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2011年7月17日 (日)

まあ、やっぱり出版社はなくなってしまうんじゃないか、ということについて

 出版の業界紙『新文化』7月14日号に大沢在昌氏の講演の様子が掲載されていたので、それについて一言。

 大沢氏の講演自体は分かっていたのだが、都合でそれにいけなくて、結果として業界紙で読んでるという訳だ。

 で、大沢氏の話のキモは、これまで大沢氏自身も言ってきた「電子出版」の話なのである。多分、自分で電子出版社を起こした村上龍氏もそうだが、それ以上に「電子出版」について大きな興味を持って気を注いでいるのが大沢氏なのである。まあ、それには大沢氏以外にも宮部みゆき氏、京極夏彦氏という売れっ子作家を抱えた大沢オフィスならではの、今後の戦略も考えた方法論だ。基本的には大沢氏も「作家の稼ぎの中心は(今のところ)紙の書籍」ということは分かっているのである。問題は、それに至る道程をどのようにつけるのかということ。

 大沢氏はシリーズ10作目となる『絆回廊 新宿鮫X』を昨年から今年4月まで「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載し、ということは紙の書籍出版の前に無料サイトで配信していたわけであるけれども、それは大沢氏が自身で言うように『話題になることは分かっていましたから、宣伝なんです』という言い方をしていたようだ。サイト「ほぼ日刊イトイ新聞』の読者は30代~40代の女性だというこから、多分その読者はそれまでの大沢作品や『新宿鮫』シリーズなんて知らないだろうから、その意味では新規読者の獲得にはつながっているわけなのでる。

 つまり、基本的に身を寄せているのは「紙の書籍」の方であり、ということは〈筆者〉→〈出版社〉→〈取次〉→〈書店〉→〈読者〉という、基本的な書籍流通の流れの中にいることとは承知してるのである。だからこそ、書店についてはちょっと厳しい言い方になってしまい、『何を選んでいいのか分からない読者に、本の知識があり、アドバイスができる店員もいない』とし、そうした『本の知識をもったカリスマ書店員は電子書籍のプラットフォームをつくる大手企業に吸収されてしまう』と予想する。

 半年くらい前の大沢氏はもうちょっと過激なことを言っていて、それこそもはや紙の書籍なんてものはなくなって、全部が電子書籍になってしまう。出版社なんてものもいらなくなってしまうかもしれない、なんて(電子書籍の推進者が言っていたそのままの言葉のような)ことを言っていたのだが、どうも最近は少し状況が変わってきたらしくて、『作家が読者に直接売ろうとしても、結局はクォリティが落ちる。優れた編集者と遣って行きたい』と、編集者がプロデュースする、校閲、装丁、宣伝、促進など出版社が持つ機能を意識し、『作家は下請けで、出版社からいつ切られるか分からない』としながらも『良い作品は作家一人の力では生まれない』という具合に、今の状況に再び戻るようなことを言っている。

 しかし、今確実に起こっている状況は、むしろ大沢氏が前に行っていた状況であり、つまり、優秀な編集者をアマゾンあたりが求めていたり、多分その先には優秀な書店員をそれこそアマゾンはアップルが求めるようになるだろう。そなれば、あのアマゾンのどうにも使えない「recommend」なんてものはなくるであろう。ほんとうに腹が立つんだよなあのAmazonのrecommendって。要は、それまでのAmazonの購入記録やクリック記録からしか読んでないものだから、本当に私が読みたいな、面白そうだなと感じた本が推薦されていることはまずなく、「もうそんな本はとっくに読んでるよ」「タイトルだけは見たけれども内容は面白そうじゃなかった」なんてことばっかりなのだ。まあ、Amazonではコンピュータによる属性検索とか嗜好検索でやっているのだろうけれども、それ自身が、もはや遅れているのである。

 まあ、形としては大沢氏が言うように、『出版社は販売元ではなく編プロになる』というのが一番未来図としては正しいんじゃないか。結局、プラットフォームをもった会社が今でいう出版社になってしまい、そこに雇われた編集者とか、その下請けをする(今の)出版社とかね。

 う~ん、それも世の中の流れなのかもしれない。

 

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