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2011年7月10日 (日)

いま改めて書店について考える

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 一昨日に引き続き、またまた東京国際ブックフェアネタである。

 ただし、今日は展示ではなく、特別講義『いま改めて書店について考える ― 本屋の機能を問い直す』というモノを聴いてきたので、その報告。

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 登壇したのは、フリーライターの永江朗氏をコーディネーターに、翻訳家の青山南氏、国立情報学研究所教授の高野明彦氏、京都にある大垣書店社長の大垣守弘氏の三人のパネリストが、今の書店、そして書店の未来像について語るというもの。

 青山南氏はその翻訳家という仕事柄からニューヨークはグリニッチ・ヴィレッジにあるセントマークス・ブックショップが地元在住の作家から自分の「知恵の倉庫」だと呼ばれていること。カリフォルニア、バークレイにあったコーディズブックが多分世界で最初のカフェを併設した書店ではないかということ。更には、ご自分の出身大学である早稲田の学生に対して、本を読まなくても良いから書店の書棚の前に立って本の背を眺めているだけでも、良い刺激を受けることを知ってほしいということなどが語られた。

 高野明彦氏は、神田神保町の古書店との関係が深いが、本の世界を読み取るため、自分と相性の良い書棚を求めて神保町の街を彷徨っているという話があり、そうした漠然と彷徨うような愉しみはWebの世界にはないということ。情報量は圧倒的にデータベースの方が上だが、書店の書棚の前にいるときの方が、頭は活性化するという話。書店員の知識が足りないと言われているが、それは書店員の責任でなく、出版界全体責任ではないか、要は本が多すぎるのではないか。などが語られた。

 大垣守弘氏は、大学2回生までは本屋を継ぐつもりはなかったが、店を手伝っているうちに結局継ぐことになってしまった。元々は大垣書店はそれほど店舗を持っていたわけではなかったが、全国展開する大型書店の出展に対する危機感のあまり自ら出店しているうちに25店舗になってしまった。大垣書店グループは鳥取・島根で展開する今井書店グループ(田江氏)、広島の廣文館グループ(丸岡氏)と三社で大田丸という協業会社を最近設立したが、それも三者の持つこのままでは地方の書店が無くなってしまうのではないかという危機感からのものであり、そうした地方書店の応援団になるようなことができないか、例えば後継者のいない地方書店に経営者を派遣できないか、というようなことをいろいろ考えている。京都は呉服屋さんが多いが、この呉服業界も一時期は2兆円産業と呼ばれ出版業界と同じくらいの規模があったのが、いまやその規模は1/10になってしまっている。しかし、そんな状況になってもしっかり生き残って頑張っている店はあるわけで、アマゾンや電子出版などでリアル書店の規模が小さくなってしまっても、自分のところもそんな呉服屋さんのようになりたい。というような話があった。

 で、三氏の中でそれとなく共通してきたテーマとしては、結局、書店の規模をどんどん大きくしていっても、店舗を持たないアマゾンには対抗できないこと。だとしたら、青山氏はセレクト・ショップという言い方をしていたが、規模は小さくとも、書店の側が「自分はこれを売りたい」という明確な姿勢がはっきりした書店があったほうが良いのではないか、という方向に話が向いてきた。

 大垣氏に言わせると、大きな店にしてもお客さんからは怒られる。駅前には大型店、周辺地区には地域密着店が向いているのではないか。自分の趣味だけで店ができるとそれはそれで良いが、それでは書店の社会的な使命を果たしたとは言えないので、それなりの規模にはなってしまう、ということだ。

 勿論、大垣氏もセレクト・ショップ的なものには興味があるようだが、それだけでは書店の使命は果たせないというのも事実であり、その辺は実際の書店経営者としてのつらい立場なのだろうな。

2011_07_09_009_2 大垣氏

EPSON RD1s Summilux 50mm (c)tsunoken

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