レポートも同時に書いていくというスタイルだ。まあ、こうした長期テストは今では他の自動車雑誌でも多少はやってはいるが、『CG』みたいに一度に14台というのは、他ではちょっとないだろう。

 こうした自動車雑誌であるが、何故それが二玄社という東洋美術や書道関係の高価な書籍しか出版していない会社から刊行されているのか、という訳もわかるし、実はそれが重要な要素でもあるということも。

 もともと『モータマガジン』という自動車雑誌で書いていた小林氏が、友達づきあいをしていた『モーターマガジン』の編集者が副編と喧嘩をして辞めることになった時に、その編集者と行を共にした小林氏が最初に出したのが自動車の豪華写真集なのであった。まあ、それは豪華本ということで、そうした豪華本に慣れている二玄社では言ってみれば「お得意」のジャンルの本であり、それが大成功したところから、じゃあ、もともと小林氏が出したかった『暮らしの手帖』的な自動車雑誌をだすということになったようだ。

 そういう意味では、二玄社というもともと書籍出版社から出せたという事は僥倖かもしれない。雑誌出版社だったら、新雑誌企画が出たらば、まず最初に考えるのは「広告」である。その広告がどれだけ取れそうかという事で、新雑誌を出すかどうか決める、というのが雑誌出版社の基本的なスタンスである。しかし、そういうスタンスだと多分『CG』は生まれなかっただろう。だって、基本的には自動車メーカー、付帯するパーツメーカー、付け替え重要を狙うタイヤメーカーやオイルメーカー、石油メーカーなどの広告出稿が自動車雑誌の根幹であり、それを否定したいなんてことを編集者が言ってしまえば、その時点で、広告マンから「この雑誌は×」と言われて、残念ながら当該雑誌は発刊されませんでした、ということになってしまうのだ。

 そんな「雑誌出版社」じゃない、というかそうしたところと最も遠いところにいる二玄社という出版社との出会いが、『CAR GRAPHIC』を成立させることになり、結果として数少ない「クォリティ・マガジン」が自動車雑誌の世界で成立したのであった。

 1929年生まれという、まだまだ日本にモータリゼーションなんて言う言葉が生まれる前の時代からの自動車マニアであった小林氏である。まさに「筋金入り」というのはこういう人のことなのだろうな。

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