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2011年6月 4日 (土)

『原発事故はなぜくりかえすのか』は原発関連だけでなく、日本企業の根本的な問題なのだ

 福島第一原発の事故以来、故高木仁三郎氏の著書が各社から復刻されて出てきている。この反原発で知られる市井の学者の本は皆読むに値する本ばかりだが、本書もそのひとつで、読みやすい内容で面白い。つまり、それは原発だけの問題ではなく、広く日本の企業社会の問題でもあるのだ。つまりそれは、原発事故ばかりではない。出版社も同じ状況に陥る可能性もあるのだ。

『原発事故はなぜくりかえすのか』(高木仁三郎著/岩波新書/2000年12月20日刊「)

 福島第一原発事故の後を受けて浜岡原発が停止要請を受けることになり、これで一気に日本は原発廃止へ向けて動くことになった。高木氏が今でも生きていたらこうした状況に対してどういった判断をするだろう。しかし、これはこと原発会社とか電力会社だけの話じゃなくて、日本における企業文化の問題なんでなはないだろか、という気がしてくる。

 目次を見るとどそんな気がするのだ;

1 議論なし、批判なし、思想なし

2 押しつけられた運命共同体

3 放射能を知らない原子力屋さん

4 個人の中に見る「公」のなさ

5 自己検証のなさ

6 隠蔽から改ざんへ

7 技術者像の変貌

8 技術の向かうべきところ

 ということなのであるが、やはり基本的には「議論なし、批判なし、思想なし」という第1章が読ませるだろう。これは日本の企業には絶対則なのである。つまり、その企業が新しく発しようとする事業に対しては誰も「批判してはいけない」という大原則がある。それは出版社でも同じであり、あるとき私が某雑誌の新雑誌出版委員会というものに参加した時に、その出版姿勢を批判したらとたんにバッシングの嵐に襲われたのであった。実は私としてはその雑誌を企画した編集長を応援したいがために言った発言なのでるが、それがどう曲解されたのかは分からないが、何故か私がその新雑誌にネガティブな立場だと思われたようで、バッシングにあったようなのだ。実際は、その雑誌は私が発案したネーミングで発刊されたのであるが、その前までの某役員のとの攻防戦はなんだったのでしょうね。多分、そこで私の出世の道は断たれたのだと思うのだけれども、まあ、それはそれでいい。

 つまり、原発をやろうという会社にとっては原発というのは一大事なわけで、その一大事を行おうとするときに、それにたいする議論とか(議論には当然批判があっていい)、批判要素とか、批判に値する思想とかが全て捨象されてしまい、とりあえず会社が今進めようとする原発事業を「どうやったらうまくいくか」というための発案だけが取り上げられる。って、何だそれはファッショじゃないかよと思うかもしれないが、実は会社の決定事(つまり、委員会なんてとこに降りてきたときには会社としては決定事項なのですね)なんてものはファシズムなのだ。民主的な会社なんてものは日本ではありえないのだ。当然。

 ということで、会社が決めた方針通りに原発を作って、運用していくわけなんだけれども、したがって事故が起きた時も現場の方針よりは本社の方針が重要になってしまうというわけなのである。そこで、福島第一原発で会社の方針に逆らって注水を続けた現場の責任者の責任問題が起こっているそうだ。本社は東京にいて原発事故の場所にはいない代わりに政府(経産省や総理大臣)に近いところにいるわけだ。一方、福島第一原発の現場責任者はずっとそこにいるわけでしょう。どちらの判断を大事にするかと言えば、当然現場の判断の筈である。これは、当然の判断ごとなのであるけれども、どうもそれは東電ではいけないことのようだ。となると、完全に『失敗の本質』に書かれてたこととおなじことが、今回も繰り返されていたようだ。要は官僚主義と現場の言葉を聞かないということ。

 まあ、これが日本の企業文化なんだろうな。どうしようもないズブズブの企業文化。これがあるから、日本は「護送船団」方式で第二次大戦後の世界を生き延びてきたのだけれども、その後の「お前ら勝手に生きれば」という世界経済のなかでは、そのままでは生き残れない社会である。我々個人もそうであるけれども、同時に企業もそんな世界に放り込まれたことを意識しないでは生き残れないであろう。

 個々の企業がまさに自分の生き残りを考える時代。個々の個人が自分の生き残りを考える時代。そんな時代に我々ははいっているのだろう。

 そんなときに、原発なんかいらないよね。

 こちらもお薦め本です。日本の官僚主義の基本が見て取れます。それが戦後日本でも踏襲されたと言うことでしょう。

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