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2011年6月13日 (月)

『世界報道写真展2011』ではちょっと気分が落ち込み、外に出てくるとホッとする

 石原都政の唯一の善政である(しつこい)東京都写真美術館で6月11日から『世界報道写真展2011』を開催中である(朝日新聞社主催 8月7日まで)。

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 2010年に撮られて発表され、応募された作品は世界125の国と地域からの10万8千点を超える作品は、「Spot News」「General News」「People in the News」「Sports」「Contemporary Issues」「Daily Life」「Portraits」「Art & Entertainmento」「Nature」の9つの部門でのべ54人の写真家が入選。残念ながら日本人はひとりもいない。その中で世界報道写真大賞2010には「ポートレイト」部門の中から南アフリカの写真家ジョディ・ビーバー氏のアフガニスタンの女性を撮った写真が選ばれた。

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 つまりこのチラシの左側(表紙)の写真がそれだ。この被写体であるビビ・アイシャは18歳のアフガニスタン女性。暴力をふるう夫から逃げ出して実家に逃げ戻ったが、夫に連れ戻されてタリバーンに差し出された。「目には目を、歯には歯を」というイスラムの戒律か、この地方のルールかよくわからないが、妻により面目を潰された男は鼻を削ぎ取られるという罰があるそうで、それと同様、夫によって耳と鼻を削ぎ落されたのだった。そのまま捨て置かれてしまったが、カブールにあるアフガン女性を助ける組織によって救い出されて治療を受け、心理的な助けを受け、その後アメリカに送られカウンセリングと再生手術を受けたようだ。

 その美しさと残酷さが混じった写真はかなりショッキングである。堂々とカメラマンを見つめる鼻のない女性の姿。

 しかし、報道写真というものは、結局そこで写されるモノによって規定されてしまうものであり、写真家の問題意識はその社会でのいろいろな矛盾点に向いていくことになる。という訳で、「スポーツ」「アート&エンタテインメント」以外の写真は殆どが社会の矛盾や戦争、暴動、天候異変の姿を捉えたものになる。特に、昨年はハイチの地震や、タイの反政府暴動、パキスタンの洪水、ブリティッシュ・ペトロリアムによる海底油田からの原油漏れなどの大きなニュースがあり、相変わらずアフリカ情勢は不穏なままである。

 普段、普通に日常生活を送っている我々のすぐそばで、こんなに悲惨だったり、大変な思いを持ちながら暮らしている人たちがいるのだ、ということを見せつけられるとだんだん気持ちが落ち込んでくる。しかし、これが世界の現実であり、一方豊かな生活を満喫している我々もまた、世界の現実である。つまり、そんな一方の現実から他方の現実へ何かをなさなければならない、ということを、これらの写真群は訴えているかのようだ。

 ところで、今回の写真展は2010年の写真なので当然3.11東日本大震災の記録は入っていない。そこで主催者はこの機会にということで、講談社がiPhoneとiPad向けに発売したアプリ「3/11 Tsunami Photo Project」のスライドショー上映とiPad版の展示を行っている。多分、来年の報道写真展には3.11とフクシマが入ってくるだろう。

 で、そんなちょっと暗い気分になったものの、会場を出るとこんな日常に引っぱり戻される。ホッとする瞬間だ。

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EPSON RD1s Elmarit 28mm (c)tsunoken

世界報道写真展2011のサイトはコチラ→http://www.asahi.com/event/wpph/

東京都写真美術館のサイトはコチラ→http://www.syabi.com/contents/exhibition/index-1359.html

World Press Photoのサイトはコチラ(英語のサイトですが、受賞作品全てが掲載されてます)→http://www.worldpressphoto.org/

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