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2011年6月30日 (木)

『ネットデフレ』ってそういうことだったのね

 別に中央大学の後輩が書いた本だから、と言うわけではなく、タイトルが面白そうだから買ったのであるが・・・。

『ネットデフレ IT社会が生み出した負のスパイラル』(川北潤著/マイコミ新書/2011年6月30日刊)

「ネットデフレ」とは何か、『ECサイトではパッケージ商品を売ることはできても、アレンジ商品・説明商品・人的サービスを売ることはできません』つまり『ECサイトは自販機と酷似しているのです』『サービス業のEコマース化は小売業のそれと同義の内容でしかなく、人的サービスは一切Eコマース化されないということです』。ということは、結局ECサイトで売れるものは、評価の定まったものとかユーザーが既にその商品についての知識があるものだけであり、そんな商品を様々なECサイトで同じく扱っているということは、価格競争だけが決め手であるということであり、「価格・コム」あたりの価格比較サイトでユーザーは一番安いところから買うことになる。

 つまり『ネットデフレの1つ目の問題は、ECサイトで売るために、何でもかんでもパッケージ化しようとして、人間が販売時に提供すべきだった付加価値を捨ててしまうことです。

 そして、2つ目の問題は、付加価値をそぎ落されたパッケージ商品は、価格勝負でしかなくなり、一番安いものしか売れなくなるということです』ということ『1つ目の問題は、雇用機会を著しく狭めていきます。2つ目の問題は、商品価格の下落傾向に歯止めをかけることが困難になります。そして、両方の問題がリアル店舗の商行為にまで悪影響を与えていきます』という問題がある。要は『例えば、家電量販店に買い物に行き、店員にさんざん商品の説明をさせておきながら、値引き交渉でアイフォーン(iPhone)を持ち出してECサイトの商品価格と比較して「高いから」と帰ってしまう』といったような、客の側のモラルの低下のようなことも、ECサイトは促するのである。

 結局『ネットデフレは、「インターネット上でウェブ閲覧とコミュニケーションが統合されていないために発生している」』ということなのだ。つまりウェブ閲覧をしつつ、同時にそのままシームレスに例えばメールやチャットなどでお互いにウェブ閲覧をしながら、コミュニケートできないという問題なのだろう。メールやチャットのむこう側とこちら側で同じウェブを閲覧しながらコミュニケートできれば、そこには例えば「店員と客」の会話が成立するだろうし、同じウェブを見ているAさんとBさんの会話も成立するわけだ。

 それを解決しようとして川北氏が開発したのがシンクプラス(SyncPlus)というソリューションで『シンクプラスの基本となるプロダクトは、ブラウザ通信チャネル構築する通信機器「シンクルーター(SyncRouter)」と、シンクルーターによってつながったブラウザの表示を同期させるソフト「シンクプラグ(SyncPlug)」の2つです。また、ブラウザ通信チャネルの上に接客型のショップを開くアプリケーションとして、「シンクショップ(SyncShop)」もリリースしました』ということだ。

 あとはシンクプラスの宣伝(advatisementやpublic relationsの意味で使っているんだけれども、ネット的にはevangelismなんだろうなあ)になってしまうので、興味がある人は本書を読むなり、シンクプラスのサイト(http://www.syncplus.com/)に行って読んでみてください。

 まあ、所詮リアルな関係ではないから、一部のサービス業(モノの移動を伴わない事業)ではうまくいくかもしれないが、「商品」が介在する事業では、結局、シンクプラスで店員の話を聞いた客は、その段階でネットを遮断。そして「価格・コム」に行っちゃうのではないか、と考えるのだが、それは皮相?

 川北氏は『ウェブを共有しながらコミュニケーションができる新しいネットの世界を、“真のサイバー空間”と呼びたいと思います。真のサイバー空間とした理由は、限りなく現実に近い空間、という思いを込めたからです。

 人間は強欲な生き物ですから、究極までバーチャルにリアルを求めて行くはずです。ところが、ネットに大きな欠陥があったために、それが妨げられていただけなのです。

 真のサイバー空間では、人と人が出会い、リアルの世界と同じようにコミュニケーションや経済が営まれるようになります』と最後に書く。

 なんとそれは『トータルリコール』『マトリックス』やあの『アヴァロン』のような世界なのか、なんていう言い方はあだしごとかもしれないが、取り敢えず『現在グーグルやアップルが仕掛けている垂直統合時代は、集中と分散を繰り返すIT業界の特性から、必ず終焉を迎えます。そして、次のパラダイムシフトが起こるときに、ブラウザ通信チャネルが広がり、インターネットは真のサイバー空間として生まれ変わるはずです』という言葉に期待しておこう。

 

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わかりやすい説明ありがとう御座います。本日著者の講義を聴く機会があり、事前情報として参考にさせていただきます。

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