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2011年6月28日 (火)

『それでも「日本は死なない」これだけの理由』という暴論

 いやはやなんともこの時代に勇気を与えてくれる本である、という事だけは事実である。

『それでも「日本は死なない」これだけの理由 なぜ欧米にできないことができるのか』(増田悦佐著/講談社/2011年6月21日刊)

 内容は;

第一章 日本人だけが知らない「日本の本当の実力」

大震災は日本の強さを教えてくれた

外国企業は日本製品を買うしかない

アジア向け輸出の半分は円建て決済

日本製品が飛ぶように売れる理由

新日鐵と住友金属工業の合併は天下の愚策

独占企業の横暴で国民がバカを見る

M&Aは金融機関が儲かるしくみ

韓国経済が直面するウォン安リスク

「世界の潮流」のウソに騙されるな

対GDP研究開発費比率は日本が断トツ

日本人の家計財政センスは世界一

国債問題は低利で借り換えればOK

「税金」も「国債」も結局中身は同じ

二五兆円の公共事業が始まる

ピラミッドが教える自然の猛威とのつき合い方

本当は「計画停電」は必要なかった!

「再生可能」エネルギー源による発電の実用性

「二酸化炭素=地球温暖化元凶」説の誤り

電力安定供給への「最善の道」

世界最適! 日本の地熱発電の可能性

日本が世界に発信するポスト原発「新エネルギー」

 ときて、

第二章 「ジャスミン革命」は終わらない

 では、中東から中国、アメリカと「ジャスミン革命」が起きてくるだろうと予想し、

第三章 滅びゆく強欲国家・アメリカ

 では、いまやヨーロッパ以上の階級国家になってしまったアメリカの現状を説き、同時に金融大国になってしまっているアメリカの現状を斬る。

第四章 ヨーロッパ経済はすでに「地獄」に堕ちている

 では、唯一ヨーロッパの経済危機から逃れている(ように見える)ドイツが如何にしてその危機から逃れる方法があるだろうかと問いながら、その難しさを話す。

第五章 中国の空中分解が始まった

 では、中国のGDPに隠されている問題点を探る。

 という具合に、日本の企業と政府の分析から始まって、中東、アメリカ、ヨーロッパ、中国を含むBRICs国家群に対する分析を行っている。

 基本的には、「製造業を続けること」「独占企業を作らないこと」「金融資本への移転を行わないこと」、ついでに言うと「コストが安いからといって簡単に企業(生産)移転を行わないこと」ということなのであるけれども、四番目はもうすでにかなりの部分で我が国の企業もそのような状況になってきている。

 つまり「独占企業を作ってしまえば」それはメーカー側でいくらでも好きな価格設定を出来ることになってしまうわけで、そこにはコストダウンのための工夫とかイノベーションがなくなってしまう。「金融資本への移転」が行われてしまえば、企業がお金儲けをする方法が「モノを作る」という地味なところから、M&Aみたいな「ラクして儲けよう」というところに経済がシフトしてしまう。実は、それは経済バブルを求める欲求の始まりなのだ。

 ということで、取り敢えず3.11の震災を経ても取り敢えずはそうした状況に陥っていない日本経済を称賛しているわけなのだ。つまりそれは、まだまだ日本の製造業は健全であるという証左なのかもしれない。

 しかし、3.11以降、日本脱出を狙っている企業はかなりあるし、法人税が特に高い日本からは出て行こう、で、現地で安い労働力と日本からの高い知力を混ぜて使えばそこそこの労働コストが可能になるという発想もある。まあ、それが徹底されてしまうと日本の将来も、まあ欧米と同じかなとなってしまうのだけれども、その辺、どうなんだろうか。

 増田氏が言うほど日本人の精神性が高いとは思えないし、日本人が中国人化・ヨーロッパ人化して、「自分と自分の家族だけ」の事しか考えなくなってしまえば、とたんに日本という国家は崩壊してしまう。別に、我々は「国によって生かされているわけではないし」「国があっての存在」でもないのだから、いつ「日本国」が無くなってもいいとは思っている。いいじゃないかよ、別に我々が何人になっても。ただし、問題はその時には新しい国の社会保障制度に則るわけであるし、ということは現在の日本のような社会保証制度以上の国はないわけで、ということは確実に今の社会保障制度よりは劣悪な状況の中で生きなければいけないのだ。当然、今まで我々が積み立ててきたものなんかはチャラですね。

 まあ、本当に増田氏が第一章に挙げるような日本の経済・社会制度によってこれから日本が世界一の経済大国になる(どうみてもそういう書き方でしょ)という発想にはなれない私たちではあるけれども、そんなに悲観するほどのもんでもないのかも、という多少の安心感を与えられるものかもしれない。

 その程度のものだ、という風に読んでいればとても気分がラクになる本なのだ。

 最後に『世界中で愚民政治といえば、エリートがやりたい放題に好き勝手なことをするために大衆を愚鈍にとどめておくことだ。だが、世界で唯一、日本の愚民政治だけはまったく反対だ。エリートが勝手な悪事を働かないように、賢明な大衆が政治家や官僚や一流企業経営者を愚鈍なままにとどめておくことを指す。~危機に際しては、あたふたオロオロあわてふためき、しどろもどろのコメントしかできない指導者しかいない。だからこそ、日本経済は力強く回復するし、東北地方は立派に復興するだろう。基本的にはウソのつけない誠実な人間が、寄り集まってつくっている社会だからだ』という『おわりに』からの暴論を紹介する。

 本書の内容を規定するのはそんな暴論・トンデモ論なんだけれども、なぜかしっくりするのも一方で事実なのだ。もしかすると、本当は正論なのかもしれない。

 

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